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#宮沢賢治 #AIイラスト一〇五一一九二七、四、二八、あっちもこっちもこぶしのはなざかり 角をも蹄をもけぶす日なかです名誉村長わらってうなづきやなぎもはやくめぐりだす はんの毬果の日に黒ければ 正確なる時計は蓋し巨きく 憎悪もて鍛へられたるその瞳は強し 小さな三角の田を 三本鍬で日なかに起すことが いったいいつまで続くであらうか 氷片と光を含む風のなかに立ち 老ひし耕者もわらひしなれ
2024.04.30
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#宮沢賢治 #AIイラスト一〇五〇一九二七、四、二八、何もかもみんなしくじったのはどれもこっちのてぬかりからだ電燈が霧のなかにつきのこり川で顔を洗ふ子と橋の方では太くたつ町の黒けむり
2024.04.29
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#宮沢賢治 #AIイラスト七八一九二四、四、二七、向ふも春のお勤めなのですっきり青くやってくる町ぜんたいにかけわたす大きな虹をうしろにしょって急いでゐるのもむじゃきだし鷺のかたちにちぢれた雲のそのまっ下をやってくるのもかあいさう (Bonan Tagon,Sinjoro!) (Bonan Tagon,Sinjoro!)桜の花が日に照るとどこか蛙の卵のやうだ(解説)Bonan Tagon,Sinjoro! とはエスペラント語で、こんにちは、という意味です。それにしても百年前の岩手県では桜の花が4月下旬に咲いていたのですね。地球温暖化、地球沸騰化を感じます。
2024.04.28
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#宮沢賢治 #AIイラスト一〇四九基督再臨一九二七、四、二六、風が吹いて日が暮れかゝり麦のうねがみなうるんで見えること石河原の大小の鍬まっしろに発火しだしたまた労れて死ぬる支那の苦力や働いたために子を生み悩む農婦たちまた丶丶丶丶 の人たちがみなうつゝとも夢ともわかぬなかに云ふおまへらはわたくしの名を知らぬのかわたくしはエスおまへらにふたゝびあらはれることをば約したる神のひとり子エスである(解説)中国人肉体労働者に対する差別と現代ではとらえられかねない「支那の苦力」という表現を含みます。しかし、作者宮沢賢治は中国人肉体労働者こそが讃えられ神に救われるとの意味をこめて表現しているとも考えられます。そこで当時の表現を修正せず引用しております。
2024.04.27
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#宮沢賢治 #AIイラスト一〇四八一九二七、四、二六、レアカーを引きナイフをもってこの砂畑に来て見ればうら青い雪菜の列に微かな春の霜も下り西の残りの月しろのやさしく刷いたかほりも這ふしからばぼくは今日慣例の購買者にこれを配分し届けるにあたってこれらの清麗な景品をばいかにいっしょに添へたらいゝかしばし腕組み眺める次第すでにひがしは黄ばらのわらひをけぶし針を泛べる川からは温い梵(アニマ)の呼吸が襲ふ
2024.04.26
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#宮沢賢治 #AIイラスト一〇四六一九二七、四、二四、萓草芽をだすどてと坂肥つけ馬がはねるはねる青びいどろの天のなかへ竜になってのぼらうとしてゐるのだらうその肥一つ日にこぼれ木綿角縞の袍を着た歴山忠一押へる押へる押へるマグノリアの花と陽の淡彩
2024.04.25
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#宮沢賢治 #AIイラスト一〇四五一九二七、四、二四、桃いろのアガーチナスな春より少しおくれてぼんやりした黄いろの巨きな鳥がやってきたそれはそこらのまだつめたい空間に光るペッパーの点々をふりまきまたひとびとの粗暴なちからを盗みあつめてちゃうど太陽に熟した黄金の棘ができるころ東の方へ飛んで行ったのださうしてこの歳はもうみんなには仕事のなかに芸術を感じ得るその力強さが喪はれてゐた(解説)アガーチナスは寒天質のこと。農学生は寒天培地を培養などによく使います。半透明な寒天質を宮沢賢治は好んだようです。宮沢賢治によるアガーチナスの用例さらに一羽の鳥ありて/寒天質(アガーチナス)の闇に溶けたり(僧園 より)谷には灰いろの霧がよどんで/木の影がいっぱいに青く射込まれ/寒天質(アガーチナス)におぼろである(朝日は青く より)山の上の電燈から/市街の寒天質(アガーチナアス)な照明まで/Keolg/Kol./わるいのでせうか(ローマンスより)
