全71件 (71件中 51-71件目)
60代女性、左上5、隣接面カリエス、自覚症状なし歯ぎしり、食いしばり、硬いものが好きなどの歯に過大な咬合力が長年続くと歯にクラック(ヒビ)が入り、そこから虫歯になる。そして最悪破折する。まだ沁みたりとかはないが、随分以前から虫歯はできていて硫酸塩還元細菌の生息場所になっていた様で、その細菌の代謝産物の黒色物質:FeS(硫化鉄)で覆われている。このFeSで覆われている虫歯は進行が遅い。なぜならFeSは歯質の内外に流れるイオン(水素イオン)の伝導を阻害するからだ。黒い虫歯は進行が遅いと経験的に歯科医師は知っているがその理由は知らない。虫歯の原因は金属のサビと同じカテゴリーに属している電気化学反応で、これを当サイトでは「虫歯の電気化学説」とよんでいる。では時系列でどうぞ左上6には補強冠を入れて破折を防いでいる。黒い部分がFeSに覆われているところ。充填にはストリップスを使用した。
2023/05/19
コメント(0)
50代女性、左上5、歯冠破折スルメは大好きだし、飴玉はかじる。。歯には最悪で、いつかは破折する。今回は歯肉縁下とは言え、完全に縦に割れているわけではなかったので、抜歯は免れた。感染根管処置の後は歯冠修復して補強冠の型取りをした。では時系列でどうぞ補強冠を入れるが、調子に乗って、また硬いものを食べて再破折するのが目に見えている。。
2023/05/16
コメント(0)
9歳男子、左下6、隣接面カリエス、咬合性外傷(歯ぎしり)カリエスリスクは非常に高く、唾液検査でもミュータンス菌、ラクトバチュラス、唾液量、唾液の緩衝能、飲食の回数、歯磨き等、全ての数値が悪い。しかも歯ぎしりが酷いらしい。まだ萌出して3年しか経っていないのに、こんなことになっている。将来的には虫歯の治療を繰り返しながら歯を喪失していくタイプだ。とりあえず父母に重曹うがいの仕方を伝えた。隣接面の虫歯は最初のきっかけは外傷性にクラックが入ることだと思われる。そこから急速に虫歯が広がっていく。虫歯の様子を少しずつ削りながらアニメーション風に見れるように画像をたくさんアップしてみた。あとはα-TCPと3MIXで覆とうしてCRで充填した。ついでに他院でのCRも再治療している。右上2の隣接面カリエスも内部に広がっている。早期に差し歯になってしまう可能性が高い。
2023/05/03
コメント(0)
20代男性、上顎左右6食いしばりがあると思われる症例で、5年前のことだがCR充填で終わっている。咬合面に挫滅面やクラックがある。その後どうなりましたかね?その後自撮り画像を送ってこられたので、5年前と比較してみます。欠けと接着剥がれが起こっているようで、歯質とCRの接合面の隙間から硫酸塩還元細菌が侵入しているようでその細菌の代謝産物である硫化鉄:FeS(黒色物質)が見える。before(5年前)after(現在)治療方針は、黒くなっている部分のCRだけを帯状に除去し、新鮮歯質を確保した上で、再度CRで充填するだけだ。CRを全部除去する必要はないと思う。この程度なら内部のα-TCPセメントは健在だろうし、FeSは多少残っていても問題ではない。
2023/04/22
コメント(0)
20代男性、上顎左右6食いしばりがあると思われる症例で、5年前のことだがCR充填で終わっている。咬合面に挫滅面やクラックがある。その後どうなりましたかね?では左上6からどうぞ右上6
2023/04/17
コメント(0)
11歳女子、左下6、隣接面カリエス、外傷性咬合実は隣接面カリエスがなぜできやすいのか?ということはよく分かっていない。一般にはよく磨けていないので、プラークが残っていて酸性に傾きやすいので、酸で歯が溶けるのでは?ということになっている。ここで提唱している「虫歯の電気化学説」ではそれだけではない、相対的に酸素濃度が低いところが虫歯になりやすいということがある。これを工業分野では酸素濃度差腐食と呼んだりしている。また隣接面は隣の歯と最も近いところという意味であり、電気の通り道となる。歯(ハイドロキシアパタイト)は水素イオン(プロトン)電導性セラミックスなので、プロトンが通りやすいところが虫歯になりやすいと言える。プロトンがハイドロキシアパタイトの構成物質のカルシウムから電子を奪ってハイドロキシアパタイトの結晶構造が崩壊する。