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映画「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」クリント・イーストウッド監督


映画「愛を読む人」


2004年06月27日
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カテゴリ: 思い出
招待券を貰ったため、某ボランティア団体の仲間と二人で、「ハッピー」という映画を観てきた。

映画の内容は、主人公(高岡早紀)が父親とスキー旅行に行って事故に遭い中途失明し、やがて恋人も離れてゆき苦悩の中にあったが、“ハッピー”という名の盲導犬と出会うことで自立しはじめ、愛する人と出会って結ばれるまでを描いたドラマである。

ドラマの筋立て自体は「よくあるパターン」とも言えるけれど、見ているうちに障害を持つ知人達数人の姿と重なり、やはり涙が流れてしまった。
私は動物に対してはさほど思い入れもないので、盲導犬ハッピーの健気さなどには、さほど涙腺はゆるまない。
しかし、主人公がハッピーをパートナーとして自立していこうとする時、
「誰にも迷惑をかけずに生きられるようになりたい」と必死に頑張り、それでもどうしようもない状態に陥り、
やがて夫となる獣医師から、「人の助けを借りることは恥ずかしいことではない」と言われた言葉を思い出し、
「誰か、私を○○に連れて行ってくれませんか。私は目が見えないのです。手伝ってください。お願いします」と声を張り上げる姿に、
私の涙腺は全開となってしまった。


それまでは自由に自分の身体を使って、誰の手も借りずに生活していた人間が、
「私は○○ができないのです。手伝ってください。お願いします」と初めて言う瞬間は、どんなに勇気が必要なことだろう。

思い出してしまった一人に、Tさんがいる。
ずっとずっと昔、車椅子の彼女(事故による下半身麻痺)が自立生活を始めるために、様々な関係機関やボランティアの人たちに頭を下げ続けなくてはならない状況になった。
私は彼女の介助をするボランティアとしてその場に立ち会っていたのだが、
帰宅して彼女を居間用の車椅子に移動させ、
「じゃあ、帰るね。大丈夫?」と聞いた時、
「もう少しいてほしい。今、一人になるのは辛いの」と、
引きつったような顔をした。
それまでのことを思うと、その気持ちも理解できたので、
「今日は、大変だったね。でも、よく頑張ったよね」というと

夕暮れの薄暗い部屋の中で、車椅子にもたれるようにして顔を上に向けたまま、「オーオーオー」と彼女は慟哭し続けた。
私はただ側にいて、彼女の手を握って黙ってその声を聞くだけだった。
彼女の心の痛み、悔しさ、切なさ、苛立ち、全てが全身に突き刺さるようだったけれど、なぜか私の目からは涙は流れなかった。
あまりに強い彼女の悲しみの前に、私の心や涙腺は凍りついたようになっていた。
一緒に泣いてあげたいと心から思うのに、私は木偶人形のように、ただ手を握り続けるしかなかった。

それがとても申し訳ないとさえ思った。
下手な慰めの言葉などは、自分でも恥ずかしくて言えなかった。
しばらくして、ひとしきり泣いて落ち着いてきた彼女は、「ごめんね。もう大丈夫だから。ありがとう」と
涙でぐしゃぐしゃの顔で私に言った。
その顔をみて、私はあわててティッシュペーパーを彼女の手に握らせた。
「本当に大丈夫? お家の人が帰るまでいようか?」と聞いたら、
「大丈夫。もう少しで帰ってくると思うし、それにこれからは一人で暮らさなくてはならないんだから。ごめんね、迷惑かけちゃった。約束の時間よりも、遅くなっちゃったね」
というので、私はそれで帰宅した。

その後、彼女は一人で自立生活をしている。
いつも明るい彼女も、きっと時にはあの夕方のように、どうにも耐え切れず号泣することがあるのではないかと思う。
映画を見て私の目から溢れた涙は、あの時凍り付いてそのままになっていた涙が融け出したのだろうと思う。

もう一人、思い出した人がいるのだが、彼のことについてはまたの機会にしよう。





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最終更新日  2018年12月07日 14時38分50秒
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Re:映画「ハッピー」を見て、思い出したこと(06/27)  
win さん
みらいさん、ご無沙汰しております。。
お杉=winです。
4月から院に進み、大変ですが充実した毎日を過しています。
今日は休講となったため、丸1日、科目試験の勉強にあてることができるので、ほっとしています。

さて、私は映画ではなく、以前、TVドラマの「ハッピー」をずっと見ていました。
主人公のように、中途で障害を持つことになった場合、そういったあるがままの自分をを受け入れることは、本当に苦しくて大変なのだと思います。
それでも時間がかかっても、今の現実が事実でしかないので自分の力で乗り越えていってほしいと私もそっと願うだけです。

それに、盲導犬は過酷な訓練のせいで短命だと聞いてはいるのですが、「人のために役に立つことがしあわせなんだ」ということをハッピーから教わった気がします。このドラマはいろんな角度から考えさせられることが多くて、とっても好きな番組でした。

