2006年05月27日
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そして、「篝火(かげりび)」の煙にむせました。

昔、かまどでご飯を炊いていたころ、「火吹き竹」と

呼ばれる竹筒で空気を送ると「かまど」の灰と一緒に

煙が顔にかかりむせんだことをふと思い出しました。

「篝火(かがりび)」から立ち上る「煙」をしばし

ながめていました。「源氏物語」の中にも、このような

光景を描いた箇所があります。よく知られている

「源氏物語」のなかの「篝火(かがりび)」の巻の箇所です。

 頭(とうの)中将と夕顔の姫君である玉鬘(たまかずら)は、

源氏の君に庇護(ひご)され、源氏の君の邸である

六条院に住むことになります。花散里(はなちるさと)の

居る御殿の西の対(たい)に住みます。ある秋の日、

庭先で篝火(かがりび)が焚(た)かれ煙が

空に立ち上っています。篝火(かがりび)のもと、

源氏の君は玉鬘(たまかずら)への恋する思いを

歌に託して打ち明けます。「源氏物語」

「篝火(かがりび)」の巻で、次のように記しています。

下の原文の写真6行目から7行12字目まで。

「かが里)火に たちそふ恋の けふり(煙)こそ 

世にはた(絶)へせぬ ほのほ(炎)なりけれ」

They burn, these flares and my heart,and send off smoke.

The smoke from my heart refuses to be dispersed.
          (英訳・サイデンスティッカー)


源氏の君の恋心篝火2b

現代語訳は次の通りです。

(源氏の君)「篝火(かがりび)のように一心に

立ち上るあなたへの恋の思いは、

いつまでも絶えることのない炎と同じですよ」


源氏の君の恋心篝火2b拡大


源氏の君の恋の告白に対し、玉鬘(たまかずら)は

自分の気持ちを歌で返します。

原文の写真10行目から末尾行まで。

「行(ゆく)方(へ)なき 

空にけ(消)ちてよ かが里(篝)火の 

たよ里(り)にたぐふ けふり(煙)とならば」

If from your heart and the flares the smoke is the same,

Then one might expect it to find a place in the heavens.
(英訳・サイデンスティッカー)

現代語訳は次の通りです。

(玉鬘)「あなたの恋の炎は、行方も知らない

空へと立ち上る篝火(かがりび)の

煙のようにやがては消えてしまうものなのでしょう」

 玉鬘(たまかずら)は、源氏の君の恋の告白

を体(てい)よくあしらったのです。

 これを聞いた源氏の君は、「くはや」という

言葉を残してその場を去ります。

「これは、これは」という意味です。

 源氏の君が、苦笑いしながら退散する様子を

想像することができます。








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最終更新日  2006年05月27日 09時13分43秒
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