名無し人の観察日記

名無し人の観察日記

2006.04.30
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カテゴリ: 戦争と平和
 しばしば中国や韓国は日本に対して「ドイツに倣え!」と言ってきます。どういうわけか、彼らはドイツが戦後の補償問題を きっちり片付けたと思い込んでいる
 そもそもドイツは二次大戦について謝罪もしていなければ、国家補償に応じてもいません。責任を全てナチスに押し付ける事に成功し、逆に周辺諸国に敗戦で失った領土や占領地に置いてきた資産の返還を求めているほどです。
 なかなか強気ですが、それが許されるのはドイツが今やEUの要というべき経済大国であり、強力な軍事力を持っているという点があげられます。しかし、もっと根本的な理由としては、そもそもドイツは日本が某三カ国から要求されているような謝罪と賠償を求められていません。
 中朝韓はこうしたドイツの歴史について、自分たちこそ学ぶべきでしょう。

 第一次世界大戦において、ドイツは敗戦国となりました。当時の戦争では、戦勝国が敗戦国から戦時賠償金を取り立てるのが慣例となっていましたが、ドイツに課せられた賠償金の額は、まさに天文学的数字でした。
 その額、実に1320億金マルク。「金マルク」と言うことは、紙幣ではなく金(ゴールド)で相当額を支払わねばならない、という事です。
 当時のレートで1320億マルクに相当する金の量は、約5万トン。現在の日本のレートで5万トンの金を購入するには、 約71兆円 かかります。国家予算のほとんど全額を払わないと買えないことになります。当時のドイツにとっては、GNPの約20年分に相当していました。



「コーヒー一杯を飲むのにトランク一杯に詰めた紙幣が必要だったが、コーヒーを飲んでいる間にトランク二杯分の紙幣が必要になった」

 というものがあります。ジョークだから実話ではないのでしょうが、当時のドイツが陥った状態を端的に表した話だとは思います。
 当然、ドイツ国民は塗炭の苦しみを味わう事になりました。働いても働いても、給金はほとんど無価値で、しかもほとんどを外国に持って行かれるのですから、労働へのモチベーションが上がる訳はありません。元々支払う事の不可能な賠償金はドイツ経済を崩壊させ、支払いは滞ります。

 これを口実に、1923年にはフランスがベルギーと組んでルール地方の占領を強行しました。ルール地方はドイツの生命線とでも言うべき工業地帯です。
 フランスの狙いは、ドイツが強敵として復活する事を阻止し、かつドイツと自国の間に緩衝地帯を作るため、ルール・ラインラントに傀儡政権を立て、ドイツから切り離して独立させる事も含まれていました。経済的に弱体化し、再軍備も制限されていたドイツはフランス軍に物理的に抵抗する事ができず、労働者にゼネストを指令するという抵抗を行うことで、なんとかフランスを撤兵させます。が、これによって経済状況の深刻さが増した事は言うまでもありません。

 こうした国内の混乱は政治への不満に転換し、やがてナチスの台頭を招きます。そのリーダーとなったヒトラーの行動を見ると、彼はアングロサクソン国家(米英)とは協調できるとしていました。米英はドイツへの過激なまでの制裁に反対し、ドイツの賠償金支払額を段階的に縮小する案を提示していました。
 ですがフランス、そしてルール占領に参加したベルギーに対してはどうしたかと言えば……
ベルギーは中立宣言をしたにもかかわらず、ドイツ軍に侵攻されて占領され、フランスも僅か八週間でドイツ軍に蹂躙されました。
 この両国は敗戦国を永遠に敗戦国の地位に貶めておこうと無茶をしすぎた結果、見事なまでに報復され、国が滅亡する瀬戸際にまで置かれてしまったわけです。因果応報とはこのような事を言うのでしょう。

 第二次大戦の結果、欧州諸国は 「敗者を叩きすぎれば、それは次の戦争を呼ぶ」 という教訓を得ました。敗者にも手を差し伸べ、彼らが立ち上がれるよう助けてやり、しかる後は名誉ある地位を与え、同格に取り扱う。ソ連および共産圏と言う新たな強敵の存在あってこそ上手く言った方針ともいえますが、今ではドイツはEUの主要メンバーであり、強いドイツは欧州の守護者として相応しい存在であると歓迎されています。

 では、日本はどうかと言うと、主に戦った相手であるアメリカや、東南アジアからはそれなりの扱いを受けています。それには日本の起こした戦争が独立のために良い影響を与えた、としている多くの東南アジア諸国の考えや、戦後復興の苦しい最中に、誠実に賠償金を支払い、あるいはODAと言う形で独立後の国づくりを援助しつづけた日本の地道な努力があります。

 また、日本を叩いてみて占領して、初めて大陸アジアにコミットするための同盟相手として日本が欠かせない存在である、と言うことに気づいたアメリカの思惑もありましたが、ともかく日本が敗戦国家だった事を良い事に、何をしても構わないと思っているような国はありません。
中朝韓をのぞいて。

 日本を国際社会の一員として扱い、対等の国家としている他の国々に対し、 アジアにおける覇権を握る事しか頭に無い 中国と、 その尻馬に乗ろうとしている 韓国・北朝鮮にとっては、日本は永遠に敗戦国であり、歴史問題で叩けば唯々諾々と頭を下げ、金を払い続けるサンドバッグ兼キャッシュディスペンサーであり続ける事しか望んでいません。

度を越した彼らの反日の異常さに気付き、 叩かれつづける立場からの脱却を図っています。さすがに大戦間期のドイツのように、中朝韓に報復しようとまでは言っていませんが、もはや中朝韓の言いなりで良いと考えている人はほとんどいません。多くの問題がありつつも、小泉首相に一定の支持が集まるのはそうした理由によるものでしょう。

 中朝韓が「敵は永遠に敵にしておこう」と言う、 1940年に既に破綻した考え を捨てない限り、真の友好が得られるとは思えません。私は中朝韓こそ歴史に、特にドイツとフランスの歴史に習い、無意味な日本敵視政策を捨てる事を望みます。





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Last updated  2006.04.30 14:39:14 コメント(4) | コメントを書く


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