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・大自然の力の前では、人間の存在が如何に小さなものかと、痛感しました。人間は大自然に、生きる場を与えて頂いているのだと、感じました。古来日本人の祖先が、大地,海,山,森,火など、あらゆるものに神仏が宿っていると考えたことも、納得できます。・被災者の方の言葉が、深く印象に残っています。「家も、旅館も、船も、みんな流されて、何もかも無くなってしまったけれど、命だけでも助かって、良かった。」・余震が続いていますが、私自身は揺れに慣れてしまいました。しかし被災者の方の恐怖が呼び起こされると思うと、心が痛みます。また脆くなった構造物などが損壊し、新たな災害が発生するのではないかと心配です。特に原発の大事故につながるのではないかと、気が気ではありません。一刻も早く、余震が治まって欲しいです。・原子力発電は、化石エネルギーの枯渇に備えた、有力な選択肢だと考えていました。しかし、災害の発生確率がどんなに小さくても、万一発生した場合の影響の甚大さを考えると、日本のような地震国では向いていないと感じました。・東京電力の情報開示の曖昧さを批判する報道が目につきます。担当者自身も状況確認を行っている最中であり、正確な事はわからないのだと推測します。まさに命がけで、必死に作業していると思います。常日頃からそうですが、批判ばかりしている報道姿勢は、好きになれません。・金曜日の大地震では、地震発生から大引けまでの10分余りで、日経平均は約1%下落しました。あの大揺れのさ中、きっちり手仕舞いした人が大勢いたということです。(売り仕掛けた人も多いかもしれません。)その間私は何をしていたのか?電気スタンドなどの小物を床に降ろし、食器棚が開かないようにガムテープを貼り、液晶TVが落ちないように手で押さえていました。仮にそれらすべてが破損したとしても、引け間際の10分間の下落と、月曜寄付に予想される下落を考えると、ポートフォリオの損失の方がはるかに大きいです。優先順位が間違っていたようです。もともと私の売却基準の一つに、「大損害を被る危険性が少しでもあれば、一旦売却。」というものがありましたが、まったく実行できませんでした。大揺れの中、冷静に判断を下して売買行動をしていた人たちと比べ、私はプロ意識が欠如していたとしか言いようがありません。大地震の最中に映像をとり続けたカメラマン、原発現場で必死に作業している担当者、救助活動をしている自衛隊員、赤ちゃんを守り切った被災者のお母さん、みんな立派です。・被災者の方々は、これから長期間に渡って苦労されます。それでも暴動を起こすことなく秩序を保ち、皆で協力して黙々と復興を進めていくことになるでしょう。そんな日本人気質を、誇りに思います。・些細なことで上げ足をとってばかりいる政治家達には、うんざりしていました。さすがに今は、協力しようという姿勢が目立ちます。この国難を乗り越えるため、挙国一致内閣をつくり、真に日本のために働く国会になることを希望します。・第2次世界大戦後の復興は、朝鮮特需から始まりました。今日本は長年停滞を続けていますが、今回の大災害からの復興を契機に、再び輝きを取り戻すことを期待します。・長期間日本は迷路を彷徨っていました。みんなで協力して、心機一転、新たな日本を創り直しましょう。
2011.03.13
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弱った獲物を見つけると、容赦なく襲いかかってくるハイエナに対して、こんな対応をとるなんて.....もうあえて何も言いますまい。私と同じ思いの人には、言いたいことは十分に伝わっていると思います。
2010.09.24
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今度は閣僚級の交流停止と航空交渉の中止、そして日中青少年交流事業の大学生1000人の受け入れ拒否ですか。中国も次から次へと攻撃をしかけてきますね。尖閣事件は、庭に不審人物がいたので問いただそうとしたら、いきなり殴りかかってきたので、取り押さえて警察に突き出したようなものです。その不審人物の家族としては、謝罪するのが普通でしょう。ところが家族はさんざん怒鳴り散らした上、数々の嫌がらせ行為をしています。盗人猛々しいとは、このことです。たとえ日本の庭ではなく公道で殴りかかってきたとしても、逮捕されるのは当然です。中国人には全く正論は通じないようです。中国人は利己的で、売掛金すらまともに払わないことは有名です。奴らはルールを守らないものと覚悟し、絶対に隙をみせてはいけません。少しでも弱腰をみせると、いくらでも付け込んできます。中国の遠吠えは無視して、毅然とした態度を取り続けることが肝要です。
2010.09.20
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尖閣諸島での漁船衝突事件における中国の態度には、憤りを感じます。まずは何と言っても、事実をねつ造していることです。中国の漁船が急旋回したことにより、海上保安庁の巡視船に衝突したことは、明らかな事実です。ところが中国では、巡視船が漁船に追突したと報道されています。 岡田外務大臣も中国政府に抗議していますが、中国政府は無視しているようです。中国国民を焚きつけて日本に圧力をかけることにより、日本から譲歩を引き出そうとしているようにも感じます。いつものことながら、事実を捏造する中国という国には、うんざりします。嘘も百回言えば真実になると言ったのはナチスドイツのゲッべルスですが、現在もっとも実践しているのは中国ではないでしょうか。私は嘘が許せない性格なので、捏造報道だけでも大きな憤りを感じますが、その他にも中国の態度に関して多数の疑問と反感を感じます。例えば、丹羽中国大使を深夜を含み何度も呼び出したことです。1度の呼び出しならば中国側の主張を伝える目的と理解できますが、深夜にまで呼び出す必要性はあるのでしょうか?ただの嫌がらせに感じます。身柄を拘束された船長の身の安全は保証されており、緊急性はないはずです。中国の場合であれば、拷問や処刑の可能性も考えられるため、緊急性があるのかもしれませんが。事件が発生したのが、民主党代表選の最中だったことも、偶然ではないように感じます。政治的空白を狙った、中国政府による計画的犯行ではないでしょうか。昨日は、中国の企業が1万人の日本への社員旅行を取りやめたというニュースがありました。「日本政府に厳重に抗議する。日本に行った場合の訪日団の安全の問題も考慮した。」と記者会見で述べたとのことです。一企業が、自社の利益と関係のない理由で、他国の政府に抗議するために、社員が楽しみにしていた旅行を取りやめるなんてありえますか?中国政府によるやらせとしか思えません。「訪日団の安全の問題」というのも、日本では全く考えられません。中国内において、自分たちが日本人経営のレストランなどを過去に襲撃したことから、日本でも同様の危険があるとでも思ったのですかね?日本人は中国人のように野蛮ではありません。観光客の減少を懸念する声もあるようですが、反日分子は日本に来なくて結構です。むしろ日本の安全を脅かす可能性のある人物は、入国させるべきではありません。そもそも、1万人の旅行計画というのも、本当にあったのかすら疑問です。もしも今回の事件が中国政府の計画的犯行であれば、事前に旅行の予約を入れておき、事件後に大々的に記者会見を開いて、抗議のために中止すると発表することも、シナリオに含まれていたとしてもおかしくはありません。中国のハッカーが、防衛省と警察庁のホームページにサイバー攻撃をしかけたようです。中国のハッカー組織「中国紅客連盟」が、日本政府機関のウェブサイトを攻撃すると事前に表明していたそうなので、中国の仕業であることは間違いないでしょう。中国政府の関与を証明するものはありませんけど。日中両国が権益を主張している東シナ海のガス田「白樺」に、中国が掘削機材を搬入し始めたというニュースも報じられました。ガス田開発の共同開発に関する条約締結交渉も、一方的に延期を発表しました。これら一連の報道から、中国政府はあからさまに日本への敵対行動を取り始めたと感じます。すぐに戦争行為に及ぶわけではありませんが、敵対の意思表明という意味では、事実上の対日宣戦布告です。民主党政権になってから日米関係が壊れ、日本は弱体化しています。政権基盤も弱く、迅速に適切な対応がとれないと見透かされているのでしょう。中国はこの機会に乗じて、領土・権益の拡大を狙っているのだと思います。こんな国が隣にあり、しかも勢力を急拡大していることに、大きな危機感を覚えます。日本人は元来おとなしく、譲り合いの精神があり、下手に出がちです。しかし中国が相手では、こちらが下手に出ればいくらでも図に乗ってきます。毅然とした態度をとらないと、どんどん不利な条件を飲まされていくことでしょう。今はくだらない権力闘争などしている場合ではありません。挙国一致で臨むべき時です。
2010.09.18
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「旅人が森の中で道に迷った時、あちらこちらを彷徨ったり、その場に留まったりしていれば、森を出ることはできない。方向を定めて真っすぐに進めば、いつか森を抜けることができる。」デカルトの言葉です。いろいろな状況において、真理をついているように感じます。投資にあてはめると、「その場に留まる」というのは、相場環境が悪い時に嫌気がさして放置してしまう(=思考停止)、或いは投資を止めてしまうことかもしれません。「あちらこちら彷徨う」というのは、必勝法を求めて、投資手法を次から次へと変えていくことでしょうね。この2つをしていては、成功は覚束無いと思います。「方向を定めて真っすぐに進む」すなわち同じ手法をやり続けることが、成功への近道のように感じます。もちろん向き不向き(継続できるか)はありますから、不向きなものを無理に続ける必要はありません。最初はいくつかの手法を試してみるのも良いと思います。しかし一度決めたら、それを最低数年間は続け、改善していくことにより、上達していくのでしょう。会社での仕事でも、1人前になるには最低2~3年間はかかりますよね。石の上にも3年といいますし。どのような投資手法でも、相場環境によって有効な場合と有効に機能しない場合があります。したがって一つの手法がある程度身に付いたら、別の方法も試してみて、幅を広げることは悪くないと思います。(意見が分かれる所でしょう。)結局何事においても、地道に続けることが、一番大切なんだと思います。株式投資も、一発当てるというイメージを持つ人が多いかもしれませんが、実際には結構地味なものです。 でも夢は持てますよ。
2010.07.18
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参議院選挙に関する報道やコメントには、多くの違和感を感じます。・民主党は大敗した?どの報道でも、民主党は大敗したことになっていますが、私には、善戦したように感じます。まず獲得議席数ですが、自民党51議席に次ぐ、44議席を確保しました。長らく続いた野党時代であれば、与党自民党51議席に対して、野党第1党の民主党が44議席というのは、ごく普通の結果のように感じます。(時代は変わったと言われればそれまでですけど。)更に比例区の得票数では、民主党が31%と最大得票数を得ており、自民党は24%に過ぎません。私の感覚では、予想をはるかに上回る得票数です。国民も民主党の政権運営のひどさに目を覚まし、昨年の衆議院選挙での民主党バブルは破裂するだろうから、自民党よりもかなり低くなると予想していました。これだけ国益に反することをしているのに、まだこんなに多くの支持者がいることが、信じられません。・消費税増税を持ち出したことが敗因?消費税増税を持ち出したことが敗因であるという意見も耳にします。しかし自民党も消費増税を謳っており、それが原因で負けたということにはなりません。財政や年金を持続的なものにするためには、消費税の増税は避けて通れないと思います。早期に超党派で検討を始めようという菅総理の呼びかけは、間違ってはいません。しかし本来であれば、(1)こういう政策を実施したい。(2)そのためにはこれだけの財源が必要になる。(3)国家予算の削減策として、こういう施策を施す。(4)それでも不足する財源として、消費税を何%上げる必要がある。というのが筋です。今回は具体的な計画は何も無かったように感じます。財源無きバラマキ政策を非難されないようにするため、自民党との争点を無くす選挙戦術として、消費税を持ち出したようにも感じます。消費税発言が原因で負けたとするならば、この点を国民に見透かされたのではないでしょうか。日本が危機的な財政状況にも関わらず、大量の国債発行ができているのは、消費税を増税すればなんとかなると思われているからです。消費増税は切り札であり、切り札を切っても財政が改善しなかったらアウトです。民主党関係者の間では、増税分を雇用を増やすような政策に使えという意見もあるようですし、財政が改善するようには感じられません。大きな政府を志向する人たちに大きな財源を与えても、無駄遣いが増えるだけです。私は消費増税自体には賛成ですが、民主党政権下での増税には反対です。・昨年の衆議院選挙で民主党に投票した人が、みんなの党に流れた?昨年の衆議院選挙で民主党に投票した人が、みんなの党に流れたと報道されています。もちろん昨年自民党ではだめだと思い民主党に投票した人が、自民も民主もだめだから今回はみんなの党に入れたという人もいるでしょう。しかし本当に、多数の人がそのような投票行動をとったのでしょうか?民主党は大きな政府で、みんなの党は小さな政府を標榜しており、まったく目指す方向が違っています。私は昨年の衆議院選挙の時から一貫して、反民主党親みんなの党であり、この2つの党が選択肢として並ぶことは考えられません。昨年民主党に入れ、今年みんなの党に投票する人がそんなに多いのか疑問です。・民主党の連携相手はみんなの党?与党の過半数割れが判明した途端に、みんなの党が連立相手として浮上しました。しかし上記のように、民主党とみんなの党は目指す方向性が正反対であり、連立することは考えにくいです。もちろんお互いに得ることがあれば、一時的に同盟を結ぶことはあり得ますが、それは大穴であり第一の連立相手として想定されることには、違和感を覚えます。
2010.07.13
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今週は久々に大きく上昇しましたね。日経平均は 4.15% 上昇しましたが、週間での上昇率としては今年最大だそうです。急上昇したことと、週末の参議院選挙の結果を受けて、来週の相場展開がどうなるのか読めなかったため(あまり影響ないと思うけど)、1週間前に出動した分 を資金回収しました。参議院選挙といえば、だれに投票するか決めましたか?自分の考えが、どの政党のマニフェストと近いのかを調べる、マニフェストマッチ というサイトがありました。さっそくやってみたところ、こんな結果 になりました。行財政・財政 新党改革経済政策 新党改革外交・防衛 新党改革子育て・教育 みんなの党政治改革・憲法 みんなの党医療・年金 民主党雇用 たちあがれ日本少数政党ばかりですね。非自民・反民主であることは自覚していましたが、ここまで偏るとは我ながら驚きです。各党似たようなマニフェストが多く、適当に選んだ面もありますけどね。昨年の衆議院選挙ではみんなの党に投票しており、比較的みんなの党と意見が合うとは思っていましたが、まさか新党改革が一番マッチしているとは思いませんでした。新党改革には全く興味がありませんでしたが、一応マニフェストでも読んでみようかな。でもマニフェストでは選ばず、日頃の言動から判断して、その政党は何を志向しているのかと、実現可能性で、投票先を決めると思います。単純に言えば、小さな政府を目指している政党に投票します。大きな政府は機能せず、日本の活力を失わせて借金の山を作るのが関の山だと思っています。私が最も重視するのは、経済と外交です。この2分野において、国益を第一に考えた政策を期待します。(鳩山政権を支持しなかった理由がわかるでしょ。)長期的には、少子化対策と財政の立て直しが重要であり、強いリーダーシップが求められます。好きなキーワードは、「自由」「活力」「自助努力」「小さな政府」「国益」です。どんな日本を目指したいのかは人それぞれだと思いますが、選挙主義者と利権政治家にだけは、投票しないようにしましょう。彼ら国賊は、国会から追放しなければいけません。
2010.07.09
