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NHK国際放送が選んだ日本の名作 1日10分のしあわせ (双葉文庫) [ 朝井 リョウ ]〈内容紹介より〉全世界で聴かれているNHK WORLD-JAPANのラジオ番組で、世界17言語に翻訳して放送された、人気作家8名の短編を収録。几帳面な上司の秘められた過去。独り暮らしする娘に母親が贈ったもの。夫を亡くした妻が綴る日記……。海の向こうに暮らす人々に、私たち日本人の愛すべき姿を細やかに伝えた好編が、オリジナル文庫として登場NHK国際放送が選んだ日本の名作と銘打ったシリーズ。普段、短編はあまり好んで読まないのですが遠征時で厚い本は荷物が増えて嫌。薄くて錚々たる作家陣、これは丁度良いと思い手にしました。どれもどこか切なくて温かい。わずかなページで心に響く、情景が見えてくる。凄いなあと思います。実はこの本、1年ほど前に読んだのですがこちらに書いていなかったもの。改めてもう一回読んでみて、やはりじわっと迫ってくるものがある。そんな中、小川洋子さんの作品が少し皮肉な結末で異色かな。この手の本はあまり本を読まない人に薦めたい。これをきっかけに収録されている著者の本を読んでみようかな、と思う人もいると思うから。そういえば、子どもたちが小中学生くらいだったか。あまり本好きではない子に育ち、でも本を読んでほしいと思い薦めたのが「きみが見つける物語」シリーズでした。結局あまり本好きにはならなかったけれど、その後、収録されていた著者数人の本は読んでいました。今は時々暇を持て余している時に図書館を利用しているみたい。少しは効果があったのかな。きみが見つける物語 十代のための新名作 スクール編 (角川文庫) [ 角川文庫編集部 ]きみが見つける物語 十代のための新名作 友情編 (角川文庫) [ 角川文庫編集部 ]
2025.02.27
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楽園のカンヴァス (新潮文庫 新潮文庫) [ 原田 マハ ]<内容紹介より>ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに籠めた想いとはーー。山本周五郎賞受賞作。少し前に読んだ「暗幕のゲルニカ」(感想はこちら)に登場したティム・ブラウンがまだMoMAのアシスタント・キュレーターだった頃の話。「暗幕のゲルニカ」がぐいぐい引き込む力強さを持つのと対照的にじんわりと沁み込むような温かさを感じる作品でした。執筆発表されたのはこの「楽園のカンヴァス」の方が先なのでこちらを先に読んでいたらもしかしたらぐいぐい引き込まれると感じたかもしれませんがゲルニカを先に読んでいると、これはファンタジックな作品にも感じました。ゲルニカ同様に、現代とルソーやピカソが生きた時代を作中の物語として描かれています。ルソーの「夢」と酷似した「夢をみた」は真作それとも贋作なのか。更には「夢を見た」の下にはブルー・ピカソが隠されているのか。”じんわりと沁み込むような温かさ”と感じるのはピカソの燃えるような激しさに対し、生前評価されなかったルソーのヤドヴィカへの思いや関係性、真贋の謎を解くティムのライバル織絵への思いが描かれた恋愛要素もあるからか。それにしても、どうしたらこんな着想を得るのだろう。「夢を見た」は本当に存在するのでは、在ってほしいと思えてきます。
2025.02.24
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現帝国劇場の最後の公演CONCERT「THE BEST New HISTORY COMING」Cプログラムを観てきました。いやあ~凄かった~ここ10年近くの観劇は多分9割くらいが宝塚だったのでその間に活躍しはじめた世代の方や演目にはとんと疎いです。何せレギュラーメンバーに三浦宏規さんとあるのをみて松竹版「るろ剣」に出ていた三浦(涼介)さんかと思ったくらいで。ステージに三浦さんいないけど、どうした?と思って確認したら違う方。ああ、ご両人、双方のファンの方すみません・・・こんなレベルの私でも、終始楽しめ、感激、興奮し通し。帝劇で上演された全てのミュージカルの曲が歌われ、上演当時の映像が流れる。シスター・アクト「天国へいかせて」が2曲目で、こんなに盛り上がる曲を序盤に入れちゃって良いの?と思ったり。うっそ、客席降りもあるのね。本役さんが歌うのを聴ける幸せを、この曲をこの人が歌うとこうなるのか~と小野田さんと昆さんの「世界が終わる夜のように」は直近のキャストですよね!