2024.04.24
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#宮沢賢治 #AIイラスト 陽ざしとかれくさどこからかチーゼルが刺し光(くわう)パラフヰンの 蒼いもやわをかく、わを描く、からす烏の軋り……からす器械……(これはかはりますか)(かはります)(これはかはりますか)(かはります)(これはどうですか)(かはりません)(そんなら、おい、ここに 雲の棘をもつて来い。はやく)(いゝえ かはります かはります)………………………刺し光パラフヰンの蒼いもやわをかく わを描く からすからすの軋り……からす機関
2024.04.23
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#宮沢賢治 #AIイラスト一〇四四一九二七、四、二二、青ぞらはひとの白い咽喉を射る山鳩ねむげにつぶやくひるま風の軋りと wind gap の上の巨きな石窟
2024.04.22
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#宮沢賢治 #AIイラスト三二七清明どきの駅長一九二五、四、二一、こごりになった古いひばだの盛りあがった松ばやしだのいちどにさあっと青くかはるかういふ清明どきはです線路の砂利から紅い練瓦のラムプ小屋からいぢけて矮(ひく)い防雪林の杉並あたりかげらふがもうたゞぎらぎらと湧きまして沼気や酸を洗ふのです……手袋はやぶけ肺臓はロヂウムから代塡される……また紺青の地平線から六列展く電柱列に碍子がごろごろ鳴りますと汽車は触媒の白金を噴いて線路に沿った黄いろな草地のカーペットをぶすぶす青く焼き込みながらなかを走ってくるのです
2024.04.21
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#宮沢賢治 #AIイラスト一〇五三政治家一九二七、五、三、あっちもこっちもひとさわぎおこしていっぱい呑みたいやつらばかりだ羊歯の葉と雲世界はそんなにつめたく暗いけれどもまもなくさういふやつらはひとりで腐ってひとりで雨に流されるあとはしんとした青い羊歯ばかりそしてそれが人間の石炭紀であったとどこかの透明な地質学者が記録するであらう
2024.04.20
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#宮沢賢治 #AIイラスト一〇四〇一九二七、四、一九、日に暈ができ風はつめたい西にまはったああ レーキあんまり睡い (巨きな黄いろな芽のなかを たゞぼうぼうと泳ぐのさ)杉みな昏くかげらふ白い湯気にかはる
2024.04.19
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#宮沢賢治 #AIイラスト五輪は地水火風空空といふのは総括だとさまあ真空でいゝだらう火はエネルギー地はまあ固体元素水は液態元素風は気態元素と考へるかな世界もわれわれもこれだといふのさ心といふのもこれだといふいまだって変わらないさな
2024.04.18
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#宮沢賢治 #AIイラスト五三休息一九二四、四、一〇、風はうしろの巨きな杉やわたくしの黄いろな仕事着のえりをつぎつぎ狼の牙にして過ぎるけれどもわたくしは白金の百合のやうに……三本鍬の刃もふるへろ……ほのかにねむることができる
2024.04.17
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#宮沢賢治 #AIイラスト一〇三七宅地一九二七、四、一三、日が黒雲の、一つの棘にかくれればやけに播かれた石灰窒素の砂利畑にさびしく桐の枝が落ち鼻の尖った満州豚は小屋のなかから ぽくっと斜めに頭には石灰窒素をくっつけながらはね出して玉菜の茎をほじくりあるく家のなかではひとり置かれた赤ん坊が片っ方の眼をつぶってねむる
2024.04.16
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#宮沢賢治 #AIイラスト早春独白黒髪もぬれ荷縄(になは)もぬれてやうやくあなたが車室に来ればひるの電燈は雪ぞらにつき窓のガラスはぼんやり湯気に曇ります……青じろい磐のあかりと暗んで過ぎるひばのむら……根もとの紅い萱でつくつた木炭(すみ)すごをもう百枚もせなに負ひ山の襞もけぶつて並び堰堤(だむ)もごうごう激してゐる岩岨道のみぞれのなかを凍えて赤い両手を頬で暖めながらこの町行きの貨物電車にかけて来てあなたはわづかに乗つたのでした……雨はすきとほつてまつすぐに降り雪はしづかに舞ひおりる妖(あや)しい春のみぞれです……みぞれにぬれてつつましやかにあなたが立てばひるの電燈は雪ぞらに燃えぼんやり曇る窓のこつちであなたは赤い捺染ネルの一きれをエヂプト風にかつぎにします……氷期の巨きな吹雪の裔(すゑ)はときどき町の瓦斯燈を侵してその住民を沈静にした……わたくしの黒いしやつぽからつめたくあかるい雫が降りどんよりよどんだ雪ぐもの下に黄いろなあかりを点じながら電車はいつさんにはしります
