真理を求めて

真理を求めて

2003.02.25
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カテゴリ: カテゴリ未分類
あまり政治的なことを書かずに、自分の好きなフォークソングのことで楽しく語り合いたいと思って始めたこの楽天の日記だけれど、今日は歌を選ぶことが出来なかった。いろいろと探したけれど、どうも今日の気分にぴったりのものがなかった。

そこで今日は、かつての哲学青年に戻ってこんなことを考えてみた。僕は、保守的な考え方を元にするよりも、リベラルな方が正しい判断が出来ると思っているけれど、それがちゃんと合理的に説明出来ることなのか考えてみた。

テレビを見ていたら、今度のイラク問題に関して、国連での原口大使の演説が、英語の原文のニュアンスと日本語の翻訳のニュアンスが違うのを取り上げていた。英語では、全面的にアメリカを支持し、強い口調でイラクを非難しているニュアンスが出ているらしい。ところが日本語訳では、「懸念を示している」程度に薄めて表現しているらしいのだ。日本語訳では、査察の継続の有効性に「疑問が生じている」としているが、英語では「やってももはや無駄だ」というくらいのニュアンスだとテレビでは語っていた。

このことに関して、国内での戦争反対の気運が高いのを配慮してのことだろうと、テレビでは言っていたが、その時に「日本は同盟国としてのアメリカを支持するのは当然なのだから、これは曖昧にするべきではなくて、はっきりとアメリカを支持していると言うべきだ」とも語っていたのが気になった。これは、保守的な人間であれば、そういうのが当然だとは思うけれど、テレビがはっきりとそういうようになったということに、体制側の宣伝が強くにじみ出てきたという警戒を感じた。

保守にしろリベラルにしろ、それは考え方の一つであるから、それだけで間違いだということは出来ない。しかし、保守には、このテレビで見た考え方の展開のように、前提として必ず守らなければならないようなものが出てくる。アメリカは同盟国であるから、利害を一つにしているという前提は、保守である場合に、このこと自体に反する考え方をすることは大変難しい。同盟しているのだから、支持をするのが当然という前提で考えを展開しなければならないのだから、それ以上に重要な要素を持ったことがあっても、それには目をつぶることに結果的にはなる。

無理矢理戦争を仕掛けることが、世界を混乱に招き、同盟による利益どころか、世界を恐ろしい混沌に巻き込むかもしれないという展開の方を考える余地がなくなってくる。ばくちをやる人間は、勝つことだけ考えて、負けることに備えて考えるということをしない。保守的な考え方を基本に持っていると、いつかこのようなギャンブルに負けるパターンに落ち込むんじゃないかという気がしてならない。いつまでも勝ち続けるギャンブルはない。リベラルは、常に負けることも前提に入れながら考えを進める。それは絶対的な権力を持たないからだ。権力を持たないから、よほどの条件がない限り勝てることはない。だから最悪を避けて最善の戦略をとらなければらない。

今度のイラク問題は、その人間が保守を基礎にしているのか、リベラルを基礎にしているのか、はっきりと見分けるリトマス試験紙になってしまうだろう。たとえ何があろうとも、アメリカとの同盟が優先されるとしか考えられなければ、その人は基本的に保守の立場だろう。その同盟という前提さえも越えることがあると考えることの出来る人はリベラルと言えるだろう。

この前の戦争で日本の軍隊は負けることを認めなかった。負けるときは玉砕しなければならなかった。ところが、毛沢東の軍隊は、相手の力が強いと、客観的に判断すれば、まず逃げることすなわち負けることを前提に入れて行動したらしい。日本の敗戦を決めたのは、アメリカによる原爆投下だったけれど、アメリカがいなくてもあのまま戦争が続いていても、おそらく日本は最後は負けていただろうと僕は思う。負けを前提にして考えることの出来る毛沢東のリベラルの方が、長い目で見ると正しい判断を下すと思うからだ。

戦争になれば、アメリカはすぐに決着がつくと思っている。圧倒的な軍事力の強さからいって、イラクはひとたまりもなく破壊されるだろう。でも問題はその破壊が終わったあとだ。アメリカの思惑通りにことが展開すると考えるのは甘い考えだと思う。現代はもっと人間が賢くなっている。おそらくそこにつぎ込む金の多さに、彼らのギャンブルも本当は負けだということにその時に気づくようになってしまうだろう。






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最終更新日  2003.02.25 10:24:22
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