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リーマンショック後にFRBは、矢継ぎ早に大胆な金融危機対策を打ち出し、その結果FRBのバランスシートは2.5倍程度に急拡大しました。FRBと比較して、日銀のバランスシートはこの間あまり拡大していませんが、それを根拠に日銀は何もしていないと非難する人がいます。私はこの批判は的はずれだと考えます。確かに リーマンショック以降の変化率 だけをみると、日銀はあまり金融緩和していないように見えますが、日銀は過去10年以上に渡る金融緩和により、既に十分に大きなバランスシートになっています。中央銀行の資産規模を判断する場合、その国の経済規模である名目GDPに対する比率で見るのが適当です。FRBの16%に対して、日銀は25%になっており、FRBの1.5倍相当と言えます。具体的な数値としては、次のようになっています。日銀・総資産 (2010年6月10日現在) 120兆円 ・名目GDP (2009年暦年) 474兆円 ・総資産÷名目GDP=25%FRB・総資産 (2010年6月16日現在) 2兆3477億ドル ・名目GDP (2008年) 14兆4414億ドル ・総資産÷名目GDP=16%さらに本質的な事は、日米の置かれている経済金融状況と、中央銀行に求められているものが異なっているという点です。リーマンショック当時、サブプライムローン債権を含んでいる可能性がある証券が欧米金融機関を中心に拡散され、どの金融機関が爆弾を抱えているかわからない状態でした。そのためリーマンショック直後には疑心暗鬼になり、金融市場での取引が成立しなくなってしまいました。皆が資金確保に走り、コマーシャルペーパー(CP)などの買い手も消え、実体経済に資金が行き渡らなくなりました。「流動性が枯渇した」 という白川日銀総裁の発言は、衝撃的でした。現代社会は、お金が流通しないと成り立ちません。金融市場が機能しないと経済活動が停止し、金融恐慌に陥ります。そこで取引を成立させて市場機能を復活させるためには、FRBのなりふり構わぬ介入が必要でした。一方日本においては金融市場は正常であり、日銀が市場介入する必要性は乏しかったと思います。後に欧米の景気後退の影響が日本の輸出減退に結び付き、日本でも不況になりましたが、少なくとも金融危機ではありませんでした。日米の金融システムの違いも理解する必要があります。日本の場合は間接金融主体であり、銀行融資が金融システムの中心です。したがって銀行を無秩序につぶさないようにすることが重要であり、日銀は「最後の貸し手」となり、銀行の資金繰りを助けることが重視されます。一方アメリカの場合は直接金融が主体であり、資金調達は主に市場で行われます。融資の場合の原資も、証券化により市場から調達しています。アメリカの金融システムを守るために、FRBが「最後の買い手」となり、市場を機能させることが求められました。今回のサブプライムローン問題から始まった金融危機において、FRBの資産拡大の多くがMBSの買い取りであり、CPも多かったことに、その特徴がよく現れていると思います。(ちなみに日銀の資産の64%は国債です。)このように、アメリカにおいてはFRBが最後の買い手となる必要性が高かったのに対し、日銀にはその必要性が高くなかったことが、リーマンショック後のバランスシート拡大の違いに表れたと考えます。日銀がバランスシートを拡大させていないと批判する人は、どんな問題に対処することを目的に考えているのでしょうか。日本における問題点は、デフレです。リフレ派はデフレの原因を、マネーの量とモノの供給量の関係だと考えているようです。マネー量を増やすことにより需給関係を改善し、モノの値段を上昇させようとしています。私は円の信認が失われない限り、マネー量を増やすだけで簡単にデフレを克服できるとは思えませんが、話がそれるのでその話題に触れるのは止めましょう。ここで大切な事は、日本の問題はデフレであり、その解決策をリフレ派はマネー量に求めていることです。一方FRBが目指したのは、流動性の供給による市場機能の回復です。これを「信用緩和」と呼び、日本が行った「量的緩和」とは区別しています。日米では置かれた状況と対処すべき課題は、根本的に異なっています。それを単純に日米のバランスシートの拡大率を比較して、日銀は何もしていないと批判するのは、的はずれだと思います。
2010.06.20
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大きな政府支持者と小さな政府支持者が討論すると、議論がかみ合わず、お互いが納得できる結論を出すことは困難なケースがほとんどです。大きな政府支持者は、「民間に任せれば、すべてがうまくいくわけではない。」と言います。確かにそうでしょう。しかし同様に、政府に任せればすべてがうまくいくわけでもありません。これは社会主義国家の失敗を見れば、明らかです。オバマ大統領は就任当時、「大きな政府か小さな政府かではなく、機能する政府かが重要だ。」と述べました。菅新首相は大きな政府を志向していますが、「賢い政府支出を目指す」としています。日本やアメリカをはじめ、現在ほとんどの政府は財政事情が非常に苦しく、ソブリンリスクが新たな世界経済の脅威になりつつあります。財政の健全化や効果的活用が、強く求められています。そこでどういう場合に、財政を中心とした政策が効果を発揮するかという観点から、大きな政府と小さな政府を考えてみます。大きな政府は、一国の資源(外貨準備高や資材、生産力、人的資源など)が限られている場合、それらを最大限に有効活用するために、効果を発揮します。あまり発展していない国で新たな産業を興したり、経済の離陸期にある発展途上国では、大きな政府の方が力を発揮すると考えます。基幹産業を育てるために、限られた資源を集中的に投じるような戦略的な行動を国家レベルでとることは、民間だけではできません。政府が主導する必要があります。戦後の復興期の日本において、石炭や鉄鋼を重点産業とした傾斜生産方式が思い浮かびます。その他の産業を犠牲にしてでも、将来国家を繁栄させるのに役立つ特定の産業を、規制や財政により優遇するわけですから、決して平等ではありません。将来の夢の為に、現在我慢しなければいけないような状況において、大きな政府は優れていると感じます。一方経済が成熟し、消費者の欲求が高度に多様化した社会では、そうした欲求を満たすために、柔軟な発想やきめ細かな対応が求められます。多くの国民(主に企業)の創意工夫が重要となります。お役所仕事とは対極にありますので、政府がしゃしゃり出ても決してうまくいかないでしょう。このような環境では、民間でできることは民間に任せる、小さな政府の方が優れていると思います。※小さな政府でもセイフティネットなどは、民間ではできないこととして行います。現在の日本においては、小さな政府の方が向いていると思いますが、大きな政府と小さな政府のどちらを支持するのかは、突き詰めると、どれだけ政治家と役人の能力を信頼できるのかにかかってきます。大きな政府支持者は、政治家や役人への信頼が高いのでしょうね。私としては、現在の年金財政の成れの果てや、農家の戸別所得補償や子供手当などのバラマキ政策を見ていると、無駄遣いだらけで政治家や役人を信頼することはできません。私のように子供手当をもらえる立場の人は、政策としては賛成できないけど、払った税金を無駄使いされるくらいなら、自分でお金の使い道を決められる方が良いと思う人は多いでしょう。(正しいことではないでしょうけど)子供手当に限らずあらゆる政策には、その恩恵にあやかれる人とあやかれない人が出てきます。政策とは本質的に不公平なものです。少しずつ多数の人の犠牲の上で、特定の人を利するものです。打ち出の小槌のように、何もないところから利益だけをもたらすことはありません。一見誰も負担していないように見えても、それは世代間の不公平の可能性大です。平等な社会を作るためには大きな政府が必要だと考えている人もいるようですが、政府の関与は不公平をもたらします。たとえ公平ではなくとも、国家レベルで考えてメリットがある場合に限って、政府の直接的な関与を許すべきです。また優遇する業界に対して利権が発生するため、汚職の温床にもなります。大きな政府とは、無駄遣いをした上で、汚職と不公平な範囲を拡大することを意味します。今日のブログを書いてみて、私はつくづく政府を信頼していないということが、よくわかりました。(苦笑)不公平であることを納得できるだけの、有効なお金の使い道(菅さんの表現では賢い政府支出)を、菅政権には期待したいものです。
2010.06.07
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5月10日号の日経ビジネスに、過去1年間の日本株投資の成績についてのアンケート結果が載っていました。それによると、4割の回答者が儲けを出したそうです。昨年の3月末と今年の3月末を比較すると、TOPIXで +26.5%、日経平均にいたっては +36.7% になっています。全体相場が上がっているので、儲けて当然の環境でした。市場平均程度は儲けていないと、勝ち組とは言えないでしょう。アンケート結果のグラフを目分量で測定すると、成績の上位は次のようになっています。 リターン 回答者数 +40%以上 2.5% 程度 +20~+40% 6.5% 程度このあたりまでを勝ち組とすると、全体の1割に満たないことになります。よく、株式投資で儲けているのは、1割しかいないと言われます。誇張されていると感じていましたが、(たったひとつのアンケートだけで判断することはできませんが)、この1割という数字は、まんざらはずれているわけでもないのかもしれません。株式投資をするからには、最低でも上位1割に入らないといけないですね。できれば上位3%を目指すべく、気を引き締めて取り組みたいと思います。まあ相対的に上位何%かなんて関係なくて、絶対的に利益をださないと意味ありませんので、心構えの問題ですけどね。追記:少数の勝ち組と多くの負け組が生まれる理由について、1つの仮説 を以前書きましたので、興味のある方はご覧ください。
2010.05.16
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以前はよく、夢の中で「今は夢をみているんだ。」と気付くことがありました。一旦夢であることを認識できると、普段日常生活では躊躇するような場面でも、やりたい放題好きな事ができます。しかも何をやっても、すべてうまくいきます。こんな楽しいことはありません。私はこのような夢を見ることが大好きでした。しかしここ数年、夢の中で夢であることを認識できることは、無くなりました。これは心理状態の変化を現わしているのですかね。皆さんは、夢の中で夢であることに気付くことが、よくありますか?
2010.05.04
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第2段の事業仕訳が始まりました。政治ショー化しているところが気になりますが、自民党政権時代には闇に隠れていた事業内容や予算が、白日の元にさらされることは、良いことだと思います。独立行政法人が仕訳対象のようですが、ぜひとも参議院を仕訳対象にしてほしいと思います。私はここ数年、参議院の存在価値に疑問を感じています。現在の政党政治のもとでは、政党の決定が国会決議になります。したがって通常であれば、衆議院で議決されたものは参議院でも議決されますので、参議院はただの追認機関にすぎません。自民党政権時代の末期のようなねじれ国会の時には、当時野党だった民主党の徹底した妨害工作により、政治マヒ状態に陥りました。すなわち良ければ無意味な追認機関にすぎず、悪ければ(ねじれ国会で野党が撤退抗戦した場合)政治が機能マヒをおこすだけです。これでは何のために参議院が存在するのかわかりません。こんな有害無益なものに、議員報酬/国会経費/選挙 など、莫大なお金をかける価値はあるのでしょうか?本当に二院制にする必要があるのか、再考すべき時期だと思います。衆議院の暴走を防ぐために、良識の府として参議院を存在させた方が良いという考えであれば、政党の支配を受けない形にすべきだと思います。たとえば参議院に立候補する人は、政党などの政治団体に所属していてはいけないという規則を作ってはどうでしょうか。私は政治システムについて詳しくありませんが、ここ数年の日本を見ていると、2大政党制による政党政治と二院制は、合わないように感じます。
2010.04.24
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トレーディングに関する心理分析で有名なタープ博士が考案した、トレーダーのタイプを判定するテスト を見つけました。さっそくやってみたところ、私は Detailed Trader だそうです。Detailed Trader と言われても、意味がわかりません。メールアドレス等を登録すると、Profile Report なるものを送ってくれるようですが、英語だしむやみに登録するのも躊躇われたので、登録しませんでした。でも Detailed Trader とはどんなタイプなのか気になったので検索してみたところ、こんな文書 が見つかりました。資質としては、悪くはなさそうです。Detailed Trader の例として、ウォーレンバフェットが挙がっています。先日スノーボールというバフェットの伝記を読んだのですが、性格的に似ているところはあるものの、とても真似はできないと、目標にするのをあきらめたところでした。しかしタープ博士のテストで、バフェットと同じタイプだと言われたことは、悪い気はしません。投資手法はともかく、バフェットの投資に対する真摯な姿勢は、見習いたいと思います。
2010.04.08
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坂の上の雲を見ていたら、明治時代になって武士階級が無くなるシーンが出てきました。それまで支配階級であった手に職を持たない武士達が、突然失業状態になり大変だなと感じながら、ふと「士農工商」について思ったことがあります。「士農工商」といえば、江戸時代の身分制度で有名ですが、これは社会の発展する順番と同じであることに気付きました。略奪や争いが絶えない時代には、何よりも命を守ることが最重要課題です。必然的に、敵と戦い自分たちを守ってくれる、武士の重要度が高まります。「士」の社会です。平和が訪れると、民の欲求は腹いっぱい食べることに移ります。そのためには農業を振興しなければいけません。多くの人が、農業に携わることになります。現在でも多くの後進国は、農業人口が最も多くなっています。「農」の社会です。農業が発展し、十分な食料が得られるようになっても、各人の食べる量は増えません。代わりに、生活を便利にしてくれる色々なモノが欲しくなります。農業技術の発達に伴い、十分な食料を得るために必要な農民の数は減少し、余ってきます。モノへの欲求が強い社会になっていますので、彼らは製造業に移っていきます。中国が今この状態に入りつつあります。生活が豊かになりつつある新興国では、製造業に従事する人口が多くなっていきます。「工」の社会です。ある程度モノが行き渡ると、モノへの欲求は薄れてきます。テレビや車は一家に一台、あるいは一人に一台以上は必要ありません。むしろ置き場に困り、邪魔になってきます。人々の欲求は、楽しい時間を過ごすことに移り、それを満たすような様々なサービス業が広まっていきます。成熟した先進国は、サービス業に従事する人口が最も多くなります。「商」の社会です。江戸時代には、支配階級である武士以外では、実際には身分の序列は無かったと聞きます。また百姓(農)や町人(工と商)の間では、身分移動も比較的柔軟にできたようですので、身分差別をすることが目的ではなかったと思われます。それなのに「士農工商」という制度があった理由は、産業の振興政策ではなかったのかと想像します。江戸時代初期には食料も十分ではなかったので、まずは農業を振興する必要がありました。人々の優越感に働きかけることにより、農業人口を増やそうとしたのではないでしょうか。農業の次に重要になるのは工業であることを予測し、「工」をその次の階級にし、「商」は当分増やす必要はないと考えたのかもしれません。以上は単なる私の妄想に過ぎませんが、もしも江戸幕府が社会の発展形態を理解して「士農工商」を定めたとすると、恐るべき洞察力だと思います。
2009.12.21