これが虫歯だ。この子はバスケットボールをやっていて、よく歯を食いしばってプレーしているらしい。これは一部で言われていることなのだが、歯をくいしばると、歯も多少はゴムまりのようにたわみ、隣接歯と押し合って接触部分に応力がかかる。これで大小のクラックが入り、そこから虫歯になりやすいと。「虫歯の電気化学説」ではクラックの内外の酸素濃度差から酸素濃度差腐食が起こりやすい。クラックの内外の酸素濃度差だけではなく、同じ一本の歯でも酸素濃度差があれば2つの電極ができる。腐食電極になった方が溶ける。今回の画像ではクラックが比較的良く見えるのでご紹介しておきたい。手前の乳歯が抜けて新しい永久歯が萌え揃う前に虫歯の治療をしておこうということになった。虫歯の表面の着色部分を少し削ってみると、脱灰して白くなっているエナメル質をの中にひときわ溶けている部分が見える。これはクラック部分が見えている。拡大してみると、クラック部分から虫歯が広がっていることがわかる。よく見ると茶色に見える象牙質にもクラックが見えるのだが、このままα-TCPセメントで覆とうすれば再硬化するCR充填した。
2023/04/06
コメント(0)
50代女性、上顎両側7番、歯牙破折歯ぎしり、食いしばり等のブラキシズムや硬いもの、歯ごたえのあるものが好きな方の一見して分かる特徴として、歯がすり減っていて、先端がフラットになっている。歯に縦横多数のクラック(ヒビ)が走っている歯茎部に虫歯ができやすくCR充填がされている。隣接面カリエスも多数見られる。骨隆起が発達している。下顎の舌側、外側の歯根部分に着目してほしい。などがあるので、気になる方は鏡でチェックすると良い。最悪の場合、歯牙が破折する。前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202211120000/上顎の両側の7番がこの1年ほどの間に次々に折れた。この歯もそうなのだが、食事中にぽろっと取れたということだ。一般に7番の調整は少し6番より低めに調整した方が良い。6番は45番よりちょっとだけ低く。咬合すると最初に当たるのは45番でさらに噛み込むと67番の順で当たってくる。調整時にこの事を配慮しないと7番が壊れやすい。咬合性外傷がある方はなおさらの事だ。残根というのは抜歯の病名で、保存は不可能だという事を示している。ま、絶対ではないが、歯根の上縁が歯肉縁下だと型取りして土台なり冠を作ることができないのが保存不可能につき抜歯を宣告される理由だ。これら2つの残根も近所の歯科医院で抜歯を宣告された。今日は前回の引き続き左上7番の処置なんだが、保存は可能だ。この歯は1年ほど前に取れたということで、小峰先生のところでこれ以上悪くならないようにとドッグスベストセメントでカバーしてもらったそうだ。レントゲン写真と実像写真を見ていただけると分かるのだが、根尖病巣だけではなくフィステルができていて常に排膿している。要するにこのまま歯冠を作って噛ませるのは難しいと思われるわけだ。歯根は3本あったはずだが、1本失われていて、2本しかない。とりあえず根管治療をしてCRでカバーした。フィステル等が治らなければ抜歯再植になる。しばらく経過観察することにした。届くところまでエンドチップで洗浄してα-TCPセメントの2回法で根管充填CRでカバーして経過観察。排膿しているフィステルが消えればOK。消えなければ抜歯・再植となる。
2022/11/13
コメント(1)
50代女性、上顎両側7番、歯牙破折歯ぎしり、食いしばり等のブラキシズムや硬いもの、歯ごたえのあるものが好きな方の一見して分かる特徴として、歯がすり減っていて、先端がフラットになっている。歯に縦横多数のクラック(ヒビ)が走っている歯茎部に虫歯ができやすくCR充填がされている。隣接面カリエスも多数見られる。骨隆起が発達している。下顎の舌側、外側の歯根部分に着目してほしい。などがあるので、気になる方は鏡でチェックすると良い。最悪の場合、歯牙が破折する。前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202211110000/上顎の両側の7番がこの1年ほどの間に次々に折れた。この歯もそうなのだが、食事中にぽろっと取れたということだ。一般に7番の調整は少し6番より低めに調整した方が良い。