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2003.11.06
「テロ」という言葉の持つ意味
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昨日の日記に書いた「北朝鮮による日本人拉致をテロと認識するか」というアンケートの質問についてちょっと考えてみたいと思う。何を考えることがあるのか。この答えは「はい」に決まっているだろうと思う人もいるかもしれない。でも、僕には何かが引っかかる感じがするのだ。
この質問が「北朝鮮による日本人拉致を凶悪な犯罪と認識するか」という質問だったら内容的にはそれほど引っかかるものはない。しかし、この答えはほぼ100%「はい」だと思うので、アンケートにして聞くということに対する違和感は残る。結果が分かるようなことをどうしてわざわざ聞くかということだ。
今の状況を見ていると、この質問をされた議員はほとんど凶悪な犯罪というような意味で答えているんじゃないかと僕は感じている。凶悪な犯罪で許し難いものだというようなイメージで「テロ」という言葉をとらえているんじゃないかと感じている。それではなぜ「凶悪な犯罪」といわずに「テロ」という言葉を使うのだろうか。国家が関わっている犯罪だからテロと呼ぶのだろうか。
加藤朗さんが書いた「テロ-現代暴力論」(中公新書)に寄れば、テロとは何かという定義には大変な難しさがあるそうだ。次のように語っている。
「実際、専門家や研究者の間でもテロの定義は様々で、万人が納得できるような統一した普遍的な定義はない。テロリズム研究の権威ウォルター・ラクォールも『テロリズムの時代』(1987年)で「歴史に登場したすべての種類のテロを網羅できるようなテロの定義はない」と述べている。実際何を持ってテロというかは、人それぞれである。」
テロの定義の問題の難しさは、テロという言葉を決める内容に本質的に存在する問題だということを加藤さんは教えてくれる。我々の能力がまだ低くて解明できないと言うのではなく、それが万人が賛成できる定義を打ち立てられない性質を元々内包しているところに、テロという言葉の特徴があるというわけだ。
欧米のテロ研究者の意見が一致しているのは、フランス革命のジャコバン党による恐怖政治が近代テロの始まりだと言うことだそうだ。テロという言葉は、政治と深い関わりがある。しかしその後の様々のテロは、これの発展としての姿にとどまることなく、全く新しいスタイルで現象してくるので、それ以前のテロを含んだ定義も、新しいテロには当てはまらなくなったりしてしまう。
さらに政治的立場から、テロであるかないかの判断が食い違うので、そこに共通した定義が出来ない場合がある。象徴的なのは、イスラエルとパレスチナの関係だ。日本の報道はパレスチナの行為をすべてテロと断じているが、パレスチナ人から見れば祖国防衛の英雄と言えないことはない。逆に、日本の報道では軍事行為としか報道されないイスラエルの行為が、パレスチナ人から見れば国家テロと呼ぶべきものに見えるだろう。伊藤博文を暗殺した安重根をテロリストと見るか英雄と見るかは、政治的立場で違ってくるのと同じようなものだと思う。
またテロという言葉には、とてもネガティブなイメージがあり、テロリストと呼ばれたものは、とんでもない悪人だということが、そう呼んだ瞬間から思われてしまう。だから、敵対する者たちは、互いに相手をテロリストと呼びたくなってくるだろうと思う。つまりその人間が善か悪かという判断は、とても難しく多面的な判断であるのに、テロという言葉を使った瞬間に、そう呼ばれた相手は悪一色に染まってしまうような感じさえある。
テロという言葉は、結果的に思考停止をもたらしてしまいそうな気がする。それ以上の分析を許さないという感じがする。拉致問題に関しては、それがどんなにけしからんものであったとしても、それがなぜ生じたのかという合理的な説明を見つける必要があるのではないだろうか。そうでなければ、その犯罪を犯した人間に対する恨みの気持ちが残るだけで、恨みを晴らすための何らかの手段を求めるしかなくなってしまいそうな気がする。だから、テロに対してはテロで返しても当たり前だと受け取られそうな石原東京都知事の発言などがあまり批判を受けない空気も出来てしまう。
逆に言うと、思考停止状態をもたらしたいと思ってテロという言葉を使っているのなら、その意図で世論を操作している人間はかなり成功していると思うし、かなり恐ろしい権力者だという感じがする。このことをもっと大きな観点から眺めてみるとこんな風に考えられないだろうか。
テロに象徴されるような凶悪な犯罪というのは、それがどうして生まれてきたのかがほとんどの人には分からない。全く理不尽な、それを行った犯罪者の凶悪性を証明する出来事としてしかとらえられない。理解が出来ないことに対しては、多くの人が感情的な反応をしてしまう。長崎の12歳の少年の事件が起こったときに、厳罰化を望んだり、その親を市中引き回しにしろというような感情的発言が必ずしも全面的にはたたかれなかったことにそれは象徴されている。
恨みを晴らすために、相手を同じような目に遭わせてやれということは、一時的な感情の浄化はもたらす。すっきりするという感覚だ。しかし、これでは恨みをためて理不尽な犯罪を犯した犯罪者とあまり変わらないような反応にも見える。本当の癒しになるのは、彼らがなぜそのような行動に至ったのかを本当に納得することではないだろうか。彼らの恨みの根元はどこにあったのか。それを正しく明らかにすることが問題の本質をとらえることになるのではないだろうか。そうしなければ同じような犯罪をこれから抑止することが難しくなる。犠牲が無駄になってしまい、実りのない結果をもたらしてしまう。これでは本当の癒しにならないのではないかと思える。
ただ、この問題の本質を明らかにしようとすると、現代社会の持っている秘密の部分を暴かなければならないものが出てくるだろうと思う。隠された情報がたくさんあるに違いない。しかし、その方向を多くの人が求めない限り、恨みの連鎖は消えないで同じことが繰り返されるのではないか。テロも凶悪犯罪も、それに同じ暴力で応えることは問題の本質的解決にはならないような感じがする。
拉致問題に関しては、それがテロに当たるかどうかを聞くよりも、それがなぜ行われたのかということを、因果律の連鎖をたぐり、歴史的背景をたどり、説得的な説明を求めるということが本当の問題の解決になるのではないだろうか。そして、責任の所在を明らかにして、責任のある人間の追求という方向を求めるべきなのではないだろうか。国交を回復して、実行犯の正当な裁きを要求するという方向こそ解決ではないのだろうか。その時に、背景をすべて明らかにして、被害者が納得できる説明ができなければならないと思う。北朝鮮がいかにひどい国であるかという報道は毎日溢れるくらいたくさんあるのに、拉致問題の背景を分析した報道が全くないというのはどういうことなのだろうか。テロという言葉は、やはり思考停止をもたらすために使われているのだろうか。
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最終更新日 2003.11.06 09:08:46
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