真理を求めて

真理を求めて

2003.02.24
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この歌は、フォークソングのスタンダードナンバーみたいなもので、我々の世代以上の人は必ず知っているんじゃないかという感じがする。<うたまっぷ>にもちゃんと歌詞が載っている。

これは、五木寛之の作詞だけれど、子供の頃は五木寛之がどんな人かも知らなかった。あのころからすでに有名な人だったんだろうか。

僕は少々若すぎて、この歌の雰囲気を十分味わうことが出来なかったけれど、あの時代は、若者が時代の先頭を歩いていたときだったと思う。だから、荒野というのも、ただ荒れた土地ということではなく、誰も踏み入れたことのない前人未踏の地だからまだ荒野であったところという感じがする。その未開拓の地に、そこを切り開く人間として若者が登場し、未来への希望と情熱を感じさせる歌という感じがする。

幸せに背を向けて、故郷を捨てて出ていくけれど、それはより大きな幸せを求めるため、より広い故郷を作り出すために出発していく感じがする。そして、今日の引用箇所は、

      みんなで行くんだ
      苦しみを分けあって

というところだ。みんなで行くことが出来て、それを信じることが出来れば、苦しみを分け合って、それに耐えることが出来るし、苦しみがやがては喜びに変わるときもくる。

でも、現実にはそんな気分に浸れたのはごく短い期間だけだったようだ。僕が「青年」と呼ばれるようになる頃は、すでにかつての荒野をめざした「青年」たちは挫折の中にいたような気がする。僕には、挫折する前の喜びすらなかった。いつも一足遅れの革新派という感じだったな。

今の若者たちはどうだろう。かつては、自分だけの狭い幸せにとどまるんじゃなくて、広い荒野をめざしてその中で成長していくことが若者の特権だったような気もする。今は、果たして狭い幸せというものがあるんだろうかと疑問に思うときもある。



若者たちに対して、彼らがめざしがいのある荒野を作ることの出来なかった、大人である我々の責任というものも考えないとならないじゃないだろうか。我々自身は、物質的な荒野はならしてしまったけれど、心の荒野はそのままにして来てしまったんじゃないだろうか。どうしたら、心を込めた人と人とのつながりがよみがえるんだろうか。





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最終更新日  2003.02.28 11:08:36
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