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昨日の株式市場は、前場は日経平均で100円以上下落する場面もありましたが(これは想定通り)、昼に日銀が臨時の金融政策決定会合を開催すると伝わったことから、後場は急騰しました(うれしい誤算)。最近になって、政権中枢から円高や株安を気にする発言が聞こえるようになってきました。有効な対策を打てるとは思えませんし、本気度もわかりませんが、「資本市場の動きなんて庶民には関係ない」 とでも思っているようなあの政権が、円高や株安対策を意識するようになったということ自体、私にとってはポジティブサプライズです。たとえ具体的な対策がなくても、マイナスになるような言動を慎んでくれるだけでもプラスだと思います。「新たな需要創出に向け、制度・規制などルールの変更に積極的に取り組む」という発言も出てきました。従来の、規制を強化して保護や分配一辺倒だった政策から、初めて規制緩和による需要創出(私の表現では太陽政策)に目を向け始めたようにも感じます。具体的な政策が出てくるまでは信用できませんが、良い変化だと期待します。急激な円高や株安(特に日本の独歩安)が、経済に興味のなかった民主党政権に、目を覚まさせるきっかけとなったのかもしれません。そう考えると資本市場の動きは、優秀な教育係に思えてきます。民主党が経済を無視したら思い切り株安にして落第点をつけ、対策を考え出したら株高のご褒美で応えてあげましょう。
2009.12.02
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「北風と太陽」の続編として、太陽編を書く予定でしたが、へたなたとえ話では伝えたいことをうまく表現できないと考え、直接書くことにしました。政(まつりごと)とは国家/社会を、ある理想とする状態に作り上げることを目的とします。そのためには、まずどのような国家/社会を作ろうとしているのか、国家ビジョンを明確にする必要があります。次に、それを実現するための方策を検討します。これが具体的な政策になります。政策には、次の2種類があると思います。・国民にある行動をとらせるように仕向けるための仕組み作り。・国が直接行動する。一番目の、「国民にある行動をとらせるように仕向けるための仕組みづくり」というのは、とらせたい行動にインセンティブを与える形になります。例えば太陽光発電を普及させるために、太陽光発電により発電した電力のうち余った分を、電力会社が従来の2倍の価格で買い取る制度などが該当します。多くの場合、特定の行為をすると減税する政策が一般的です。エコポイントも、この範疇に入るでしょう。2つめの、「国が直接行動する」というのは、公共投資などが代表例です。インフラ整備など、主に民間ではできないことを、国家が行います。経済の発展段階が初期の国では、特に重要になります。また不況時に期間限定で、需要を創出することも必要でしょう。直接国家が行動する場合、多額の費用がかかります。それらは税金で賄われますが、国家財政には限りがあるため、本当に国家が行う必要のあるものに、限定することが肝要です。それと比較して、インセンティブを与える仕組み作りの場合には、最小限の費用で多数の国民の資産を有効活用することができます。したがって、インセンティブを与える仕組み作りは上策で、国家が直接行動する政策は下策だと思います。(国が行うと、非効率になるという面もあります。)身近な例に置き換えてみましょう。ある部署のマネージャーになったとします。優秀なリーダーであれば、部下の能力を引き出し、それぞれの部下が活躍できるようにすることに、注力します。一方あまり誉められないリーダーの場合は、細かいことまで直接自分で手を下してしまいます。多くの場合、実務能力が高かったためにマネージャーに昇進したのでしょうから、個別案件については、部下に任すよりも自分でやった方が、レベルの高い仕事ができます。しかし時間的な制約により、自分一人で上げられる成果には、限りがあります。部署全体のパフォーマンスとしては、メンバー全員が活躍できる様にした方が、高まります。多くの人の力を発揮できるようにすることが、すぐれたリーダーであるのと同様に、多くの国民に行動してもらうような仕組み作りこそが、良い政策だと考えます。私はインセンティブを与えるような政策を資本主義的政策、そして国家が直接行動するような政策を社会主義的政策と捉えています。漫然と税金をばら撒くのではなく、いかに国民の欲求にうまく働きかけ、目指す方向に行動を起こさせるかこそが、現在の日本に求められている政策ではないでしょうか。全てがだめだとまでは言いませんが、社会主義的な政策だけでは、活力は産まれません。どちらの政策をとるにしろ、目的を明確にして定期的に効果を検証することが必要です。意義を失った政策を単純に継続することは、避けなければいけません。その意味では、事業仕訳には期待しています。ただし政治ショー化している点が気になります。本当に重要な問題から、国民の関心をそらすことを狙っているのではないかと勘ぐってしまいます。さて、昨今の政治に私が不満を持っている理由のひとつは、マイナスのインセンティブを与える政策が目につくためです。マイナスのインセンティブの具体例として、「北風と太陽-民主の北風編」を書きました。そしてプラスのインセンティブのことを、「太陽編」として書こうと思っていた次第です。失業が問題であれば、仕事を増やす必要があります。仕事を作っているのは主に企業ですので、企業が雇用したいと思うようにすることが大切です。銀行貸し出しを増やしたければ、貸し出すことのハードルを低くすれば効果があるはずです。それを様々な規制を強化することによって、逆に身構えさせてしまっています。プラスのインセンティブを与える政策を上策、直接国家が行動する政策を下策と言いましたが、マイナスのインセンティブを与える政策は最低です。現在の窒息しそうな停滞感を解消するために、新しいアイディアを持った起業家が多数現れることを期待します。そのためには規制を緩和して、新たなビジネスチャンスを作り出せるようにすることも重要です。薬のネット販売はだめだとか、あれだめこれだめ、ああしろこうしろ、保護保護保護と、日本にはつまらない規制が多すぎます。これではやる気をなくし、活力が出るはずがありません。何も努力せずにおねだりばかりする、弱者のふりをしている人を単純に保護するのではなく、弱者から這い上がるために懸命に何かをやろうとしている人を支援するような政策を期待します。政治家や官僚は、予算をとったり既得権を守るために知恵を絞るのではなく、如何に活力ある社会を作るためのインセンティブを与えるかに、知恵を絞って欲しいものです。
2009.11.20
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国民:最近生活が苦しいよ。なんとかしてよ。民主の北風:俺にまかせな。収入を増やしてあげるよ。 最低賃金を高くすることにしよう。国民:あれっ? 最低賃金を上げたら、仕事が見つからなくなっちゃったよ。 特に派遣労働者など非正規雇用の人が、雇い止めにあっているみたい。民主の北風:じゃあ、派遣を禁止にしよう。 そうすればみんな正社員になれるから、辞めさせられなくなるよ。国民:労働規制が強くなってきたから、新しい工場を国内に作るの止めて、 海外に作ることにしたって。これじゃ仕事が無くなっちゃうよ。民主の北風:心配するな。手当を色々配って、生活を楽にしてあげるから。国民:財源は大丈夫なの?民主の北風:企業は海外の安い人件費を使って、儲けているんだから、 少し負担してもらおう。法人税率アップだ。国民:税金が高くて外国企業と競争にならないからって、 本社を海外に移す企業が増えてきたよ。民主の北風:仕方ないなあ。じゃあ金持ちに負担させよう。 皆が困っているときに、自分たちだけ裕福なのはけしからん。 所得税の最高税率アップと、資産課税だ。 格差の解消にもなるし、一石二鳥だ。国民:お金持ちや優秀な人達は皆、日本を捨てて海外に出て行っちゃったよ。 日本では希望が持てないって。民主の北風:(涙目で)君たちも見捨てて、海外に出て行くつもり?国民:僕たち貧乏人はお金もないし、海外でやっていける自信はないよ。こうして日本には、さほど優秀ではない貧乏人だけが残り、めでたく格差は解消されましたとさ。
2009.11.16
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日本は長らく世界第2位の経済大国と言われてきました。確かに経済規模、技術力、文化など、大国には違いないのですが、その実態は意外に脆いと考えています。一言でいえば、日本は自立できていない国です。まずは資源です。エネルギー,非鉄金属やレアメタル,食糧など、日常活動をしていくうえで欠かせないものの多くを、輸入に頼っています。万が一輸入が途絶えたり経済封鎖されたら、即座に立ち行かなくなります。産業構造においても、日本は一部の輸出産業に頼っており、多くの内需型産業の競争力と生産性は、低いままです。しかも日本が強い輸出産業は、景気敏感産業に偏っています。残念ながら輸出産業である以上、輸出先の経済状況に影響されることは避けられません。いつまでも一部の輸出企業だけにおんぶされているわけにはいきませんから、内需型産業を強化することは必要です。しかし大黒柱の輸出産業をつぶしてしまったら、日本全体が沈んでしまいます。政府には、優秀な輸出産業を、宝物のように大切に扱ってもらいたいものです。むしろ私は、景気敏感ではない新たな輸出産業を育てることに、注力すべきだと考えます。株式市場に代表される資本市場の動向は、現在の社会において、非常に大切なものです。日本人の多くは株式投資をしていないためか、いまだに株式市場を軽視する風潮があるようですが、個人的に株式投資をしていなくても、国民生活に多大な影響を及ぼします。株式市場が暴落すれば、金融危機が発生し、経済収縮に結び付くことは、昨年のリーマンショック以降を思い出せば明らかでしょう。当然、給料にも影響します。年金も実質的に破綻するかもしれません。保険会社が行き詰れば、生命保険などの支払いも減額されます。このように重要な株式市場ですが、売買高の過半数を外国人が占めており、外国人の売買動向により、日本の株式市場の動向が決まってしまうのが現状です。すなわち外国人に支配されている状況です。一般的に外国人の投資は逃げ足が速く、自国の状況により日本など他国からあっさりと資金を引き揚げますので、海外動向に振り回されることになります。長年株式市場を軽視してきた結果、国内投資家が育っていないことのツケが回ってきているのだと思います。(グローバル時代においては、海外市場の動向にある程度影響を受けること自体は、仕方のないことですが。)現時点で唯一自立できているのは、国債の国内での消化です。しかし財政破綻は迫ってきており、これもいずれ立ち行かなくなることが濃厚です。ある記事によると、民主党が政権をとった9月以降、日本国債のCDSが35bpから63bpに急騰しているそうです。この値は他の先進国と比較しても高くなっています。10月に入ってからの長期金利の上昇傾向も気になるところです。私自身はすぐに破綻すると思っているわけではありませんが、資本市場は徐々にそれを織り込みにいっているのかもしれません。郵政民営化を後戻りさせているのは、郵貯マネーに国債を引き取らせることにより、少しでも破綻を先延ばしさせるためかもしれません。国防も全く自立できていません。これまではアメリカに完全に頼ってきました。今後もアメリカとの同盟を基軸にするのが現実的だと思いますが、日本に利用価値がなくなればアメリカも見捨てるでしょう。自国の国防戦略は、自国で考える必要があります。戦略立案にあたっては、できるだけ選択肢を広く持ちたいところです。憲法9条が制約にならないか、心配です。このように考えていくと、日本は全く自立できていない国だと思えてきます。江戸時代に鎖国できていたということが、嘘のようです。なお自立という言葉を、他国なしでやっていくという意味ではなく、外国に振り回されることなく、主導権をもって振る舞えるという意味で使っています。今の時代、一国だけでやっていくことはできません。しかし海外との関係の必要性が、リスクに直結しているという点は、忘れてはならないと思います。このような実情を考慮すると、外交が非常に大切になってきます。しかし残念ながら、外交戦略も非常に弱体だと感じます。特に鳩山政権になってからは、何を考えているのかさっぱりわかりません。とにかく日本の国益を第一に考えてもらいたいものです。外交交渉では、強いほうが有利です。残念ながら今後の日本は衰退の方向です。少しでも国力が強いうちに、日本に有利な戦略的なポジションを確保して欲しいものです。鳩山政権には、国力を強くしようとする意志が感じられません。弱者を保護するのも結構ですが、このままでは日本全体が弱者になってしまいますよ。
2009.11.06
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前回のブログでは、工場の海外移転が進むことを危惧していましたが、本社ごと海外移転する動きが既に始まっているようです。このブログの意見、まったく同感です。(ついでに こっち も基本認識は同じです。この人のブログ初めて読んだけど、私と意見が合うな。)今のままの政策が続くと、世界で戦える優良企業と優秀な人材は皆、日本から出て行ってしまいますよ。そして残るのは保護ばかりを求める敗者だけになってしまいます。そんな日本は見たくありません。海外で活躍する優秀な日本人がいれば、それで良いという意見もあるかもしれません。しかし私は、日本列島を根拠地とする日本民族が、世界の中で輝いている姿を希望します。由緒ある日本国を衰退させてはいけません。先日TV番組を見ていたら、解説者が次のようなことを言っていました。最近欧米で、日本が衰退していくというレポートが、複数出ているそうです。NDCという言葉をご存知ですか?通常NDCと言えば、New Developing Country の略で、新興工業国や発展途上国を示します。しかしここでいうNDCとは、New Declining Country すなわち新たな衰退国だそうです。残念ながら、日本のことを指しています。ただでさえ少子高齢化が進み、国家財政も破綻寸前で先行きが暗い日本ですが、その上さらに国力を削ぐような政策ばかりを推し進めようとしています。外国人に言われるまでもなく、日本人である私自信、日本の衰退を真剣に心配しています。日本を救うことはできないけれど.... せめて自分の家族の生活だけは守ります。敗北主義者どもと心中するつもりはないぜリスクをとってでも勝利を目指すそれがゲーマーの生き方だ
2009.10.23