最近、「害を障る」と書く「障害者」という表現は変えられないのだろうか?と感じるのです。同じ人間として、ネガティブなイメージが定着しているような気がするんですよね。
バリアフリーといいながら、その表現がバリアをつくっていると考えてしまうもので。

とりとめのない文章、失礼いたしました。
天候不順の折柄、みらいさんもどうかご自愛のほどを。 (2004年06月29日 07時39分08秒)

Re[1]:映画「ハッピー」を見て、思い出したこと(06/27)  
winさん、お久しぶりです。
大学院で充実した勉強をされているようで、何よりです。

TVドラマでもやっていたのですね。私はあまりドラマを見ない方で、その上障害をもつ人たちをテーマとしたものは、現実ドラマのシビアさが身近なのでどうしても批判的になったり「うそ臭い」と感じたりする傾向があるのです。

>それでも時間がかかっても、今の現実が事実でしかないので自分の力で乗り越えていってほしいと私もそっと願うだけです。

本当に、それしかないのです。他人は可能な協力と応援ができるだけです。どんな人生であろうと、それは「その人のもの」ですから。

また、盲導犬の訓練は、私の聞いている範囲では「過酷」ではないということですが・・。基本は、人間との信頼関係の中で、主人のために必要な行動を覚え、「誉める」「喜ぶ」を元に教え、盲導犬は「誉められ喜ばれるため」に忠実な行動をとるようです。

>最近、「害を障る」と書く「障害者」という表現は変えられないのだろうか?と感じるのです。

以前からそのように言われていました。昔は「障碍」という文字が使われていたのです。この場合の「碍(がい)」は、壁というような意味合いで、「壁があって不自由になっている状態」という感じでしょうか。
私としては、その文字の方が適切だと思います。
私自身は「障害者」と言ったり書いたりすることは極力避けています。「障碍(害)のある人」「ハンディのある人」「耳の不自由な人」「車椅子を利用している人」などのように表現するようにしています。ただ、不特定多数の人に文字数を少なくして端的に説明する時は、やむを得ず「障害者」と表現することもあります。

そのようなことに、多くの人が関心を持ち思いを寄せることが、「バリアフリー」への一歩だと思っています。
このような問題提起をして下さったwinさんに、感謝します。 (2004年06月29日 08時46分58秒)

Re[2]:映画「ハッピー」を見て、思い出したこと(06/27)  
k-nana  さん
みらい0614さん
>また、盲導犬の訓練は、私の聞いている範囲では「過酷」ではないということですが・・。基本は、人間との信頼関係の中で、主人のために必要な行動を覚え、「誉める」「喜ぶ」を元に教え、盲導犬は「誉められ喜ばれるため」に忠実な行動をとるようです。

ちょっとだけ関わった人間として・・・
盲導犬は、人が思っているより随分と幸せな犬だと思います。
訓練士は真剣に犬と向き合ってくれるし、ユーザーに渡ればユーザーも頼る。頼られるって、すごく嬉しいことだと思う。何より外出の機会は普通の犬の散歩などより多いんじゃないかと思いますしね^^
動きたい犬なので、運動と考えればかなり恵まれてますし、ハーネスを取れば普通のやんちゃ犬に戻ります(笑)

それに、短命ではありません。
私の知っている子達は、大体15歳以上で元気にやってました。一般に大型犬は早く年を取るらしく、ラブラドールは12~3歳くらいで死んでしまう場合が多いように思います。

ということでした。ではでは~ (2004年06月29日 12時51分08秒)

Re[3]:映画「ハッピー」を見て、思い出したこと(06/27)  
k-nanaさん、丁寧な補足説明、ありがとうございます。

>訓練士は真剣に犬と向き合ってくれるし、ユーザーに渡ればユーザーも頼る。頼られるって、すごく嬉しいことだと思う。何より外出の機会は普通の犬の散歩などより多いんじゃないかと思いますしね^^
>動きたい犬なので、運動と考えればかなり恵まれてますし、ハーネスを取れば普通のやんちゃ犬に戻ります(笑)

本当にそうですね。ハーネスを付けている時は、「今は仕事中」と見事なプロ根性を見せてくれるのですよね。
それこそが、人間が見習わなくてはならないことではないかしら。

>それに、短命ではありません。
>私の知っている子達は、大体15歳以上で元気にやってました。一般に大型犬は早く年を取るらしく、ラブラドールは12~3歳くらいで死んでしまう場合が多いように思います。

そうですか。以前「盲導犬協会」で、盲導犬の老人ホームを見学したことがあります。
一所懸命働いて、老後は手厚く介護されながらのんびりとうたた寝をしながら残りの人生を過ごす。
きっと、元気だった頃のことや、ユーザーとの楽しかったことを夢に見ているのだろうな・・なんて。
きっと、犬と生まれて本望な人生(犬生?)でしょうね。
それにしても、まだまだ盲導犬は需要に対して少ないのですよね? (2004年06月29日 14時31分21秒)

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