日々のあぶく?

日々のあぶく?

January 1, 2007
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ちょっと前に読了していたのだが、その後、怒涛の年末を向かえ、すでにあやふやな記憶になってしまったかも…


野球部も引退、大学受験を間近に控える烏兎。
親友の獅子丸、祐今とともに潜り込んだ廃墟には浮浪者の死体が。
だが、その死体が妻を殺害し、失踪したとされる祐今の父だったことが判明したことから
祐今の母親殺害の犯人についても疑惑が浮上。
果たして父親が犯人だったのか?
一方、前生徒会の影の調査員でもあった獅子丸と烏兎は前生徒会長からの依頼で、
生徒会の情報漏洩について調べることに。


祖父や叔父らと暮らす明るい祐今、
自覚はないが、鋭い直感に定評がある烏兎が辿り着く真相とは―

獅子丸が兄のように慕う数学教師・矢的や獅子丸の行動力のある姉・涼風も捜査に協力する。

「普通」のミステリっぽい構成(笑)
どんでん返しも、ほろ苦そうなラストも想定の範囲内。
こういう形も書けるんだなぁと改めて麻耶氏の引き出しの多さを感じてみたり。

烏兎も「普通」に好感が持てるキャラクターで、彼が烏有の弟とは・・・。
家族とも問題なさそうな烏兎。
この中にあの烏有では、馴染めないのは仕方のないことかもしれない。
と、烏有は一切出てこないのにもかかわらず、思いを馳せてしまうのでありました。

鋭い直感を持つ烏兎は「普通」の探偵役をこなしていた。

まぁ、それにしたって兄よりも探偵の素質があったのでは…?
直感は家系だけれども、それを発揮できるか、気付いて真相に辿り着けるかに兄弟の能力差があるのだろうか?

メルカトル鮎シリーズ  翼ある闇 夏と冬の奏鳴曲(ソナタ) 木製の王子 メルカトルと美袋のための殺人
名探偵 木更津悠也 メモ



~ネタバレばかりのメモ~
   祖父(3)―[恋人]―多津(4)
    | 
父(2)―母(1)T獅子丸父T母
      祐今   獅子丸


(5)矢的

番号は殺害順
(1) (2)が犯人と思われていたが、犯人は獅子丸父。不倫の清算の為
(2) 密室殺人を考えていた獅子丸が突然現れた浮浪者のような風体の彼を突き飛ばしてしまい死亡。
(3) (2)の殺害現場近くに留めてあった獅子丸の自転車から、自分が犯人とばれることを恐れて殺害。
(4) 祐今の家族が犯人ではないと示す為
(5) 学校での漏洩事件の黒幕が矢的だった。自分を裏切ったことへの報復に(2)~(4)のすべての罪をなすりつけ、自殺に見せかけ殺害。

(2)~(4)はすべて獅子丸の犯行。
父親の犯行を知り、それを越える密室殺人を考えていたこと、
真相を知らず、人殺しの実父に干渉されること無くのびのび暮らす祐今への妬み、
お互いが敵対していることに気付いてなかったが、結果的に矢的に裏切られたこと、などが犯行の動機。
そして、鋭い直感を持つ烏兎への挑戦でもあった。
彼に真相に到達され、獅子丸は敗北を認めるが、そんな彼に敗北を感じるのは烏兎。
親友を警察に突き出すことも出来ない彼に、獅子丸は通常の生活に戻ると告げるのだった。





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Last updated  January 1, 2007 03:58:02 PM


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