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2か月ぶりの更新になります。衆議院選挙で民主党が大勝したことにより、すっかりやる気を無くしていました。私は総選挙以前から、民主党が政権をとったら、日本は衰退していくのではないかと危惧していました。だからといって、自民党政権のままでいいとも思っておらず、政権交代は必要だと考えていました。そこでここ2年ほどは、第3の政治勢力が結集することを期待していましたが、できたのはみんなの党だけでした。政権交代を実現できるのは民主党だけでしたので、民主党が僅差で政権をとることを望んでいましたが、結果は3分の2を上回る大勝でした。これで民主党に好き勝手なことをされたらまずいと、憂鬱な気分になりました。追い打ちをかけたのが、人事です。かねてより経済音痴だとみなしていた亀井静香と管直人にだけは、経済閣僚を任せてはいけないと思っていましたが(あと福島瑞穂もだけど、これはさすがにありえない)、よりによって金融大臣にすると聞いた時には、絶望しました。突拍子もないことを言い出すのではないかとハラハラしたとたんに、モラトリアムを言い出す始末です。まあ落ち着くべき所に落ち着くんでしょうけどね。そしてとどめをさしたのは、支持率の高さです。私の認識と、大多数の日本国民の考え方に、大きなギャップがあることを知り、脱力感を覚えました。民主党の政策はバラバラで、どうやって日本を発展させていくのかという戦略がありません。あるのは、選挙目当ての人気取りで思いついたアメを羅列したマニフェストだけです。それらを実現する目的は何で、長期的にどういうメリットとデメリット(トレードオフ)をもたらすのかが、不明確です。個別政策をとっても、たとえば子供手当の目的は、景気対策なのか(貯金に回るだけで効果は薄い)、少子化対策なのか(子育てしやすい環境を作ることを考えるべき)、貧困対策なのか(それなら所得制限すべき)、はっきりしません。CO2の25%削減を事実上国際公約してしまいましたが、実現の目処はたっていません。不足分は排出権を海外から買うはめに陥り、実現できない目標の公約は、日本は世界にお金を寄付しますと宣言しているようなものです。環境対策を強化するという方向性は間違っていませんし、高い目標を設定することも良いでしょう。しかし外交とは、少しでも自国に有利になるように交渉する場です。友愛だなんて言っているようでは、カモにされるだけです。せっかく日本には最先端の環境技術という切り札があるのですから、それを有効活用して外交交渉を有利な展開にもっていくことができるはずです。また高速道路無料化は、CO2削減とは矛盾しています。どういう効果を期待しているのでしょうか?民主党の政策には一貫性がなく、全体的な国家戦略もないように感じます。しかし最近、実は一貫した戦略があるのではないかと思えてきました。いくつか例をあげてみましょう。製造業への派遣を禁止すると、企業は気楽に雇うことができなくなります。新たな工場開設などの投資には慎重になり、海外移転を検討することになるでしょう。従来派遣社員だった人の一部は正社員になれるかもしれませんが、大多数は職を失います。従来の派遣社員間で、正社員になれる人と失業者という、格差が広がることになります。時給を1,000円に引き上げる件も同様です。企業は雇用を減らさざるを得ず、失業者が増えるとともに、残った従業員にしわ寄せがきます。そもそも賃上げは好景気の時に目指すことであり、雇用不安があるときに持ち出す話ではありません。また、やっていけなくなる中小企業も増え、中小企業は衰退します。モラトリアム法案を当初案通りに実施すると、銀行は新規貸出に慎重になります。既に瀕死の中小企業にとっては生命維持装置になるでしょうが、これから元気に育っていく企業にとっては、成長機会が奪われる危険性があります。新陳代謝を促した方が、明るい未来が開けるのではないでしょうか。また金融危機の傷が癒えないうちに、金融機関に負担を強いると、混乱を深めるだけだと思います。(最近はだいぶトーンダウンしてきたようですが。)過度にCO2削減を企業に強いると、規制の緩い海外に出ていかざるを得ません。日本のかわりに海外に工場を作っても、単に日本の生産力が落ちるだけで、地球全体でのCO2排出量は変わらず、意味がありません。上記4例はすべて、企業活動を制限し、国内の経済力を減少させるという共通点があります。そうか! 民主党は日本の国力を小さくすることによって、CO2を25%削減するという国際公約を実現するつもりなんだ。
2009.10.21
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「人間の欲望はきりがない。現代は長生きしたいとか、いつまでも働きたいといった時間に対する欲望は増大し続けている。そこで問題なのは、ものすごくカネがかかるということ。今の年寄りの医療費は、病気とは言えない。もともとガタガタになっているのが普通の状態なのに、病院に行く年寄りの医療費を国としてカバーする必要があるのか。私は年寄りを人工生命体と呼ぶ。そのままにしたら死ぬのに、大量のエネルギーとカネを使って生かしている。高齢化社会とは、年寄りの時間に対する欲望にカネを払う。それを社会保障ということで若い人からカネを搾り取るのはフェアではない。」日経ビジネスに載っていた、本川達雄東京工業大学教授(生物学)の言葉です。高齢者が読んだら気分を害すかもしれませんが、高齢化社会は自然の摂理に反しているのではないかと思えてきました。親しい人に長生きして欲しいと思うこと自体は、自然な感情なのですが、自然の摂理に反していると、いずれ崩壊をもたらします。バブルが必ず崩壊するのと同様に。(と無理やり投資に関連づける)丁度今週、可愛がっていたハムスターが死んでしまい、生命について意識が高まっている状態でこの記事に出会い、考えさせられる内容だと感じました。
2009.08.15
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もしも戦国大名が株式投資を行ったら、どのような投資スタイルになるのでしょうね。私は歴史に詳しいわけでも、多くの書物を読んだわけでもありませんが、戦国物が好きです。単に私の抱いているイメージにすぎませんが、戦国大名が株式投資をしたらどんな感じになるのか、妄想してみました。・織田信長楽市楽座など合理的な改革者の一面もあるのですが、比叡山焼き討ちや伊賀の乱での虐殺など、敵対する者は容赦なく皆殺しにするような、力づくの印象が強いです。そういえば、「鳴かぬなら、殺してしまえ、ホトトギス」という歌もありましたね。力づくで強引な戦い方からイメージする投資スタイルとしては、仕手筋です。仕手戦で強引に株価を吊り上げ、提灯買いがついたところで売り抜けます。仕手筋が売り抜けた後には、高値で提灯買いした投資家の屍が、たくさん転がっていることでしょう。実際には戦い方が強引だったのではなく、勝負がついた後の仕打ちが残酷だっただけでしょうけど、他の武将の投資スタイルとの対比のため、ここでは仕手筋ということにさせてください。・武田信玄信玄は非常に慎重で、絶対に勝てる戦しかしなかったと言われています。敵方武将の調略や補給の確保をはじめ、あらゆることを用意周到に準備をして、勝利間違いなしと判断したときに、出陣しました。また勝ち過ぎることを戒め、適当なところで矛を収めたそうです。決して無理はしません。「人は城、人は石垣、人は堀」という言葉があるように、家臣を大切にし、組織力の強化に努めました。投資スタイルは、企業価値重視の正統派の機関投資家です。投資決定プロセスや、ポジションサイズ、撤退基準などが、明確にルール化されているといった感じです。なおルール化されているのはリスクを減少させるためのプロセスであり、作戦が画一的なわけではありませんよ。・徳川家康武田信玄を手本にしたと言われるだけあり、信玄と似ているところが多いのですが、かなりの実力を持ちながらも、強引に天下を取ろうとはせずに秀吉に臣従し、機が熟すのを辛抱強く待ったことが印象的です。機が熟したら、関ヶ原の戦いと大坂の陣で、一気に片を付けました。天下をとった後には、徳川の世が続くような仕組み作りに腐心しました。バフェットの投資スタイルを彷彿とさせます。超優良企業が割安になるまで何年でも待ち続け、市場が暴落し割安になった時に、果敢に買い出動することでしょう。・豊臣秀吉一夜城や水攻め、そして中国大返しなど、奇想天外な作戦を用いました。発想が柔軟で、機転が利いたのだと思います。しかし豊臣家の伝統といったものは無く、譜代の家臣もいません。そのため金(褒美)と権力で手なずけようとしましたが、秀吉亡きあとの結束力は弱く、豊臣家の滅亡につながったのではないかと思います。個人の才覚で大成功は収めたものの、家康のように長期政権の礎を作ることには失敗しました。投資スタイルとしては、ヘッジファンドでしょうか。裁定取引などの儲けのチャンスを常に伺い、デリバティブを駆使して新たな投資アイディアを探る、といったイメージです。しかし大きな市場変動など、何かのきっかけで、破綻する可能性があります。・上杉謙信私利私欲を捨て、義を貫きました。たとえ時代にそぐわなくても、自分の信念を貫いた生き方に、共感を覚えます。いくさには滅法強く、不敗神話があります。勝敗は兵の多寡で決まるものではない、と言っています。敵の状態を(そして自軍の状態も)注意深く観察し、隙を見つけたら一気に攻略するといった感じです。当然天候や立地条件も活用します。戦い方を一言で表現すると、敵の隙や天候などの一時的な状況を利用し、絶妙のタイミングをもって、勢いで攻略するといったイメージです。投資スタイルは、ジョージソロスが近いかもしれません。ソロスといえば、ポンドを暴落させたことで有名ですが、市場の歪みを見つけて針の一刺しをし、一気に大きな流れを作るといったところが、謙信の戦い方と重なります。私は上杉謙信が大好きです。しかし、謙信流の戦い方を真似ることは、難しいですね。
2009.07.23
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昨日の日本経済新聞に、中国景気に関する中国人エコノミスト達のコメントが掲載されていました。気になった部分を、一部抜粋します。「不動産は経済全体を押し上げる領域だ。ある程度のバブルは景気回復のために支払わなければならない代価だ。」 (安信証券チーフエコノミスト 高善文氏)「中国の産業景気は金融市場の動き次第といえる。株価が上昇すれば企業の資金調達意欲が高まり、民間投資も盛んになるからだ。金融市場が堅調な間は、景気回復が続く可能性が高い。 :市場主導の回復ゆえのリスクがある。株価が下がり続けると、企業や消費者の心理が冷え、景気が逆回転を始める恐れがある。中国政府は現在、巨額の流動性を市場に供給し続けている。投資対象は株式や不動産に偏っており、放っておけば相場は上昇すると考えるのが自然だ。」 (卓司高資産管理チーフ・インベストメント・オフィサー 司馬毅氏)2人とも市場関係者ですので、割り引いて考える必要がありますが、中国人の方が日本人よりも、資産価格や市場の重要性がわかっているように感じました。日本人の多くは自分で直接投資を行っていないため、株価や不動産などの資産価格なんて、景気には関係ないと思っている人が多いように感じます。そういえば「日本は世界で唯一成功した社会主義国だ。」とか、「中国人留学生は、決して日本人と積極的に付き合おうとしない。 なぜならば、共産主義思想がうつるから。」などというジョークがありました。今や中国の方が資本主義国かもしれません。中国は共産主義国ではなく、独裁政権による資本主義国だと思います。(民主主義かどうかは疑問ですが。)しかし冒頭のコメントには、2人ともバブルを許容する姿勢があるように感じられ、気になります。政策担当者がバブルを許容しているのかはわかりませんが、中国国内にはバブルを歓迎するムードがあるのかもしれません。1987年のブラックマンデー後、欧米の株価が低迷する中、日本がいち早く回復し、そのままバブルに突き進みました。1980年代後半と言えば、日本が最も輝いていた時代でした。(評価基準はいろいろあるでしょうが。)なんか今の中国の位置づけが、当時の日本と重なって見えます。銀行の融資は猛烈な勢いで伸びています。昨日中国国家発展改革委員会が発表した、6月の主要70都市の不動産価格は、前年同月に比べ0.2%上昇と、プラスに転じました。株価も今年に入ってから、急上昇を続けています。このまま中国は、バブルに突き進んでいくのでしょうか?
2009.07.11
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最近の広告宣伝手法で、逆効果ではないかと思うことがよくあります。・動きのある広告たとえば、Web サイトへの広告のうち、動きのある広告がそうです。Web を見ているときに、端の方でちょこちょこ動かれると、目ざわりです。そのため私は、動きがある広告が表示されると、その部分が見えないように、ウィンドウを移動させてしまいます。ただの静止画広告であれば、そのままにしておくので、目に入ることもあるのですが、動きをつけることによって、まったく視界に入らない場所に隠されてしまいます。広告を作成している人は、注目を浴びるように工夫しているつもりでしょうが、少なくとも私に対しては逆効果です。・改行だらけのメルマガメルマガで、やたら改行の多いものがあります。読みやすくするために、段落の区切りで改行を入れるのは良いのですが、無駄な改行(それも連続で複数行の改行)だらけです。大抵1行の文字数も少ないです。その結果、やたら長くなるため、何度もスクロールしないといけません。しかも要点がはじめの方に書いていないため、かなり読み進まないと、何を伝えようとしているのかわかりません。(多くのものは、内容が乏しいです。)こういうメルマガは読む気がせず、削除してしまいます。メルマガに限らず、営業目的の Web サイトにも、似たようなものが多数ありますが、読む気がしないことは、同様です。どういう効果を狙っているのでしょうね。最近こういう手法がはやっているのか、改行だらけのメルマガが増えていますが、読んでもらえないのではないでしょうか?スクロールせずに1画面で読める方が、必要なことが伝わるように感じます。多少長くても、内容のある文章であれば、もちろん最後まで読みますけどね。・本文の前の、大量の広告本文の前に、大量の広告が続くメルマガや Web サイトがあります。これも読む気が無くなります。広告収入を得たいのでしょうが、広告どころか本文も読まれなくなってしまいます。どれも本来の目的や宣伝効果が、失われてしまうと思います。読み手に嫌われるような広告宣伝手法が増えているのは、なぜでしょうね。嫌っているのは私だけなのかな?
2009.05.16
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小沢民主党代表が辞任しました。秘書の逮捕後も一切の責任を認めず、辞任を否定していただけに、意外でした。私は自民党政権では既得権益者とのしがらみが多く、改革は難しいと考えていたので、かつては民主党に期待していました。しかし小沢民主党には、うんざりしていました。小沢民主党の発する言葉は、選挙と政権奪取の話ばかりです。それを実現するために、政府の邪魔をすることばかりが目につきました。「審議拒否」や、「この条件を呑めば審議に協力する」などということを、平気で頻繁に言っていました。私は審議をして法律などを制定することが、国会議員の仕事であり、それを拒否するのは職場放棄だと考えています。小沢民主党の目的は、日本を良くすることではなく、政権奪取自体が目的だと感じます。(政権奪取しないと、政策を実行できないという論理でしょうが。)政府自民党を追いつめ、政権交代も現実味を帯びてきたことは事実ですので、小沢民主党のこれらの行動の効果があったことは認めます。しかし迅速な政策実行を妨害することにより、国益を損なったという思いが強いです。新しい民主党には、政権闘争ではなく、政治を行うことを期待します。
2009.05.12
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日本経済新聞に、三菱UFJ証券景気循環研究所による「景気循環と恐慌」という連載があります。今日のテーマは、ユーロ圏の景気循環についてでした。アメリカとドイツなど欧州大陸諸国の特徴の違いを、よく表していると感じました。*** 抜粋 ***ユーロ圏など欧州大陸諸国の景気は、概して 米国景気に後追いすることが多い。中でも、ユーロ圏の中心を占めるドイツは、その典型である。 :基軸通貨国としての特権と、自由で競争的な金融市場の存在を背景に、米国では自由な信用創造(特に住宅ローンや消費者ローン)が行われる。そして、この信用創造に支えられた、バブル創出型の景気拡大を伴いながら、米国は内需主導型で自律的に成長、世界経済を強力に先導する。一方、ECBを中心として欧州の政策当局は物価安定を重視し、バブルを嫌う。景気の回復と拡大の先導は、ドイツを中心とした強力な 輸出産業が担う ことが多いため、欧州の景気循環は他律的 に動きやすい。 :労働市場についても、米国は柔軟 で、景気状況に応じて採用と解雇が迅速に行われる。このため、雇用は景気そのもの といってよい。金融市場で雇用統計が最重視されることにも、この点が表れている。一方、欧州の労働市場は硬直的 で、景気後退期でも労働者を容易には解雇できない。その代わり、景気回復期でも企業は雇用拡大を当初ためらうこととなる。欧州では、雇用は文字通りの景気の遅行指標 となっている。ドイツを典型例として、欧州大陸の景気循環は、雇用と消費という需要先導型よりも、特に輸出型製造業を中心とした生産主導型 となりやすい。そのため、金融市場でも製造業のウエートの高い、ドイツのIFO景況感指数が景気局面の判断に当たって重視される。*** 抜粋終わり ***日本は、完全にドイツ型ですね。また同じ統計でも、国によって解釈が異なるいい例だと思います。雇用統計は、アメリカでは景気一致指標ですが、日本では遅行指標ですね。日本では解雇は容易ではないため、まず派遣などの非正規労働者が失業し(こっちは一致指標?)、その後半年程度経ってから正規労働者の失業(遅行指標)が増えていきます。最近の失業率の上昇は、非正規労働者によるものが主です。所得水準は非正規労働者は低く、正規労働者の方が高いのが一般的です。そのため、正規労働者の失業の方が、消費への影響は大きいそうです。正規労働者の失業が増加するこれからが、消費低迷の本番かもしれません。現状では壊滅的な外需の方が、内需よりも先に回復するのかな?