6番は45番よりちょっとだけ低く。咬合すると最初に当たるのは45番でさらに噛み込むと67番の順で当たってくる。調整時にこの事を配慮しないと7番が壊れやすい。咬合性外傷がある方はなおさらの事だ。残根というのは抜歯の病名で、保存は不可能だという事を示している。ま、絶対ではないが、歯根の上縁が歯肉縁下だと型取りして土台なり冠を作ることができないのが保存不可能につき抜歯を宣告される理由だ。これら2つの残根も近所の歯科医院で抜歯を宣告された。見てみると歯肉に覆われているので、虫歯を除去して電気メスで歯肉を除去してみた。歯肉縁下2〜3mm程度なので、血液や滲出液が押し寄せる前にCRで埋めてしまえるのなら保存は可能だ。早業が要求されるので、助手を含め現場は焦りまくって処置をすることになるw歯冠を型取りして作る時間的・コスト的な余裕が双方にないので、口腔内で一挙に歯冠まで再建した。咬合性外傷のある方は特にそうだが、また破折する、脱離する可能性は高い。なるべく咬合面の面積は少なくし、1つ手前の6番と接着固定するしかないと判断した。では時系列でどうぞ1つ手前の6番にも2次カリエスがあるのが見えるミラーが写らないように配慮する余裕がないw1次CR6番との連結固定はスーパー◯ンドで別途行う。6番はそのうち再治療が必要になるだろうが、その際67番は補強連冠で固定した方が良いと思う。
2022/11/12
コメント(0)
50代女性、上顎両側7番、歯牙破折歯ぎしり、食いしばり等のブラキシズムや硬いもの、歯ごたえのあるものが好きな方の一見して分かる特徴として、歯がすり減っていて、先端がフラットになっている。歯に縦横多数のクラック(ヒビ)が走っている歯茎部に虫歯ができやすくCR充填がされている。隣接面カリエスも多数見られる。骨隆起が発達している。下顎の舌側、外側の歯根部分に着目してほしい。などがあるので、気になる方は鏡でチェックすると良い。最悪の場合、歯牙が破折する。以下5枚法の画像をアップしてみる。次回は主訴の上顎両側7番をどうしたか?の画像をアップする予定だ。
2022/11/11
コメント(0)
開口(オープンバイト)というのは先天的な生まれつきのものだと思われている向きが多いのだが、後天性のものもかなり多い。開口がなぜ問題になるのかというと、一番奥の歯しか当たらないことが多く、咀嚼効率が落ちるだけではなく、当たっている奥歯が外傷性に破折したりグラグラになって抜けてしまうことが多いからだ。最初の症例はうつ伏せ、横向き寝により頭の重さが歯列にかかり歯列が狭くなって、前歯がフレアアウトしてしまうことによるものだ。頬杖の癖があるということもある。2番目の症例は、ナイトガードを入れたは良いが、ナイトガードを噛み締めすぎて、最後臼歯を支点にして、顎関節円板が圧縮され関節腔が狭くなってしまったことによる。前回のつづきhttps://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202210040000/今日は2番目のナイトガードを漫然と使って開口にになってしまった症例だ。通常、顔面を横から見たテコを考えると、顎関節が支点になって力点が咬筋の付着部と下顎筋突起からのベクトル合成になるが、下顎最後臼歯が力点よりも後ろにあれば開口にはならない。しかし前にあると開口になることは容易に想像できると思う。支点が下顎最後臼歯になるし、作用点が顎関節になるからだ。矯正のセファロ診断では持って回った言い方をするが、ベクトルとか慣性モーメントを考える方が解りやすいはずだ。関節円板が圧縮されて薄くなり、その分開口になる。これは先天性の開口も同じことだと思われ、顎関節症をこじらせる、つまり関節円板が後方もしくは前方に脱出して元に戻らなくなった場合も同じだ。まずは右下のレントゲン写真で、外傷性の歯周炎で右下7がグラグラになり、連結補強冠で歯列固定して持ち直したところだ。以下が初診時で、次がナイトガード装着した1ヶ月後。開口が始まっている。2020/09/012020/10/051年半後、完全な開口で7番以外は当たっていない。とても怖いのだが、ナイトガードを装着しないようにと伝えた。2022/04/18この手の開口を治すにはナイトガードを外すしかないのだが、歯が抜けるか、開口が治るか、どちらが先か!?