チケットお高いけれど、全っ然お高くない、むしろこのステージならお安いですわ。島田歌穂さんの「オン・マイ・オウン」を再び舞台で聴くことが出来るなんて。当時と変わらない切なさ哀愁、歌い終わってほんの一瞬シーンとなり割れんばかりの拍手。その後がダンス・オブ・ヴァンパイアのフィナーレで会場一体の物凄い盛り上がりで(皆さん手拍子も心得てるし)金テープが舞う。大興奮で休憩に入りましたが、ロビーでも皆さん興奮しているのがわかりました。2幕の一番の楽しみはやはりゲストコーナーCプロは伊礼彼方さん、駒田一さん、保坂千寿さん、松下優也さん、山口祐一郎さん全プログラムを観る人は別として、1回しか観られないとなればゲストで決めますよね。山口さんと保坂さんが出るとなれば私は迷うことなくこの回です。ゲストコーナーは2つに分かれていて、1回目は松下さん、保坂さん、伊礼さん。この中で全く舞台を観たことが無いのは松下さん。今年上演されるキンキー・ブーツにローラ役で出演されるのですね。丁度、松下さんが出演される日のチケットを確保していたので注目したいです。保坂さんはレベッカ。観たかったけれど観れなかった公演だったので嬉しかった。四季の頃から変わらないなあ。伊札さんのスターズは情景が見えるようでした。そして伊札さんのトークが面白過ぎました。帝劇オリジナルミュージカルメドレー半分くらいしか観たことがなかったかな。観たことはないけれど、これは凄すぎと思ったのはSPY×FAMILY「アーニャを知ると世界が平和に」島田歌穂さん歌穂さん御幾つでしたっけ・・・?私より年上よでもアーニャでした。可愛かった 完璧なまでにアーニャでしたこんなものまで観れてしまうなんて、このコンサート凄い。そしていよいよゲストコーナー2山口さん2曲、駒田さん1曲駒田さんはテナルディエとクコールしか観たことがないのですがそうか、ミス・サイゴンでエンジニアも演じていたのでしたね。私は市村さんのエンジニアしか知らないので新鮮でした。山口さんはセットリストを観て納得の2曲。1曲目はダンス・オブ・ヴァンパイアの1幕フィナーレウィスパーヴォイスで始まり徐々に張り詰めた大声量へと移るあの声変わらないなあっ今年6年振りの再演が決まっていて娘ともども楽しみにしています。一足先に聴くことが出来て幸せ。駒田さんをはさんでもう1曲が「最後のダンス」ご本人がトークでコキコキ(古希古希)言って笑わせていたけれどとてもコキ古希とは思えない。客席がビーンと言うかビリビリッと言うのか、張り詰めた空気が凄い迫力でした。そしてフィナーレへと向かうのですが「闇が広がる」でサプライズ。と言っても、セトリをよく見ておけば気が付いたはずなのですが”井上芳雄&”となっていたのですから。が、私はさらっと流していて・・・イントロと同時に照明が落ちた上手下手から二人がせりあがってくる。え?あれはまさか?・・・と思うと同時に客席もざわざわとどよめき確信にかわった時の客席のあちこちから思わず漏れる声。2代目帝劇最後の演目でこの二人の闇広が聴けるなんて。そう、山口トートと芳雄ルドルフ。この日一番の盛り上がりだったと言っても過言ではないと思います。割れんばかりの拍手と喝さいでした。この二人の闇広を聴いたのは「M.クンツェ&S.リーヴァイの世界 2」以来かなあの時よりも感動したけれど、比ではないかも。堪らず零れた涙をぬぐいました。そしてラストはレ・ミゼ「民衆の歌」をゲストも含め全員で大合唱。これからも力一杯歩み続けるのだという出演者全員のメッセージと感じるとても良い選曲だなあと思いました。馴染みのないお若い部類のメンバーも多かったですが日本のミュージカル界、これからも期待でいっぱいになったコンサートでした。
2025.02.22
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神の値段 (宝島社文庫) [ 一色さゆり ]〈内容紹介より〉第14回『このミステリーがすごい! 』大賞・大賞受賞、現役学芸員が描く美術ミステリー、ついに文庫化です! メディアはおろか関係者の前にも一切姿を見せない現代美術家・川田無名。彼は、唯一つながりのあるギャラリー経営者の永井唯子経由で、作品を発表し続けている。ある日唯子は、無名が1959年に描いたという作品を手の内から出してくる。来歴などは完全に伏せられ、類似作が約六億円で落札されたほどの価値をもつ幻の作品だ。しかし唯子は突然、何者かに殺されてしまう。