2009.02.25
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今朝発表された10-12月期のGDPは、年率換算で-12.7%という35年ぶりの減少率でした。輸出が落ち込んだことが大きな要因です。輸出依存体質を改め、内需型に構造転換すべきだとの意見も耳にしますが、この解釈の仕方はおかしいと思います。輸出が大きく減速したことは事実です。しかし日本よりもGDPに対する輸出額の割合が大きい国はたくさんありますが、日本ほど落ち込んではいません。そもそも輸出が落ち込んだ理由は、輸出先である欧米の経済が落ち込んだためですが、同時期のアメリカのGDPは-3.8%、ユーロ圏は-5.7%と、日本よりもマイナス幅が小さいです。たとえどんなに欧米の経済に依存していようとも、欧米以上に落ち込むのは、輸出依存度以外の理由がないと、説明がつきません。日本の主要な輸出品目は、自動車やデジタル家電といった比較的高額な耐久消費財です。これらは景気が悪くなると、真っ先に支出を減らす対象になります。また機械類など、設備投資関連の輸出も多いですが、不景気の時には、設備投資は控えられます。このように日本の輸出品は、景気の影響を受けやすいものばかりです。そのため、欧米経済の停滞が増幅されて、日本の経済に悪影響を与えていると考えられます。すなわち輸出依存の問題ではなく、日本の経済は景気敏感産業に依存し過ぎていることが、問題なのだと思います。人口が減少していく日本にとっては、海外の成長を取り込むことが不可欠です。それができないと、ジリ貧です。内需型に構造転換するというのは、国家戦略としてはありえない選択肢だと思います。(内需を立て直す必要があるという点は、理解できます。)景気敏感以外の産業でも、海外の需要を取り込めるように構造転換を図ることこそが、日本に必要なことだと思います。
2009.02.16
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第3四半期の決算発表のラッシュですが、大幅な下方修正が相次いでいます。今期の事業環境は、比較的好調だった上半期までと、第3四半期以降では急変していますので、従来の決算チェックとは違った観点を重視する必要があると思っています。私が今、通常時よりも重視しているのは、以下のようなポイントです。そろそろ来期の業績予想が気になる季節ですが、現状の厳しい状況が当面続くことを前提にせざるを得ないと思います。その場合、決算発表数値は累計ではなく、第3四半期実績と第4四半期予想を、四半期単位で見る必要性が高まります。上半期の貯金は、とりあえず忘れた方が無難です。例えば第3四半期累計や通期予想で利益が出ていても、第3四半期(10-12月)実績や第4四半期予想では、赤字になっているケースが多く見受けられます。この場合には、来期の業績予想も赤字になる危険性があることを、覚悟する必要があります。また従来ですと、通期予想に対する進捗率に注目し、進捗率が高い事を好材料視するのですが、今回の場合は 進捗率が高い=第4四半期の業績予想が悪い→来期の業績も期待できないという見方もできます。したがって今は、進捗率にはあまりこだわらないほうが良いと思います。事業環境が好転しそうなのか悪化傾向なのか、その方向がより重要です。なおこの見方は、10月以降に業績が急激に悪化した企業についてであり、景気低迷の悪影響を受けていない企業にはあてはまりません。現在も業績好調な企業は、従来通りの分析方法をすれば良いと思います。次に内容に目を向けます。上半期の事業環境を一言でまとめると、原材料価格の高騰を、如何に販売価格に転嫁できるかがポイントでした。したがって、利益率に注目していました。それに対して下半期では、売上が急激に減少していることが、最大の問題です。したがって、売上高と受注高の動向を重要視しています。(今は将来の見通しが立たないでしょうけどね)また、売り上げ減少の利益への影響を把握するために、固定費の割合にも着目したほうが良いと思います。在庫が急増していないかも、注意点です。資金繰りは当然、要チェックポイントですね。(経験者は語る)株価等の下落により、多額の有価証券評価損を計上するケースが多発しています。しかしこれは一過性のものなので、私はあまり気にしていません。(洗い替え法であれば、3月期末の株価が上がれば、第3四半期までの評価損もなくなるかもしれないし。)繰延税金資産の取り崩しも発生するかもしれませんが、まとめて今期中にうみを出し切ってください。来期の予想がすべてだと思っています。第3四半期/第4四半期が黒字を維持している会社は、そろそろ投資チャンス、赤字の会社は来期業績を見てから検討、というふうに考えています。買うチャンスは何度もありますので、あわてて追っかけ買いをすることだけは、避けましょう。
2009.01.31
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経済の各成長段階での特徴を、マルチプレイヤーズゲームの展開に当てはめて、考えてみます。前回のブログ とあわせてお読みください。前回はゲーム展開を、序盤戦/中盤戦/終盤戦 に分けて、記述しました。これを経済の成長段階にあてはめると、高度成長期/安定成長期/成熟期 となります。1.高度成長期(ゲームの序盤戦)高度成長期には、国民の生活水準が急速に向上し、中流階級が急増します。需要は急拡大し、作れば作るだけ売れていきます。ゲーム展開で書いた ”無人地帯”がたくさんある状態です。各企業にとっては、いかに供給能力を高められるかが、最重要事項になります。大量生産の時代です。市場が拡大するためには、消費者が手を出せる価格にする必要がありますので、安価であることも大切な要素です。消費者の要求は、これ以降の発展段階と比較すると厳しくありませんので、質よりも価格が重視されます。一般的にあらゆる意味で、質(製品の品質、企業統治の質、環境対応等)は高くありません。成長性が最大の魅力です。この段階での成功は、拡大/展開スピードの速さによって、もたらされます。”無人地帯”の陣取り合戦ですので、利益率よりもシェアが重視されます。シェアさえとってしまえば、利益はあとから上げられると目論みます。2.安定成長期(ゲームの中盤戦)高度成長を続けるうちに、公害など社会にもひずみが出てきますし、消費者の要求も多様化し、質を求めるようになってきます。その結果、イケイケでやってきた高度成長期もいずれ終わり、安定成長期に入ります。いろいろな特徴を持った、様々な製品が出てきます。高度成長期の大量生産時代から、多品種少量生産に移り変わります。高品質な製品も出てきますが、一方廉価な製品もあり、2極化が進みます。同じ廉価とはいっても、高度成長時代とは理由が若干異なります。高度成長時代には、市場拡大のために消費者が買える価格に抑えることが目的でしたが、安定成長時代の消費者は、購買能力の問題というよりは、価値観によりお金をかける対象とかけない対象を選択するようになっています。安価な価格設定の目的は、購買可能層(市場)の拡大ではなく、製品の特徴のひとつの要素となります。企業のとりうるアプローチは千差万別になり、ポジショニングなど戦略の重要性が高まります。急成長企業が現れる一方、消えていく企業も多くあります。これは自然な淘汰の過程だと思います。3.成熟期(ゲームの終盤戦)(1)”強力な3カ国”のパターン数社の勝ち組企業による、総力戦の様相を呈してきます。この段階では、単に安いだけでは売れません。品質と値頃感の両立が求められます。安くて品質の良いものを、消費者の好みの移り変わりに合わせたデザインで、適時適所で提供する必要があります。競争は熾烈を極め、低利益率の消耗戦に陥る場合も珍しくありません。多くの弱小企業が消えていく一方、安定成長期までと比べて急成長企業は現れにくくなります。総力戦とはいえ、たとえ勝ち組企業であっても、1社ですべての要素を高いレベルで維持しながら、安価に保つことは困難です。そのため必然的に得意分野に焦点を絞り、それ以外は他社と提携を進めることになります。このあたりは、先日のゲーム展開の話とは、異なるかもしれませんね。市場全体での成長性は高くありませんので、コストコントロールが重要です。しかしそれと同時に、消費者には既に必需品は行き渡っているため、新たな価値を提供できるような斬新さも求められます。国民の要求はあらゆる面で厳しくなり、社会的責任も果たす必要が出てきます。合併による規模の拡大を目指すことも多くなります。これはゲーム展開で説明した、2位3位連合に相当します。(2)”超大国の出現”のパターン独占禁止法があるので、完全に1社による独占というパターンは現れないかもしれませんが、少数企業により市場を占有されてしまうと、その他の弱小企業は販路の確保もままならず、逆転は困難になります。(1),(2)どちらのパターンにもいえる事ですが、他の多くの企業は総合力では超大国企業に適いませんので、ニッチ戦略を取ることになります。特定の分野で高い技術力を有して、超大国企業に部品として採用してもらうか、超大国企業が参入しないようなニッチ分野で、高収益を保つことを目指します。これらの企業は一般的に、高成長よりも利益率を優先すべきだと思います。そうこうしているうちに、超大国企業は大企業病に侵されて衰退していくか、技術革新が起き、ベンチャー企業の中から新しい分野の急成長企業が現れ、新たな産業での新たなゲームが始まります。ただし国民の生活水準は、かつての高度成長期とは異なりますので、ゲーム展開も異なるかもしれません。このように考えてみると、マルチプレイヤーズゲームのゲーム展開と、似ていると思いませんか?
2009.01.23
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人間社会には、マルチプレイヤーズゲームに似ていると感じる事象が、たくさんあります。ゲームは、実社会のある一面に焦点をあててモデル化したものですから、実社会がゲームに似ているのではなく、ゲームの方が実社会に似せて作られていると言った方が、正しい表現なんでしょうけどね。ゲームではありませんが、孫子の兵法など、戦争に関する古来からの知恵を、ビジネスに活かそうとする試みもよくなされます。戦争とビジネスの違いはあれど、多数の人間通しの競い合いという観点では同じですので、共通点があるのは当然だと思います。戦争ゲームも、ビジネスに通じるところがあると感じています。そこで、経済の成長段階ごとの特徴を、マルチプレイヤーズゲームのゲーム展開に照らして、考えてみました。マルチプレイヤーズゲームであれば、どのようなルールのゲームでも構わないのですが、イメージしやすくするために、以下のようなゲームを想像してください。<ゲームのルール概要>多数のプレイヤーが各々自分の国を担当し、領土を拡張していくゲームです。各国はコストを払い戦闘部隊を作成し、戦闘部隊を各地に展開することにより、支配地域を広げていきます。支配地域が広がると、生産力(=国力)も上がります。戦闘部隊には様々な特徴を持つ多数の種類があり、能力の高い部隊の製造はコストが高く、能力の低い部隊は低コストで製造できます。各プレイヤーは、同盟したり裏切ることが、自由にできます。このようなゲームの場合、典型的には以下のようなゲーム展開になります。1.序盤戦:(量と展開スピードの勝負)当初各国の支配地域は小さく、未だどのプレイヤーにも支配されていない”無人の地”が、たくさんあります。序盤戦においては、如何に無人地帯を広く獲得するのかを、競うことになります。そのためには、部隊をできるだけ早期に多数作成し、すばやく各地に展開することが重要になってきます。プレイヤー間で戦争を始めると、その間に他の国々に無人地帯を支配されて、出遅れてしまうため、プレイヤー間での戦争はめったに発生しません。したがって、戦闘力などの部隊の質には、あまりこだわりません。コストの安い部隊を大量生産することに、注力することになります。2.中盤戦:(質も重視。多彩な戦略)無人地帯の取り合いが一巡すると、更に領土を拡大するためには、他国の領土を奪う必要があります。この段階でいよいよ、プレイヤー間での戦争が開始されます。戦争に勝って急拡大する国家が現れると共に、その裏では多くの国々が滅亡していきます。戦闘に勝つためには、部隊の質も重要になってきます。雑魚ばかりの軍隊では、敵の強い戦闘部隊には歯が立たないかもしれません。中盤戦では、様々な戦略が考えられます。多少部隊の質は劣っても、物量作戦で敵軍を消耗させてしまうという戦い方もありえます。戦闘力/射程距離/防御力/機動力など、部隊編成にも工夫が必要です。また、西の敵国と戦争しているときに、東の隣国に背後を攻められたら、ひとたまりもありません。同盟関係を結ぶなどの外交も、非常に重要になってきます。中盤戦は戦略や展開がバラエティに富んでいて、もっとも面白いと感じます。3.終盤戦:(質と量の総合力)ゲーム展開によって、2つのパターンに分かれます。(1)強力な三カ国の争い3カ国程度の強国が出現します。1番手の国に独走されないように、2位3位連合ができやくすなります。最強国であっても、2位3位連合には適いませんので、徐々に勢力は衰えていき、新たな1位国が2位3位連合の中から現れます。そうなると、かつての2位3位連合は分裂し、新たな2位3位連合が形成されて、新1位国に対抗します。このような展開になると膠着し、勝負はなかなかつかなくなります。一度戦端が開かれると大軍同士の大戦闘となり、消耗戦に陥りがちです。小国は大国に徐々に滅ぼされていき、新たな大国は現れにくくなります。3カ国はすべて強国ですので、総合力の勝負になります。戦闘部隊には、質量ともに要求されます。どんなに戦闘力が高くてもコストが高く少数しか作れなかったり、逆に数だけは大軍だが戦闘力が弱いようでは、勝負になりません。また、戦闘力と機動力のバランスなども重要です。(2)超大国の出現圧倒的に強い、超大国が1カ国出現します。こうなると、ほぼ勝負はついてしまいます。他の小国は、超大国に逆らっても歯が立ちませんので、生き残ることだけを考えるようになります。超大国の役に立つような特殊能力を持って同盟関係を結ぶか(属国とも言う)、超大国が侵略してもメリットを感じないようにするしかありません。特殊能力とは、例えば強力な水軍を持つとか、山岳地帯での機動力があるなどです。超大国が他国を攻めるときに、それら特徴のある部隊を援軍として送ることにより、超大国との同盟関係を築きます。また超大国が侵略してもメリットが低いと判断するのは、国土があまり肥沃ではなく、防御力がそれなりに強力な場合です。手間がかかる割りには、実入りが少ないので、侵略するのは後回しになります。こうして小国は生き永らえながら、イベントが発生して超大国が内部崩壊するか、画期的新兵器の発明によって軍事バランスが変わるのを待つことになります。以上が、マルチプレイヤーズゲームの典型的な展開だと思います。次回はこれを、経済の成長段階による特徴に、あてはめてみたいと思います。
2009.01.19
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株式投資で利益を得ることができるのは、少数派だと言われています。私も結果的には、勝つのは少数者だと思っています。その理由は、以前述べたとおりです。それでは、少数派になることを意識していれば、勝てるのでしょうか?私にはよくわかりませんが、少なくともそれだけで勝てるようになるほど単純ではないでしょう。株式投資に限らず、一般的に3種類のタイプの人がいると思います。1.多数派になることを意識している人多くの人に自然に受け入れられるには、どのように行動すればよいのかを気にしています。多くの人に受け入れられる行動は、一般的には多数派の行動になります。多くの日本人は、このタイプだと思います。2.少数派になることを意識している人多数派のやりそうもない行動を、意図的に行います。ただしそのためには、多数派はどう行動するのかを理解している必要があり、その逆の行動をとりたがります。本人は多数派の対極に位置しているつもりですが、裏を返せば多数派を常に意識しているとも言えます。3.周りを気にしない人周りの人をあまり気にせず、自分の思ったとおりに行動します。結果的に、周りの多数派とは少しずれた行動をとる場合があります。本人は、少数派になろうと意識しているわけではありません。私は3番目のタイプが、一番幸せなように感じます。そして、株式投資ゲームにも、勝てそうな気がします。2番目のタイプで最終的に勝てるのは、一部の天才だけで、凡人が真似すると、いずれどこかで大敗しそうな気がします。
2008.07.16
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シミュレーション・ウォーゲームは、過去の戦闘を再現したゲームです。両軍の戦力には差があるケースが一般的であり、片方が圧倒的に有利な場合も多くあります。両者の勝利条件を各々設定することにより、ゲームとしてのバランスをとっています。弱小側のプレイヤーになった場合には、まともに正面から戦ったのでは勝ち目がありません。自軍の損害を最小限に抑えつつ、相手の行動を遅らせる遅滞戦術と、相手の弱点や補給路を狙うゲリラ戦が主な戦い方になります。ゲームのルールにもよりますが、補給路を断たれると、戦力が半減したり移動できなくなったりします。相手の大兵力を自陣深くにおびき寄せた後、敵陣後方の補給路を一斉に各所で攻撃して遮断することにより、相手の大群を身動きできなくした時の快感はたまりません。現実の戦争においても、補給路の確保は非常に重要です。どんなに優秀な戦車がたくさんあっても、燃料が無ければ動けませんし、弾薬が無くなれば攻撃力も無くなります。単に補給路に限らず、継戦能力が非常に重要な要素になってきます。日本は燃料や鉱物資源,食糧などの多くを輸入に頼っていますので、継戦能力は低い可能性があり、GDPの大きさや自衛隊の保有兵器の優秀さの割には、国力は弱いのかもしれません。最近株式投資でも、継戦能力が重要だと感じています。スルガコーポレーションは、2008年3月期は増収増益で過去最高益を更新したにもかかわらず、弁護士法違反がきっかけとなり融資が受けられなくなり、資金繰りに行き詰まりました。アーバンコーポレイションの2008年3月期も増収増益で過去最高益を更新しましたが、実績PER2.5倍という安値の行使価額でのCBを発行せざるを得なくなりました。その上いまだに資金繰り懸念から暴落が続き、先週末段階では年初来87%下落しています。どちらのケースも、前期末までの業績は順調であり、資金繰りの問題です。利益とは戦闘力で、資金繰りが継戦能力だと思います。補給路は予期しないゲリラ攻撃により、ある日突然閉ざされます。同様に、資金繰りを金融機関からの融資に頼っている場合には、金融機関の態度如何で補給路を断たれる危険性があります。そうならないために、日頃から継戦能力にも目配りしないといけませんね。
