マイペース70代

マイペース70代

PR

フリーページ

慶應通信のページ


思い出・・一期一会


一期一会


思いがけない再会


痴呆について(祖母を思い出しながら)


K君へ・・人はみんな同じではないよ


手を出さないで、見ててね


北の国から・・私の吹雪体験


Yちゃん


長倉洋海さんとアフガニスタン


生き急いだNさんへ


卒業仲間


沖縄の戦跡巡拝


旧友とのおしゃべり


学生無年金障害者訴訟判決/Yさんのこと


他生の縁


法事にて /「義兄」のこと


Mとの思い出


縁は異なもの


映画「ハッピー」とTさんのこと


同じ父なのに・・


かつてのヤンキーボランティア


阪神淡路大震災こと


叔母の「死」に思う


悪夢の思い出


進化する父


早世した友の思い出


障害を持つ子の親の思い


Nちゃん(中学のクラスメート)との再会


出会いの不思議


N先生の思い出


「あの子の笑った顔を見たいんです」


「シュウ君」


数学の思い出


思うことイロイロ


青春や若さって、そんなにいいもの?


NHK「フリーター漂流」を見て


団塊シッポのつぶやき


結婚って何だ?


若者のボランティア活動について思う


笑わなくたっていいんだよ


不倫って、「ひめごと」だと思っていたのだけど・・


普通って、何だろう?


やりたいことは、とにかく手をつけよう


成人式と着物


子どもに不正をそそのかし、見逃す大人たち


「『迷惑をかけない人』を望む母親が増加」に思う


人の心にも「地雷」がある


教師の体罰ニュースで思い出したこと・・


里親について


体罰事件で思い出したこと


「いじめ」は殺人になる


若い頃の苦労は買ってでもせよ。その前に、「子供の失敗は買ってでもさせよ」


読書、映画、観劇など


映画「裸足の1500マイル」


本 「カンボジア 運命の門」


レンタル映画「パウダー」


レンタル映画「タイタンズを忘れない」


本 「大地」パール・バック


本「揺れる子どもの心と発達」高垣忠一郎著


「奪還 」 蓮池透著


「逆さメガネ」養老孟司著、PHP新書


「死ぬにはいい日」


「"It"と呼ばれた子」


「あの世 この世」


「二人目の母親になっている日本の男たち」


パティニョールおじさん (レンタルビデオ)


映画「オリバー・ツイスト」


映画「スタンドアップ」


蟻の兵隊


映画「ハンナ・アーレント」


「引きこもり狩り」 芹沢俊介◎編


印象に残った絵本色々


映画「誰も知らない」


映画「白いカラス」


映画「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」クリント・イーストウッド監督


映画「愛を読む人」


2011年01月26日
XML
カテゴリ: 仕事
さて、私の二十歳の頃の精神薄弱児入所施設の話を続けよう。

私は、高校生の頃「福祉関係の仕事をしたい」とは考えたが、
実際の福祉関係の知識は皆無に近かった。
短大では、一応栄養士を目指した勉強だったので、
ボランティアで老人ホームや養護施設を「慰問(当時はそう言っていた)」に行った程度。
精神薄弱児施設にぞのような子ども達が生活しているのかは、
単純に「知恵遅れの子ども達がいる場所」と想像していただけだった。

しかし、今の言葉で知的障害と言っても、その原因は一人ひとり違う。
最初に「ん?」と思ったのは、

つまり、とても顔が似ている人たちが何人もいたのだ。
勘の良い人はすぐピンとくるだろうが、そう、「ダウン症候群」の子どもたちだった。
私が職員に「兄弟で入所しているのですか?」と、
今から思えば赤面するような質問をすると、
笑いながら「蒙古ちゃん達よ」と教えられた。
その頃は、ダウン症候群というより、「蒙古症」と呼ばれていた方が多かったのだろうか。
そして、染色体の異常による先天的な障害だと知った。