2024.04.15
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#宮沢賢治 #AIイラスト台地一九二八、四、十二、日が白かったあひだ、赤渋を載せたり草の生えたりした、一枚一枚の田をわたりまがりくねった畔から水路、沖積の低みをめぐりあるいて、声もかれ眼もぼうとしていまこの台地にのぼってくれば紺青の山脈は遠く松の梢は夕陽にゆらぐあゝ排水や鉄のゲル地形日照酸性度立地因子は青ざめてつかれのなかに乱れて消えしづかにわたくしのうしろを来る今日の二人の先達はこの国の古い神々のその二はしらのすがたをつくる今日は日のなかでしばし高雅の神でありあしたは青い山羊となりあるとき歪んだ修羅となるしかもいま松は風に鳴り、その針は陽にそよぐときその十字路のわかれの場所で衷心この人を礼拝する何がそのことをさまたげやうか
2024.04.14
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#宮沢賢治 #AIイラスト有明起伏の雪はあかるい桃の漿(しる)をそそがれ青ぞらにとけのこる月はやさしく天に咽喉(のど)を鳴らしもいちど散乱のひかりを呑む(波羅僧羯諦(ハラサムギヤテイ) 菩提(ボージユ) 薩婆訶(ソハカ))
2024.04.13
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#宮沢賢治 #AIイラスト五一九春一九二五、四、一二、烈しいかげらふの波のなかを、紺の麻着た肩はゞひろいわかものが何かゆっくりはぎしりをして行きすぎる、どこかの愉快な通商国へ挨拶をしに出掛けるとでもいふ風だ……あをあを燃える山の雪……かれくさもゆれ笹もゆれこんがらかった遠くの桑のはたけでは煙の青い lento もながれ崖の上ではこどもの凧の尾もひかる……ひばりの声の遠いのはそいつがみんなかげらふの行く高いところで啼くためだ……ぎゅっぎゅっぎゅっぎゅっはぎしりをしてひとは林にはいって行く
2024.04.12
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#宮沢賢治 #AIイラスト一〇三六一九二七、四、一一、いまは燃えつきた瞳も痛み眼路も綾だち酸えるともだちよ世界はみんな青いいろした脂肪ではないだらうか
2024.04.11
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#宮沢賢治 #嬰児 #AIイラスト……そんなら雲がわるいといって雲なら風に消されたりそのときどきにひかったりたゞそのことが雲のこころといふものなのだ……
2024.04.10
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#宮沢賢治 #AIイラスト一〇三三悪意一九二七、四、八、夜のあひだに吹き寄せられた黒雲が、山地を登る日に焼けて、凄まじくも暗い朝になった今日の遊園地の設計には、あの悪魔ふうした雲のへりの、鼠と赤をつかってやらう、口をひらいた魚のかたちのアンテリナムかいやしいハーデイフロックスさういふものを使ってやらう食ふものもないこの県で百万からの金も入れ結局魔窟を拵えあげる、そこにはふさふ色調である(解説)宮沢賢治は父や祖父の宮澤財閥の花巻温泉リゾート建設を手伝わされ、遊園地の花壇を設計していました。貧しい郷土に巨万の投資でリゾートをつくる父たちへの青年らしい反発が感じられます。
2024.04.09
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#宮沢賢治 #春と修羅 #AIイラストまことのことばはうしなはれ雲はちぎれてそらをとぶああかがやきの四月の底をはぎしり燃えてゆききするおれはひとりの修羅なのだ
2024.04.08
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#AIイラスト2045年には1000ドルのコンピューターは全ての人間を合わせたより知的になる(2018)レイ・カーツワイル(1948- 米国 未来学者)億の天才ならんで生れしかも互ひに相犯さないあかるい世界はかならず来る(1924)宮沢賢治(1896-1933 日本 詩人)
2024.04.01
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