2008.07.07
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昨日のブログ「投資家の役割」に関連して、株式流通市場における売買についてのコメントをいただきました。既に発行済みの株を買っても、役に立っていないのではないかという質問です。そこで今日は、株式流通市場で株を買うことの意味合いについて、私の考え方を述べさせていただきます。昨日のブログとあわせて、お読みください。株式流通市場において株を買うということには、2つの意味合いがあります。ひとつは、昨日のブログで書いた内容です。株を買うという行為により、株価に上昇圧力がかかりますので、株価の上昇に貢献していることになります。株価が高くなれば、将来増資をする時に資金がたくさん集まります。より多くの資金が集まれば、より多くの資源を使うことができるようになります。すなわち、有能な企業の株価を上昇させることに、価値があります。2つめは、資金提供の肩代わりです。企業にとって本当にありがたいのは、起業する時や初期段階での資金提供だと思います。ここでは広くとらえて、IPOや増資などの株式発行市場も含めましょう。すなわち、資金を直接企業に提供するケースです。この場合の資金提供の価値は、わかりやすいと思いますので、説明は省略します。投資する目的として、将来より大きなリターンが得られることを期待しているはずです。すなわち、Exit 戦略が重要になってきます。たとえばベンチャーキャピタルは、上場させるなどして資金回収を図ります。たとえ配当は期待できても、資金回収できる場が無ければ、資金提供する人は大幅に減ってしまうでしょう。5%の利息はつくけど、元金は返ってこない商品に、あなたは預金しますか?資金提供が細れば、経済は停滞してしまいます。これは日本のバブル崩壊や、昨今のサブプライムローン問題から始まった金融不安による信用収縮を見れば、わかりやすいと思います。株式流通市場とは、資金回収の機会を提供する場に他なりません。我々が流通市場で株を購入するから、彼らが資金を回収できるわけです。株を購入するという行為は、それ以前にその株を購入した人から、企業への資金提供を肩代わりしていることになります。流通市場で資金を回収できるからこそ、ベンチャーキャピタルなどが安心して資金を提供できるわけです。流通市場で売買できることが、企業への直接的な資金供給を促していると言えます。したがって、流通市場で株を買う行為も、間接的ではありますが、企業への資金提供であることに相違はありません。次に、安いときに買って、高くなったら売る行為について、考えてみます。この行為は、株価を適正価格に調整する効果があります。適正価格にするということこそ、資源配分に他なりません。企業の実力に見合った量だけ、資源を使う権利が得られるようになります。投資家は、資源配分のことなど考えずに、投資しているかもしれません。しかしその結果が、適正な資源配分に結びつきます。これこそ、神の見えざる手だと思います。
2008.06.27
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昨年12月に東京地区のタクシー料金を値上げしてから、客離れが止まらないようです。値上げ後の運送収入の対前年比減少幅は、 12月:-2.8% 1月:-2.1% 2月:-0.5% 3月:-3.1% となっています。タクシー業界では、規制緩和されてから新規参入が相次ぎ、競争が激化したと聞いています。その結果1台あたりの売上高が減り、タクシー各社の経営は苦しくなり、運転手さんの給料も減少したそうです。その対策として、値上げをしたわけですが、この値上げは資本主義の原則に反していると思います。1.新規参入が相次ぎ、供給が上回る ↓2.値下がりする ↓3.退出者が出て、需要と供給のバランスが回復するというのが、資本主義社会の基本原則です。ところが2の段階で実際にやったことは、値上げという正反対の対応でした。その結果、客離れを招き、運送収入は更に減少してしまい、タクシー業界の思惑は完全に裏目に出ました。燃料代が上がったために値上げするのなら理解できますが、供給過剰になった結果単位当たり売上の減少を補うための値上げでは、資本主義社会の原則からすれば、当然の結果だと思いますけど。価格が統制されていて(これは合致)、必需品で(移動することは必要だけど...)、代替手段が無い(東京では代替手段は豊富)場合に限って、値上げが成功するのだと思います。食品を始め、これから値上げラッシュが続きそうですが、徐々に浸透していくんでしょうね。
2008.04.24
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マーティ: うん、僕の考えですが、たぶん本当のミュージシャンは、「何人聴いてくれるか」ということは考えてないと思いますね。そういうことを考えるのは、僕に言わせればアマチュア。―― ということは、ああ、「売れるなら、やるよ」というのはマーティさんには「アマチュア」、自分のやりたいことが売れるまで手練手管でその世界に生き残り続けられる人が、プロなんだ。マーティ: アマチュアは、流行ってる音楽を分析してコピーするとか、どうやってたくさんの人に聴いてもらえるか、すごく企画しているかもしれないけど。でも本当のミュージシャンは、たぶん完全に、自分の心から出てきた音楽を作っているから。「ついてきてくれるファンがいればいい。いなくてもしょうがない」っていう。自分に正直でないと、音楽はつくれないから。マーティー・フリードマンの言葉に、共感を覚えます。私は、自分の心に正直であることを、行動指針にしています。
2008.04.21
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Retriever さんが、日本人は相場下手? という記事を書かれています。私も以前から思っていたことがあるので、それを書こうと思います。キャピタルゲインはゼロサムゲームですので、株式市場から継続的に資金を引き出せる人が、勝者だと考えています。日本の個人投資家は、過去10年以上一貫して売り越しています。しかも持ち株比率は、1990年以降下がっていません。持ち株比率を下げずに、株を売り越すことにより資金を引き出しているわけですから、個人投資家は勝者だということになります。(統計上、IPOで投資した分が抜けていますが)逆に外国人投資家は、安いところで売り越して、高くなると買い越す傾向があります。へたくその典型ということになります。(実は外国人投資家が買うから株価は上昇し、彼らが売るから下落している、というのが実情でしょうけどね。)見方によっては、日本の個人投資家が上手で、外国人投資家はへたくそと言うこともできます。こじ付けかな?
2008.04.08
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2000年末に、マンションを買い換えました。当時不動産価格は下落を続けており、それまで住んでいたマンションも、安値で売却せざるを得ないことを覚悟していました。結局購入してからわずか5年間で、1800万円も値下がりすることになるのですが、私は不動産価格が下落していくことを、歓迎していました。その理由は、単に売却するだけではなく、新たに購入するからです。より良い物件に住み替えることが目的でしたので、購入する物件の方が、高価になります。一律に不動産価格が下落するのであれば、購入金額と売却金額の差額は、小さくなります。例えば3千万円の物件を売却し、5千万円の物件を購入する場合には、2千万円の追加出費が必要になります。しかし不動産価格が1割下落すると、2700万円で売却し、4500万円で購入するわけですから、1800万円の出費で済むことになります。このように考えて、不動産価格の下落を歓迎していたことを、思い出します。現在の株式市場は、有望な銘柄もそうでない銘柄も、共に大きく売り込まれています。私がマンションを買い換えた時と、似た状況に思えてきます。相場環境が良くなった時に、より大きく株価が上昇しそうな銘柄があれば、銘柄入れ替えをする絶好のチャンスだと思います。持ち株を見直し、有望度が低い銘柄をいくつか、それがたとえ現在割安だとしても、より有望な銘柄と入れ替えたいと思います。(四季報CD-ROM のスクリーニング機能を使ってみたいから、こんなことを書いているわけではありませんよ。)
2008.03.24
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ある人は、市場価格には歪みがあるため、大幅に割安な価格で株を購入すれば、利益を得られると信じています。すなわち、株価は間違っている場合もあるという考えです。バリュー投資家に多い考え方です。またある人は、市場価格は常に正しいと言う人もいます。値動き重視派に多い考え方です。効率的市場仮説信奉者もいますが、今はこの仮説は忘れましょう。この2つの考え方は、どちらも正しい考え方だと思います。ただし視点が異なっているので、永遠に話はかみ合わないでしょう。まず、市場価格は間違っている場合があるという考え方をみてみます。ここで正しいとか間違っているというのは、本来あるべき価格と、現在の価格が近いか大幅に異なっているかという意味です。本来あるべき価格(あるいはその人が想定する価格)とは、何らかの方法でその企業の価値を算出しているわけです。すなわち価値と時価を比較して、それが大幅にずれていると、いずれ一致するように株価は修正される可能性が高い、という考え方です。一方、市場価格は常に正しいという考え方は、何か別のものと株価を比較しているわけではないと思います。投資/投機の目的は、利益を得ることです。利益を得るために、将来の株価動向を想定し、その方向に”はる”わけです。想定どおりに株価が動けば勝ちとなり、逆に動けば負けるわけですから、将来の株価が正解になります。利益を上げるという目的のゲームにおいて、株価は絶対的存在です。サイコロで勝負が決まるゲームをやっていて、出た目が間違っているなんて言う人はいないですよね。(イカサマは除く)バリュー投資家が、「この市場価格は間違っている」と言う場合は、価値の話をしています。それに対して、「いや、市場価格は常に正しい」と言っている人は、「市場価格が常に正しい価値を示していて、バリュー投資家の算定した価値は間違っている」と言っているわけではないと思います。価値は短期間に大きく変動しないですよね。バリュー投資家は、いずれ多くの人が価値に気づいて買い方が増え、株価に反映されることを期待します。キャピタルゲインを上げることを目的と考えると、企業価値を算出することは手段になります。目的の話と手段の話を混在させても、議論がかみ合わないのは当然ですね。
2008.03.05
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私は20歳台の頃、魅力的な年上の女性に憧れていました。その理由は、若い時にはきれいだったのに、年をとると見る影も無くなってしまう人が、たくさんいるからです。若い時にきれいなのは、当たり前です。しかし年齢を重ねてからも魅力を保つためには、努力が必要であり、内面からの魅力がにじみ出てきます。したがって、年齢を重ねた後にも魅力的な女性は、その後も魅力を持ち続ける可能性が高いと考えていました。なぜこんな昔のことを突然思い出したかというと、一時は急成長して魅力的に見えた企業が、その後見る影もなくなってしまう例を、ここ2~3年数多く見てきたからです。上場するような企業であれば、どんな企業にも旬な時期はあり、輝いて見えます。しかしそれを長年に渡って持続できる企業は、非常にまれです。長年優良であり続ける企業には、優良を維持するしくみや伝統が備わっているのだと思います。なんだかんだ言っても、投資先としても有望なんでしょうね。
2008.02.26
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昨日は、リチャード・クー氏の講演を聞きました。私にとっては意外ながら、納得できる見解がありましたので、メモしておきます。1980年代後半の日本のバブルにおいて、多くの個人や企業は、借金をして株や不動産に投資していました。資産価格が上昇しているうちは、特に問題はありません。皆が金持ちになったと錯覚し、幸せな気分にひたれます。バブルとはそういうものですね。財テクという言葉がはやり、ある企業では経理部門が最大の収益部門だった、なんてことも聞いた記憶があります。しかし一度資産価格が下落に向かうと、悲惨なことになります。所有している資産の価値は下がりますが、それを購入するために負った借金はそのまま変わりません。その結果、膨大な借金だけが残ってしまいます。バランスシートが毀損してしまうわけです。借金をかかえた人や企業は、一生懸命借金の返済をします。本来であれば消費に使えたお金も、借金の返済に消えていきますので、その分消費が減り、GDPには下押し圧力がかかります。銀行は返済されたお金を、新たな貸し出しに回せれば、マクロレベルでは問題ありませんが、企業も融資を受けるどころか、借金の返済に努めていましたので、借り手はいません。(後にはBIS規制などにより、銀行の貸し渋りも始まります。)企業も個人も銀行に返済しますので、銀行に集まったお金の行き先がなくなってしまいます。お金の使い手がいないわけですから、その分GDPは減少してしまいます。これが、いわゆるバランスシート不況です。1929年の大恐慌において、アメリカの資産価格は、当時のGDPの1年分が失われたそうです。その影響で、3~4年後にはGDPは半分になりました。日本ではバブルのピークと比較して、株式と不動産の富は1500兆円も失われたと言われています。GDPの3年分です。その全部が返済を要する借金だったというわけではないと思いますが、莫大な負担であったことは間違いありません。ところが驚くべきことに、日本のGDPはバブル崩壊後も、増え続けました。個人は消費せず、企業も設備投資を抑えていたのに、なぜそんな芸当ができたのでしょうか?それは、政府が公共事業などの財政出動を継続したためです。失われた10年とか15年と言われていますが、社会的に大きな混乱もなく乗り切れたのは、奇跡的な大成功だったのかもしれません。2001年頃に、ITコンサルティングの勉強のため、オーストラリアから2名のエンジニアが、当時の私の職場に派遣されてきたことがあります。彼らと昼食をとっている時に、質問されました。「日本は不況って聞いたんですけど、本当ですか? 街はきれいで活気があるし、人々も親切で、すさんだところが全くありません。景気がいいようにしか、見えません。」確かに10年間も不況が続けば、欧米なら暴動など社会不安が高まっても、おかしくなかったのでしょう。日本の社会が穏やかでいられたのは、文化的な要因も大きいとは思いますが、膨大な財政支出を伴いながら、10年以上に渡り、少しずつバブルの後遺症を治していったからかもしれません。私はこれまで、バブル崩壊の悪影響から抜け出すのに10年以上かかったのは、官民ともに対応を誤ったからだと思っていましたが、実は絶妙の対応をしたという考え方もあるのだなと、思いました。せっせと返済を続けていた企業部門も、2005年の第4四半期からは、借り入れおよび資本調達が超過になりました。デフレ脱却云々の議論は続いていますが、ようやくバランスシート調整が終わった証拠だと思います。さて、サブプライムローン問題は、アメリカ版のバランスシート不況をもたらすのでしょうか?またアメリカの対処は、日本のように影響を最小限に抑えるために長期間かけるのではなく、短期間で調整する可能性が高いと思います。その場合、一時的にはかなりの混乱がおこるかもしれません。
2008.02.24