また、「あの子は分裂病だって」と教えられた子は、
職員の言うことは全く聞かず、猛スピードで走りまわっていることが多かった。
今思い返すと、彼は典型的な「自閉症」だったと思う。
まだ当時は、「自閉症」という障害名はあまり知られていなかったようだ。


脳性マヒであった。
しかし、一応歩くこともできるし、身の周りのことも自分で出来る。
掃除や配膳の仕事も、時間はかかるけれどできる子だったし、
言語障害はあっても、私ですら「この子は知恵遅れじゃないだろう」と思った。
まだまだ施設が不足していた時代だから、

そうそう、軽度の知的障害ではあったかもしれないが、
中学を卒業後入所した女の子もいた。
彼女は中学で勉強した英語を知っているので、その施設ではエリート扱いであった。
また、一般の家庭なら知的障害としてこの施設には入らなかっただろうと思われる少年もいた。
どんな事情があったのかは知らないが、「知恵遅れ」として施設に入ることになったようだ。

その施設では、その頃成人施設を併設する準備を進めていた。
児童施設での年齢を超えた若者たちの、その後の受け皿がないということから、
同じ敷地内に成人施設を作ろうとしていたのだ。

台所の仕事をしながら、私は少しずつ彼らが抱えているハンディについて学んでいった。
そして、人間の不条理さを改めて考えることになった。
本人達には何も責任が無いのに、
そのようなハンディを抱えて生を受けた人たちがたくさんいる。
それはどういうことなのか。
この人たちの幸せって何なのだろうか。
さらに言えば、「生きている価値は何なのだろう」ということだ。

自分自身の存在価値に疑問を抱いていた私には、
彼らが生きているということ自体が謎に近いものがあった。
しかし同時に、私の心の中にはとても自己中心的で姑息な感情も芽生え始めていた。
「彼らが生きていて良いとするなら、私だって生きる価値があるはずだ」。
大変申し訳ないことなのだが、
私は自分を彼らの能力と比較して、自信を持とうとしていたのだ。

そこはキリスト教を母体にした施設であった。
園長先生は言った。
「この子たちこそ、神様に愛されているのだ」と。
私の頭は混乱した。
神様に愛されるということは、理不尽にもハンディを持つということ?
毎日、施設内の教会でミサがあり、園長先生が聖書の話をわかりやすくしてくれていた。
なるほど・・と感じることもあったが、
「どうしてそうなるの?!」という気持ちも同じくらい抱いた。
教会に掲げられているキリスト像は、何とも悲惨な姿であった。
神様って、どうしてそんなに試練を与えるのか。
愛するってことは、試すことか?
私以外の職員の人たちはみんなクリスチャンで、次々と参考書を貸してくれたが、
私の心にストンと落ちる感じではなかった。

色々な障害について知り、それぞれの子ども達のことを知るにつけ、
私の胸の中は「?マーク」がどんどん膨らんでゆくのだった。
だからこそ、私は仕事中は「没入、没入」とつぶやかなくてはならなかったと言える。







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011年01月26日 10時50分36秒
コメント(2) | コメントを書く
[仕事] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

みらい0614

みらい0614

お気に入りブログ

「枕草子」を読んで… New! 七詩さん

夢の中でお告げ(悟… New! 楽天星no1さん

ほんま?! New! ポンボさん

【6/29(土)乙… New! machiraku_hokkaidoさん

出会う、ということ New! ぼちぼち7203さん

コメント新着

みらい0614 @ Re[1]:ブログをスタートしてから21年!(06/19) New! k-nanaさんへ 同時期に始めたことになり…
k-nana @ Re:ブログをスタートしてから21年!(06/19) 21年目おめでとうございます^^ 私も見て…
みらい0614 @ Re[1]:羆の駆除対策(06/18) tckyn3707さんへ >まず熊の駆除に立ち…
tckyn3707 @ Re:羆の駆除対策(06/18) 初めまして。まず熊の駆除に立ちはだかる…
みらい0614 @ Re[1]:羆の駆除対策(06/18) 七詩さんへ >国民の安全がボランティ…

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: