つきあたりの陳列室

つきあたりの陳列室

2009.07.01
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カテゴリ: Book
(2009,ベツコミフラワーコミックス,小学館)



謎解き部分はミステリ的だし,いじめや堕胎やストーカーに向き合う過程はサスペンス的で,華やかさはありませんが 『キス&ネバークライ』 を連想します.

1巻は暗い印象に終始しましたが,2巻ではほがらかな人間模様も差し挟まれて深みが増します.また予想以上に複雑な設定が姿を現し,一気に面白い展開になってきます.


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普通の人がぽろりと出してしまった不用意な言動が,他人から見ると不気味に見えてしまう.そして人の噂がその不気味さを増幅していく.

たいていの悲劇を引き起こすのは,異常な人間の突飛な行動ではなく,ありふれた人たちの,ありふれた心の動きなのだと思います.だからこそ切ないし,だからこそやっかい.

キスネバほど細部まで洗練されてないけど,先の見えなさが期待感を煽ります.

私の知らなかった作家さんですが,中堅どころの実力派というかんじで頼もしいです.前作はドラマ化されたそうですが,一転してこんな暗い話に,気合いを入れて描いてることに好感を持ちました.傑作かもね.






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Last updated  2009.07.01 21:16:53
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フィンち@ Re:「記憶の中の源氏物語」 三田村雅子 「人生のままならなさ」への強烈な疑問と,…
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ハオ@ 4年はあっという間 バーチュー&モイヤー組見ました。 優雅…

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