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人口が減少していく日本において、現在の生活水準を維持するためには、生産性を向上させていくことが不可欠です。 ※ 生産性と生活水準の関係については、こちらをご覧ください。日本の産業の生産性は、大きく2極化しています。製造業などの輸出産業の生産性が高く、サービス業など主に内需型産業の生産性が低いと言われています。競争が激しいか否かによって、生産性の高低が分かれているようです。モノは輸出入が容易にできるので、貿易の自由化がされている製造業は、古くから海外の企業と戦ってきました。その結果生産性が向上し、現在では世界に冠たる生産性を誇る、輸出産業として栄えています。一方内需型産業の多くは規制に守られ、競争が少ない環境が続きました。その結果生産性が向上しないまま、現在に至っています。競争が無いと生産性が上がらないことは、共産主義国家の崩壊を見れば、明らかですね。本来であれば、生産性の高い産業の所得は増え、低い産業の所得は上がらないはずです。内職で(古い表現)、あるものを10個作っている人より、がんばって20個作った人のほうが収入が多いのと、同じ理屈です。したがって、本来であれば産業による生産性の違いが、労働者の所得水準の違いに現れてくるはずです。しかし競争が制限され、消費者の選択肢がない環境では、商品価格は高めに維持され、所得水準は国内の他産業の水準に近くなります。すなわち本来の低い水準ではなく、生産性の高い産業の水準にかさ上げされていました。ところが近年のインターネットの発達とグローバル化の進展により、従来競争の乏しかった内需型産業においても、海外との競争に晒される様になってきました。その結果所得水準は、生産性に見合った本来の低い水準に、下がっていくことになります。こうして産業による所得水準の差が広がってきているのが、現状だと考えます。最近格差が広がっていると言われていますが、私は生産性の違いが、所得水準に現れるようになってきたのではないかと考えています。格差問題への対処としては、生産性が低い人や産業において、いかに向上させるかを考えるべきだと思います。決して規制を強化して競争を制限したり(影響を和らげるため、段階を踏むということはあります)、補助金を出すことではありません。そんなことをすると、どんどん腐っていきます。(セーフティネットは必要ですが、別次元の話です。)地域格差についても、生産性の問題ではないでしょうか?要するに、地方には生産性の高い産業が少ない、ということのように感じます。それならば、如何にして各地方に生産性の高い産業を育てるのかを、考えなければいけません。その具体的な方法を考えることは難題だとは思いますが、少なくとも各農家にお金をばら撒いたり、全国一律に道路を作っても、何の解決にもならないと思います。「国土の均衡ある発展」を謳う人がいますが、どういう意味でしょうね。日本全国に、同じような都市を作ることを目指しているようにも感じてしまいます。地方が東京と同じ土俵で勝負しても、勝ち目はありません。差別化戦略をとる必要があります。如何に差別化するか、各地方で独自の戦略を立てなければいけません。それを実現する上で支援が必要な場合に、規制を変えたり税制優遇や資金援助という形で、国が支援するのが望ましいと思います。あくまでも戦略を実現するための支援です。決してただやみくもにカネや仕事をばら撒くわけではありません。国主導で公共工事をやることが、地方の差別化に結びつくとは思えません。主導権は各地方がとらなければ、絶対に差別化はできません。とりとめがなくなってきましたが、格差問題を語る時には、生産性の向上という観点を忘れてはならないと思います。生産性の向上策を抜きにして、所得の高い人/地域から生産性の低い人/地域にお金を回すだけでは、根本的な解決にはなりません。今の日本には、保護ばかりで、育てるという視点が欠けているように感じます。自分の子供には、怪我などの危険からは守らなければいけませんが、それ以外は、親がうまくやってあげるのではなく、自分自身で何でもできる人間に育って欲しいと思います。
2008.02.22
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政治への不満シリーズの最終回は、官僚と規制強化について書きます。昨日とおとといは、主に政治姿勢についての不満でしたが、今日は個別内容についてです。最近施行された法律は、どれも形式ばかりで魂がないように感じます。本来の目的が、忘れ去られていませんか?例えば、金融商品取引法が施行されてから、金融商品を購入する時に、形式的で細かな説明が長時間続くと聞いています。金融機関は、お上ににらまれたくないので、自分の責任は果たしていると言い訳できるよう、形にこだわっているように感じます。また70歳以上の場合、家族も同伴しないと購入できないそうです。金融のプロである三原淳雄さんも例外ではなく、苦笑していました。投資家を保護するというお題目は良いでしょう。しかし購入時に通り一遍の決められた説明をすることが、その解なのでしょうか?一般の日本人は、投資に対する知識が乏しいことは、事実でしょう。だから保護が必要なのでしょうが、むしろ投資教育をきちんとしておくことこそが、重要だと考えます。また金融機関の広告には全て、必ずリスク情報などがつくようになりました。特定の金融商品の宣伝であれば、ある程度必要でしょうが、会社の宣伝だとかセミナーの集客などでは、そんなものは必要ないと思います。これもお上に文句をつけられないように、念のため載せているのでしょうか?貴重な広告スペースや広告時間を、無駄にしているように感じます。次に、建築基準法です。建築確認をとるのに必要な書類の量が、5~6倍になったそうです。そのおかげで、書類を作成する方も、審査する方も、膨大な労力と時間を要するようになりました。本当にそんなに必要なんですか?必要ないものまで、思いつくままに項目を網羅したのではないですか?また、窓枠を変えるなどの些細な変更でも、すべて再提出する必要があったそうですね。(昨秋に多少緩和されたようですが)耐震強度偽装問題への対策を目的として、建築基準法を改正したのですよね。しかし現実には、どうでもいいことまで、やたら面倒にしていませんか?本来は、安全な建物を効率よく建築できるようにすることが、目的のはずです。国土交通省は、形式を整えることを目的にしていませんか?また、導入の仕方も最悪だったようです。新たなシステムを導入するに際しては、ユーザーの意見を聞くなどして現状を把握してから、仕様を作成するのが当然です。しかし今回の法律改正にあたっては、業界関係者に一切意見を聞かなかったとのことです。だからこんな現実離れした法律ができてしまったのでしょうね。そして導入準備も不足していました。施行日までにガイドブックも完成しておらず、実務担当者の混乱に拍車をかけました。ソフトウェアに至っては、いまだに認証のとれたものは完成していないようです。通常何かを新たに導入するようなプロジェクトにおいては、万全の体制で準備を行います。万一予定日までに問題点が解決できなければ、カットオーバーを延期します。改正建築基準法は、施行前に問題点を指摘されていたのにも関わらず、強行されてしまいました。国土交通省は、面子を保つために、国民を犠牲にしたのでしょうか?3番目は、貸金業法です。私は、上限金利を制限する必要なんて、無いように感じます。貸すほうとしては、金利に見合ったリスクの人にしか貸せなくなりますので、上限金利を引き下げれば、従来は借りられた人が、借りられなくなります。彼らは闇金に走るか、出費を抑えることになります。闇金融に走られれば、暴力団の資金源になりますし、借りる人の危険は高まるでしょう。出費を抑えた場合には、消費が落ちますので、経済にはマイナスです。もちろん、金銭感覚の無い人に、余分な借金をさせないという目的があるのだとは思います。しかしそれならば、金利を規制するのではなく、金銭感覚の乏しい人に、金銭教育を施すことが必要なのではないでしょうか?しっかりした金融知識を持ったもの同士で、リスクに見合った金利で、お互いに納得して借りるのであれば、金利を制限する必要はないと思います。高金利で返済できずに破産されたら、消費者金融が損失を出すのですから、自ずと貸出先は制限されると思います。商品の価格(=この場合貸出金利)は、当事者間の合意によって決められるべきものです。法律で制限すべきものではありません。変な例えかもしれませんが、PBR1倍以下では株を売買してはいけないという法律を作るようなものだと感じます。その他、道路や年金など、無駄なことばかりやっています。投資家が官僚になったほうが、資金効率はいいでしょうね。ブッシュ大統領は一般教書演説で、公共事業を拡大すると政治家の既得権益に結びつくので、反対だと述べました。よくぞ言ってくれました。少し見直しました。(石油利権や軍需利権は???)まだまだありますが、きりが無いので、そろそろ文句言うのは止めます。3日間私の愚痴にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
2008.02.01
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今日は政府に対する不満をぶちまけます。世界の政策担当者が、懸命にサブプライム危機に対応しようとしている時に、あなた方は何をしているのですか? スピード感が、全くありません。いつまでたっても、「注視する」の繰り返しです。何を注視して、それがどういう状態になれば、どのような対応をする計画なのですか?いつまでたっても、何も実行しませんね。結局「注視する」とは、「何もしない」と言っているのと同じように聞こえます。株価が暴落していても、「一喜一憂しない」ですって?一喜一憂しないというのは、やるべきことをきちんとやっている人が、言う言葉です。物事が予定通りに進まない時にも、ぶれることなく、事前にたてた計画を着実に実行していく時に、「一喜一憂しない」という言葉を使うのです。何も対策を実行しないで(現状分析すらできていないかも)、何寝言を言っているのですか。ねじれ国会で、政権基盤が弱いことは理解しています。しかしせめて、何とかしようという意欲を示してください。どけんかせんと、いかんです。2001年から2003年頃は、金融機関の破綻懸念もあり、経済環境は今よりずっと悪かったと思います。株価も底なし沼の様相でした。しかし当時は、何とかしようとしている姿勢を、感じ取ることができました。今はそれが全く感じられません。無責任です。日本の政治には、期待感が全く感じられません。この感覚が、外国人投資家にばれないことを、祈るばかりです。(もうばれてるか)今の状況では、投票したい政党がありません。誰か新党作ってくれないかなあ。昨年の参議院選挙で民主党が大勝したのは、自民党への批判票が入っただけで、民主党を支持したわけではないと思います。今、志のある若手が新党を作れば、風が吹きますよ。
2008.01.31
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あまり批判めいたことは書きたくないのですが、アメリカの対応と比較して、日本の政治家があまりにもひどいので、文句を書かせていただきます。まずは民主党へ。また審議拒否ですって?あなた方国会議員の仕事は、何だと思っているのですか?国会で審議し、法律を定めることが仕事ではないのですか?少し思い通りにいかないことがあると、仕事を放り出すのですか?ダダをこねている場合ではないです。法案の内容について、正々堂々と、国会で議論してください。そもそも自民党が今月中につなぎ法案を出さざるを得ないのも、民主党が参議院で採決をせず、60日間を無駄に過ごすことに対して、国民生活への悪影響を抑えるためです。自民党の法案に問題があるのであれば、国会で指摘するなり、否決すればいいじゃないですか。なぜすぐに参議院で採決しないのですか? 60日間遊んで、どうするのですか? 時間とお金の無駄です。昨年の参議院選挙で勝った時も、「次は衆議院の解散総選挙だ」と言いましたね。がっかりしました。その後も、「政権をとる」ことばかり、話しています。日本の国益にかなうよう、民主党の政策を実現させようともせず、ただ政権をとることだけを考えているようです。小沢さんも、「政策も大切かもしれないが、選挙が一番大切だ」と、公言しているそうですね。さらに、政権がとれない間は、与党の妨害をすることが、目的なんですか?政策の善し悪し以前に、マインドが最低です。そんな政党に、政権は任せられません。悪い意味での野党根性が、染み付いているみたいですね。そういえば昔、牛歩戦術なんてことを実施した野党がいましたね。民主党の前身ですか。今あなた方がやっていることは、それと同じです。注:牛歩戦術とは、国会で採決する時に、一歩歩くのに何分もかけて、全議員の投票が終わるのに10時間以上かけました。そんなことやって、何になるんでしょう。単なる嫌がらせです。くだらない。自民党の政策実現の邪魔ばかりするのには、もううんざりです。国益にかなう政策を実現してください。ちゃんと仕事しろ! 税金泥棒!
2008.01.30
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現在の状況は、過去60年間で最も悪いという人が増えてきました。ほんの1年くらい前まで、世界経済は過去30年間で最も良い状態だとか、ゴールディロックス経済と言われていたことが、うそのようですね。うまくいっていた時の世界の経済構造はどうなっていたのか、整理してみようと思います。・インフレの緩和先進国企業が、中国などの新興国に工場を移転し、生産を開始しました。新興国では生産コストが安いので、安価な製品が大量に出回ります。その結果、世界中でインフレの進行は緩和されました。・好業績/好景気先進国企業は安価で販売しても、低コストの労働力を有効活用することにより、好業績を残すことができました。企業が進出した新興国は好況に沸き、インフラ整備などの投資も進みました。こうして世界経済は順調に拡大していきました。・ドルの安定企業が生産したモノは、アメリカに輸出されます。その結果、アメリカの対新興国向けの貿易赤字が増大しました。新興国の多くは、通貨をドルとリンクしています。そのため当局は為替介入をせざるを得ず、ドル相場も比較的安定していました。また、投資マネーがアメリカに還流したことも、ドル安防止に貢献しました。・低金利新興国の外貨準備高が膨らんでいきますが、これらの多くはアメリカ国債に投資されたため、アメリカの長期金利は低い状態が続きました。これもアメリカの好景気を持続させるのに、役立ちました。マネーがうまく還流するしくみになっていたのですね。・資源インフレ新興国でモノが大量生産されるようになると、原材料の奪い合いが始まります。その結果資源インフレになり、資源を持つ中東やロシアなどの国力が高まりました。オイルマネーは大量の余剰資金を持つようになり、投資に回すマネーが急増しました。・資産インフレ資源国の余剰マネー、貿易黒字による新興国マネー、低金利と金融技術によるマネーの膨張、などにより、投資マネーが増大していきました。これら投資マネーは株式、不動産、商品などに向かい、一部ではバブルの様相を呈してきました。こうして世界経済は、インフレ無き好況を謳歌しているうちに、バブルの芽が芽生えていきました。現状では何が変わったのでしょうね?まず、サブプライムローン問題(不動産バブル崩壊)により、金融機関の不良債権問題に発展しています。これがアメリカ景気に悪影響を与えています。それが世界景気に不透明感をもたらしています。また、マネーの還流がうまくいかなくなってきました。そうすると、アメリカの貿易赤字をどうやって支えるのか、不安になります。そのため、ドル不安がささやかれています。基軸通貨が不安定な事は、世界経済の安定的発展に悪影響を与えると思います。金利については、金融当局が金融緩和を行っていますので、低金利が維持されています。インフレについては、景気減速懸念もあり、(特に日本の消費者物価は)今のところ抑制されています。今までと大きな変化はありません。しかし資源価格の高騰に起因するインフレ傾向が、広まりつつあります。特に新興国でその影響は顕著です。資源インフレについては、株や証券から逃げた投機資金が、商品に向かったため、一時的には高騰しました。しかし景気悪化懸念もあり、先行きには不透明感が漂います。実物経済にとっては、資源インフレが抑制されることは、良い事だと思います。企業業績にとっては、プラスでしょう。しかし同時に、資源国の余剰マネーが減少すると、投資マネーの縮小を促しますので、資産価格にはマイナスの影響を与える可能性もあります。結局はアメリカの不動産価格が下げ止まることと、金融機関の不良債権を処理することが必要だという、月並みの結論になりますね。日本と違って、欧米金融機関の不良債権処理は素早そうですが、一度下落に転じた不動産価格が下げ止まるのには、かなり時間がかかると思います。基軸通貨が不安定なのは、困りますね。いずれ国際協調が必要になるでしょう。
2008.01.28
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株式市場はひどい状態ですね。まさに戦線崩壊といった様相です。相場展開も全く読めないし、手の施しようが無いので、一般論としての防衛戦略について考えてみました。敵から攻撃を受けそうな場合の対応としては、次の4つがあると思います。敵方に働きかけるものが2つ、自陣での対応が2つです。戦略1:相手の攻撃する意思を排除する外交交渉により、相手からの攻撃を未然に防ぐことを試みます。早い話が和睦ですね。通常は最も望ましい形です。社会生活においても、敵対する相手との人間関係が良くなると、とたんに問題が解決することもありますよね。戦略2:相手の攻撃する能力を排除する先制攻撃をしかけ、敵の攻撃力を破壊します。先手必勝です。(うまくいけばね)戦略3:相手の攻撃を回避する敵のミサイルや砲弾が飛んできても、それに当たらなければ被害はでません。戦略4:防御を堅くし、敵の攻撃を受け止める敵の攻撃を受けても、被害が最小限に収まるように、防御を堅くします。たとえば、砲弾があたっても貫通しないように、装甲を厚くします。また堀や柵で囲ったりして、陣地を固めるのも、この戦略だと思います。これを株式投資にあてはめると、どうなりますかね?戦略1と2は、個人投資家レベルでは難しそうです。そもそも敵とは誰でしょうね。 だめな経営者や無能な政治家? あるいは、自分と反対のポジションをとっている投機家かな?具体策をとれそうもないので、考えるのを止めます。戦略3は、ポジションを閉じて相場から退避することですね。高いレバレッジをかけて信用取引を行っている人にとっては、今もっともとるべき戦略かもしれません。戦略4は、長期投資に徹し、持ち株に対しては何もしないことです。直近の相場環境は大荒れであり、どう動くか予測できません。まだまだ下がりそうにも感じます。しかし、持ち株が割安だと思えれば、ここで売却する気にもなりません。本当に割安ならば、いずれ戻すでしょう。売買の上手な人であれば、一旦売却してから安値で買い戻すことが効率的ですが、そううまくはいきません。余裕資金で行っている長期投資であれば、放置することも立派な戦略だと思います。いっそのこと思いっきり下げて、日和見政権や、政争しか頭に無い野党などの政治家の目を覚まさせるのも良いかなと感じています。(半分やけ)
2008.01.16
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土曜日に、伊藤元重さんの「グローバル経済を読み解く」という講演を聞きに行きました。 場所は東京大学の安田講堂です。安田講堂というと、小学生の時にテレビで観た、全学連が立て篭もって、機動隊に火炎瓶を投げつけていた光景を、思い出します。彼らが何を訴えて戦っていたのか知りませんが、白い手拭を顔に巻いた人が大勢いて、不気味に感じたことを覚えています。また、連合赤軍が立て篭もった浅間山荘事件では、大きな鉄球を建物にぶつけたシーンが、脳裏に焼きついています。現代の子供達が大人になった時には、9.11テロで高層ビルに飛行機が突っ込んだシーンとか、イラク戦争の爆撃シーンを思い浮かべるのでしょうね。話がそれました。講演内容で印象に残ったことを、いくつかまとめます。(注.伊藤元重さんの講演内容だけでなく、私の認識も混在しています。)・現在のグローバル化は、発展途上国のグローバル化昨今グローバル化が進んでいると言われていますが、先進諸国はずっと昔からグローバル化されていました。最近のグローバル化は、発展途上国のグローバル化に、その本質があります。第2次世界大戦後、日米欧諸国は自由貿易化を進め、それと共に経済は急成長しました。発展途上国はどうかというと、自由化を進めると欧米諸国の企業に席捲されてしまうことを危惧し、保護政策をとりました。その結果、経済は停滞しました。その後、自由化したほうが成長できると気づいた国々が現れ始めました。後にアジアの4つの竜と呼ばれることになる、韓国、台湾、シンガポール、香港です。彼らの成功を見て、ASEAN諸国も自由化を進め、経済は離陸しました。その後中国やインドが続き、今日の急成長に至っています。現在のグローバル化は、グローバル企業によるこれら諸国の低コストを利用した生産基地化と、その恩恵に与りこれら地域が経済成長したことによる消費者層の拡大をもたらしました。・グローバル化は、地域経済化を進めるグローバル化により、各国間の貿易量は増大します。グローバルというと地球規模をイメージしますが、現在のグローバル化では、近い国同士の貿易量が急増しています。たとえばヨーロッパの国々の貿易相手は、ヨーロッパ圏内が大多数です。アメリカの貿易相手の多くは、カナダとメキシコです。そして日本の現在の貿易相手は、中国がアメリカを抜いて一番になっています。このように現在のグローバル化は、地理的に近い国々の交流を深め、地域経済化をもたらしていることに特徴があります。今後人口が減少していき、停滞感の漂っている日本ですが、現在急成長しているアジアに位置していることは、大きなチャンスになりますね。・アメリカの消費市場の影響度中国のGDP成長率は何年も10%を超えており、目を見張るものがあります。アメリカ経済がサブプライムローン問題の影響で低迷しても、BRICs などの成長により世界経済への影響は軽微であるという、いわゆるデカップリング論がささやかれています。しかしアメリカの経済規模は、中国の6倍あります。アメリカはここ数年4%成長をしてきましたが、これを中国の成長規模に換算すると、 4X6=24% になります。つまり中国の10%成長よりも大きいわけです。そのアメリカの成長率が落ちると、世界経済全体への影響が大きいことは、明らかです。もちろん国により、影響度は異なるとは思います。アメリカとの結びつきが強い国ほど、影響は大きいでしょう。日本は、以前ほどではないにしろ、結びつきは強いでしょうね。・人的グローバル化グローバル化には貿易面のみならず、投資や人的交流など様々な面があります。日本の自由化はかなり進んでいますが、人的交流に関しては閉鎖的だと言われています。今後人口が減少していく日本ですから、移民や労働人口の受け入れの議論は、避けて通れないと思います。フィリピンとのFTA交渉において、日本が示した介護士受け入れ条件は、受け入れないと言っているも同然でした。日本人の多くは、ガイジンが近くにいると、落ち着かないのでしょうか?しかし一方で、新たに結婚する人の10組に1組は、国際結婚だそうです。驚くべき多さだと感じました。日本の人的グローバル化は、国際結婚を通して進むのかもしれませんね。
2008.01.14
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自民公明両党は、13日の与党税制協議会で、証券税制についての改正内容を決定しました。2010年末まで、株式譲渡益については500万円以下は10%、それ以上は20%とし、配当は100万円以下は10%、それ以上は20% とするようです。2011年以降は、20%になる見込みです。金額により条件を変えたり、期限も2年間だけだとか、相変わらず複雑です。そういえば、2001年11月30日~2002年末までに購入した株式を、2005年~2007年末までに売却すれば、購入額1000万円までは無税にするなんていうルールもありましたね。どうして税制はいつも複雑にするのでしょうか?確定申告のたびに感じますが、説明文もわざとわかりにくくしているのではないかと疑ってしまいます。「貯蓄から投資へ」などと口では言っていますが、これから投資を始めようという人にとっては、ややこしいと感じただけで、やる気が失せてしまうと思います。ルールはシンプルで公平なのが一番です。金額制限や期間限定などをせず、譲渡益課税は一律20%、配当については二重課税の問題もあるので無税でいいじゃないですか。政治家がごちゃごちゃいじくり回しているのを見ていると、腹が立ってきます。話はそれますが、シミュレーション・ウォーゲームのことを思い出してしまいました。シミュレーション・ウォーゲームというのは、過去の戦争状況を忠実に再現したゲームです。この種のゲームは、リアルさを追い求めるあまり(史実に近い展開にする)、ルールが複雑になりがちです。基本ルールはあるものの、この場合はこう、この地点でこういう条件の時にはこうする、などという例外規定がたくさんあり、ルールが膨大な量になるものがあります。とても覚え切れません。その結果、プレイ中常にルールはどうなっていたか、ルールブックと格闘するはめになり、ゲームを楽しむどころではなくなります。それでもプレイできれば、まだ幸運です。そんなゲームをやる人は珍しいので、そもそも対戦相手が見つかりません。しかたがないので、初めてやる人にルールを教え込もうとしても、すぐに諦めざるを得なくなります。その時に思いました。ゲームはシンプルが一番であると。ルール自体はシンプルながら、とりうる戦法はたくさんあり、ゲーム展開がバラエティに富んでいるものが、すぐれたゲームであると思います。株式投資ゲームは、売りと買いしかない、非常にシンプルなゲームです。それでありながら、非常に奥が深いことは、同意していただけると思います。そこに証券税制で、不自然で作為的なルールが入ってきて、しかも短期間でちょこちょこルール変更するとは、ゲームを冒涜しています。株式投資はゲームではないと言われるかもしれませんが、税制を考える人には、少なくとも国策として証券取引に対する基本的な考え方を整理していただきたいと思います。そしてその場しのぎの例外規定をごちゃごちゃつけることは、もう止めてください。
2007.12.13
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前回は、戦略の5階層について紹介しました。今回は投資戦略を、この5階層にあてはめてみます。おさらいですが、広義の戦略には以下の5つの階層があります。 ・大戦略 ・軍事戦略 ・作戦戦略 ・戦術 ・技術上位階層から考えてみましょう。1.大戦略まず最初に、人生観とか人生の目標を考えます。そしてライフプランをたてます。ライフプランを実現するのに必要な項目のひとつとして、マネープランを検討します。いつまでにいくら必要か、などをまとめます。なんかFPの話しそうな内容ですね(苦笑)私の場合は、最近大戦略がわからなくなってきました。サラリーマンを辞めた時にはあったはずなのですが。マネープラン関連では、一応年間5%でまわすことを、最低限の目標としていますが、軍事戦略以下の階層との整合性がとれていません。2.軍事戦略大戦略に基づく目標金額を達成するために、いくらの資金を投入して、どの程度リスクをとるかを検討します。ここでは、アセットアロケーションが重要な要素になってきます。地域分散(日/米/新興国 etc)や、投資対象の種類(預金/株/不動産/債権/商品 etc)ごとの比率を検討します。リバランスをどのように行うかという点も、含まれると思います。レバレッジを効かすかどうかの選択も、含まれるかもしれません。これは作戦戦略とみなすことも出来ますが、トータルのリスク/リターンをいかにコントロールするのかが、軍事戦略の重要な要素であると考えると、レバレッジも入ってくると思います。私は2年分の生活費以外はほとんど日本株で運用しており、アセットアロケーションはなっていませんね。永久にプレイし続けることを最低限の目標にしていますので、致命傷を負わないことを基本方針としています。レバレッジは効かせていません。なお、短期トレード中心の人の場合の軍事戦略は、これとは異なってくると思いますが、よくわかりません。3.作戦戦略投資手法になります。バリュー投資(この場合、一般に長期投資になります)なのか、テクニカル指標重視なのか、裁定取引なのか、などが考えられます。私の場合は、収益バリューに基づく適正価格をベースに、割安株への長期投資を中心としています。(好みは成長株です)ファンダメンタルで投資対象を選択し、テクニカルで投資タイミングを計るという感じです。収益機会があると思えば(楽しめると思えばと言った方が正しいかも)、短期投資も行います。ただしデイトレードは行いません。板を見ながらの売買は、いやになるほど下手糞です。デイトレード戦術が劣っていることを自覚しています。4.戦術投資手法を支える、個別のスキルになります。たとえば、・定性分析のやりかた・会計の知識・適正価格の算出方法・エントリーのしかた・撤退ルールなどが挙げられます。5.技術投資環境になります。現在では、インターネット環境が必須だと思います。売買注文においても、また情報収集の質/量/適時性のどれをとっても、インターネット環境がないと、不利になります。PC環境は、ストレスの無い性能があればいいと思います。複数台あると、故障時にも安心できます。デイトレーダーの場合には、多数のPCが必要かもしれませんね。高速なインターネット環境も重要です。できれば2重化したいところですが、PCは光回線で、光回線障害時には携帯電話で注文出せる環境を準備できれば、良いと思います。なお、私は携帯電話を持っていません。自由が好きなのですが、携帯電話は首輪のように感じてしまい、嫌いなのです。でもこれを機に、買おうかな。役に立つ情報源を持っていることも、価値があります。なおここでいう情報とは、企業などが発する一次情報や、マクロ統計情報などです。けっして、評論家の銘柄推奨に頼ってはいけません。マクロ環境や国際情勢などに関する意見は、参考になる人を探しておくと良いでしょう。以上、投資戦略を5階層に分けて、考えてみました。多少こじ付け気味のところもありますが、ご容赦ください。自分なりのやりかたを確立していたつもりですが、全く不完全であることを、痛感しました。特に階層間の整合性が取れていません。また、着実な利益を目指すという大戦略レベルの目標に加えて、株式投資ゲームを楽しむというもうひとつの目的(マインドシェアとしては、こちらの方が大きいかも)があることが、混乱に拍車をかけているようです。時間をかけて、整合性の取れた戦略を作り上げていこうと思います。
2007.11.10
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戦略とは、戦いに勝つための方策です。戦略論にはいろいろありますが、野中郁次郎さんの考え方によると、戦略には5つのレベルがあるそうです。正確ではないかもしれませんが、私なりの理解を整理したいと思います。広義の戦略には、以下の5つの階層があります。 ・大戦略 ・軍事戦略 ・作戦戦略 ・戦術 ・技術下の階層から順に説明していきます。1.技術レベルどのような兵器を用いるかです。兵器の開発競争と言うこともできるでしょう。兵器の性能を決める要素としては、攻撃力/防御力/機動力などがあります。攻撃力や防御力を高めようとすると、兵器が大きく重くなり、その結果機動力が損なわれることがよくあります。そこで、あえて攻撃力や防御力を犠牲にして、機動力を重視した兵器を開発する場合もあります。これらの要素間のバランスにより兵器の特徴が決まり、その活用の仕方など、上位の階層での戦略に影響を及ぼします。開発者はより性能の高い兵器を開発しようとしますが、多少性能を犠牲にしても、コストを安くし大量に製造できるほうが、役に立つ場合もあります。また、開発期間を短縮して、早期に実戦配備したい場合もあるでしょう。このように、置かれた状況により、どのような兵器を開発すべきかは変わってきます。戦略に大きな影響を与える兵器としては、現在ですと核兵器や長距離ミサイルがあります。戦国時代の場合には、鉄砲が該当すると思います。2.戦術レベル戦場において、いかに戦闘力を発揮するかを考えます。兵器の活用方法や、兵士の練度、味方同士の連携方法などが該当します。戦場においては不測の事態が起こりますので、現場指揮官の臨機応変な対応が求められます。また、兵士の士気を高めることも、重要な要素になってきます。戦国時代の例ですと、武田の騎馬軍団による機動力を活かした戦法などが挙げられます。しかしその武田騎馬軍団も、長篠の戦において大敗しました。織田信長が鉄砲隊を3列に配し、間断なく射撃した戦術などが有名です。3.作戦戦略レベルひとつの、あるいは一連の合戦において、いかに勝利するかを考えます。戦術レベルと比較すると、計画性が重視されます。現地司令部の指揮・運用能力の勝負になります。部隊の地理的条件の良い地点への配置や、攻勢地点の選択やタイミングなどが検討項目になります。相手が圧倒的に優勢な場合には、正面からまともに戦闘せず、補給路などに対するゲリラ戦を展開したり、防御に徹するという作戦も考えられます。戦国時代の例では、第4次川中島の戦いにおいて山本勘助が発案したとされる、キツツキの戦法などが有名です。4.軍事戦略レベル敵に対して、いかに軍事的に勝利するかを考えます。戦争において、複数の独立した戦域あるいは正面が存在する場合があります。各戦域あるいは方面軍に対して、どの程度の戦力を割り振るか、そしてどの方面から先に攻勢に出るか、などを計画します。補給など継戦能力の維持も、重要な要素になります。可能な限り、2正面作戦は避けたいですね。5.大戦略レベルまず、戦争目的(=実現したいこと)を明確にすることが重要です。そして、軍事力のみならず、外交・同盟関係,経済力など、あらゆる国家資源を駆使し、その目的を達成するための基本方針を策定します。多分に政治的な判断を伴います。そもそも戦争とは、政治目的を達成するための一手段に過ぎません。<各階層の戦略に影響を与える要素>・水平方向5つの階層について簡単に説明してきましたが、各階層は敵との相対的な関係によって、影響を受けます。そもそも戦争とは、相手との競争になりますので、敵との相対的な関係が重要になるのは当然ですね。例えば、空からの攻撃を受ける可能性があれば、防空能力を高める必要があります。あるいは、敵戦力が圧倒的に勝っているのであれば、作戦戦略としてはゲリラ戦を採らざるをえなくなります。アメリカの言う「テロとの戦い」も、イスラム武装勢力にとっては、テロという名のゲリラ戦しか、対抗手段を選べないのかもしれません。(もちろん大戦略レベルでは、別の手段も考えられますので、決してテロを肯定しているわけではありません。)・垂直方向また階層間でも、お互いに影響し合っています。例えばベトナム戦争において、兵器の技術レベルでは圧倒的にアメリカ軍が勝っていました。北ベトナム軍/ベトコンは、火力では勝てないので、ジャングルでのゲリラ戦を展開しました。(作戦戦略レベル)ジャングルでのゲリラ戦では、戦車などの重火器は使えず、実質的に小火器だけの戦闘になります。そのため、技術レベルでの差を埋めることができます。また、ジャングルでのゲリラ戦では大部隊の行軍は困難であり、小部隊での白兵戦が多くなります。したがって戦術レベルでは、部隊編成は小部隊になり、また各兵士の練度の高さが効果を発揮します。ベトコンは、ジャングルでの戦いの経験が豊富でした。この結果、戦術レベルでは北ベトナム軍/ベトコンの方が、優っていました。こうして持久戦を展開していくうちに、アメリカの国内世論で反戦運動が広がり、アメリカ軍は撤退に追い込まれました。これは大戦略レベルでのアメリカの敗北と言えます。北ベトナム側は軍事力では勝てないので、このような展開を狙っていたと考えられます。それを実現するための軍事戦略として、持久戦に持ち込み、少しでも多数のアメリカ兵に犠牲を与えることに注力したのだと推察します。このように、各階層の戦略に整合性を持たすことによって、戦略の効果は最大限に発揮されます。次回はこれらの考え方を、投資戦略に当てはめてみようと思います。
2007.11.02
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