アシスタントの佐和子は、唯子を殺した犯人、無名の居場所、そして今になって作品が運びだされた理由を探るべく、動き出す。幻の作品に記された番号から無名の意図に気づき、やがて無名が徹底して姿を現さない理由を知るーー。とても興味深い一冊でした。ミステリーとしては起伏がなく平坦で「このミステリーがすごい!」対象というのがちょっと?だけれど、美術業界の仕組みを知ることが出来ました。美術界、マネー界の仕組みを巧みに操る者が生き残る。時代や場所によって価値、評価は異なる。美術は信仰であり信仰する人たちによって価値が決まり値段が高騰していく。信仰≒神に対する値段。作品、作家に対する敬意、愛情、畏怖、驚嘆、きっと人それぞれ受け止め方はあれど、感情を揺さぶる物として受け止める人たちがいる一方で、金儲けの手段としか考えない者もいる。確かにそう、美術品に限らず舞台芸術のチケットだって、自らが観るためではなく端から転売目的の人も多いですからね(美術業界とは規模が違いすぎるけれど)。
2025.02.14
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森があふれる (河出文庫) [ 彩瀬 まる ]<内容紹介より>ひと回り年上の作家の夫に小説の題材にされ、書かれることで自身の全てを奪われてきた主婦の琉生。ある日、大量の植物の種を飲んで発芽した彼女は、やがて、家をも街をものみ込む森と化したー。編集者、夫の不倫相手、夫、そして妻自身へと視点人物を変えながら、夫婦の犠牲と男女の呪いに立ち向かってその関係に新たな光を見出し、英訳されて欧米でも話題の傑作!人が発芽する?ファンタジーロマンスでもありヒューマンドラマのようにも思える内容紹介。わくわくして読み始めました。が、直ぐに作家である夫の自分本位な解釈と姿勢に嫌気がさしてきた。作家とは名ばかりで身の回りに起こることを基にしか作品を生み出せないだけではないか。作品のためには妻:瑠生も不倫相手もただの道具としか見ていないでしょう。この男大嫌いだわ、と思いつつも広がっていく瑠生がどうなるのかが気になり読み終えました。結果、消化不良でした。サイドストーリーとなるであろう作家の前担当編集者の夫婦関係や、瑠生と思われる雑木林の実をそうとは知らずにいくつも口にした愛人も発芽しているのでは。そのあたりにも触れるのかなと思ったけれど一切出てこない。ラストもえ?そうなるの?という全く予想外の終わり方。きっとはまる人には凄く刺さる作品なのだろうけれど今の私向けではなかった。もっと恋愛にワクワクするような柔軟さを持っていた若い頃ならはまったかもそれよりも瑠生の身体から緑色の植物が生えていく様子から漫画のワイルドストロベリーを連想してしまったまあ瑠生から生える植物に花は咲かないのだけれど。ワイルドストロベリー 1 (ジャンプコミックス) [ 米元 いれ ]
2025.02.06
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共喰い (集英社文庫(日本)) [ 田中 慎弥 ]<内容紹介より>一つ年上の幼馴染、千種と付き合う十七歳の遠馬は、父と父の女の琴子と暮らしていた。セックスのときに琴子を殴る父と自分は違うと自らに言い聞かせる遠馬だったが、やがて内から沸きあがる衝動に戸惑いつつも、次第にそれを抑えきれなくなってー。川辺の田舎町を舞台に起こる、逃げ場のない血と性の物語。大きな話題を呼んだ第146回芥川賞受賞作。Yahoo!のトップページ下に映画版が「救いようがない」「後味が悪い」と出てきたのがきっかけで、原作が気になり内容紹介を確認。本来ハッピーエンドが好きなので苦手分野なのだけれど、でも実は親子の葛藤を描いた作品なのか?と思い読んでみました。がーん・・・これは女性が読むにはかなりキツイ。父親に葛藤なんて全く感じない。葛藤があると勝手に想像した私が間違いだった。途中でもしやこれは、この父親は本当に最低の救いようのない鬼畜なのか?と感じたとおりの男だった。映画版のあらすじを最後まで読むと、小説の続きも描かれている。映画を観た著者はこれが正解だと思ったとのことだけれどいやいや、それは男性だからそう感じるのでは。超凡庸な女性目線からするとそうは思えないのだけれど。父親の恋人、息子の恋人、いずれも行動に納得がいかない。あくまであらすじなので肉が付き映像になると違った見え方をするのかもだが。共喰い【Blu-ray】 [ 菅田将暉 ]
2025.02.02
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