2022/10/04
コメント(5)
開口(オープンバイト)というのは先天的な生まれつきのものだと思われている向きが多いのだが、後天性のものもかなり多い。開口がなぜ問題になるのかというと、一番奥の歯しか当たらないことが多く、咀嚼効率が落ちるだけではなく、当たっている奥歯が外傷性に破折したりグラグラになって抜けてしまうことが多いからだ。最初の症例はうつ伏せ、横向き寝により頭の重さが歯列にかかり歯列が狭くなって、前歯がフレアアウトしてしまうことによるものだ。頬杖の癖があるということもある。2番目の症例は、ナイトガードを入れたは良いが、ナイトガードを噛み締めすぎて、最後臼歯を支点にして、顎関節円板が圧縮され関節腔が狭くなってしまったことによる。前者が数年かかって開口になるところが、後者は数ヶ月で開口になってしまう。これは先天性の原因に近いものがある。では最初の症例から時系列でどうぞ・・と言いながら寝落ちしてしまった。で、次の朝。どうも睡眠時無呼吸になってしまったようだ。朝から眠いはずだ。。それはまたこんど。寝相等の「態癖」によるもので、数年にわたる画像を撮っていると気がついた。当時20代男性、うつ伏せ寝でないと落ち着かないという話だった。2006/03/08ん?2006/12/06あっ!2007/12/26お〜!!一時仰向けで寝るように指示を出した時は治る傾向だったが、やはりうつ伏せでないと不安で眠れないということで戻った。2018/07/27つづくエラーが発生しました。再度お試しください。
2022/10/04
コメント(0)
60代女性、左上4、歯冠破折、自発痛ー元々若い頃から歯ぎしりがひどかったということで、この歯にも長年の咬合性外傷によるクラックがあったのだろう。野菜を食べていたら突然割れた。しかし幸い露髄(神経が露出している)しなかったようだ。このまま歯冠再建することにした、歯肉縁下3mmはあるので、再建に邪魔になる歯肉は麻酔下で電気メスで切除した。後は普通に3MI◯+α-TCPセメントで覆ってCRで歯冠再建した。その後は再破折を防ぐために補強冠を作った。しかし今回割れた横方向だけではなく、縦方向にもクラックがあるので、将来的には縦方向にも破折する可能性は十分にある。では時系列でどうぞパクパクしている破折片を除去したところ電気メスで歯肉を除去して再建するためのマージンを明確にする。破折して1ヶ月以上経つので、次亜塩素酸で綺麗にした後もディンプルを付与しながら歯質の新鮮面を確保する。3MI◯+α-TCPセメント1次CR多重積層法を用いる多重積層法で歯冠再建補強冠を入れる。これがないと長期の維持はできない。なぜ、4/5冠も若くはフルクラウンにしないのか?という疑問を持つと思う歯科医師諸君もいるかと思うのだが、どうだろうか?何度も補強冠が壊れるとしたら、この方がそのような食生活を送っているかということも分かるし、今後どうなっていくかという方向性も分かるというものだ。そうなればそれなりの対策も打てるというものだ。いきなりフルクラウンにしてしまうと、次回は抜歯になってしまうかもしれない。
2022/10/01
コメント(0)
70代男性、左上4、咬合性外傷による虫歯歯ぎしりがひどく、虫歯というより破折というか、挫滅に近い状態になっている。補強冠は引っ張り応力に強いので、咬合性外傷力により、補強冠の下部に応力が集中する。補強冠を入れていない天然歯の場合は象牙質とエナメル質の境界部分つまり歯茎部に応力が集中する。歯茎部より下は歯槽骨に覆われているので、やはり歯茎部に2重に応力が集中する。通常の冠でも歯茎部に応力が集中するのは同じになる。2つ以上の異なる物質の接合部付近にはヤング率の違いにより撓み量が異なり、撓みが大きい部分に応力腐食割れが生じることになる。この症例では歯冠長の半分くらいは内部崩壊している。では修復過程を時系列でどうぞ
2022/05/16
コメント(1)
50代女性、左上4、インレー2次カリエス前回左上7のCR再建でご紹介した方の続きだ。https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/202201250000/左上4内部も怪しいクラックが入っている。黄色の矢印だ。将来的にはここから割れるということだ。隣の5番は神経の治療を受けているが、CKは脱離している。それはα-TCPセメントで仮封して次回に備える。左上4の歯髄は生きているようだが、よく分からない。そんなことはどうでも良いのだ。そのままα-TCPセメントで覆罩してCRで再建した。では時系列でどうぞ
2022/01/29
コメント(0)
50代女性、左下7、歯牙破折硬いカリントウを食べたら歯が折れた。この方も咬合性外傷の持ち主で、以前から咬合痛や冷水痛を訴えられておられた。この歯も外傷性の歯髄炎で神経の治療をしている。外傷性の歯髄炎とは歯髄梗塞によるものだ。外傷力によって生じた血栓が歯髄塞栓症を起こし、歯髄が炎症、壊死する。この機序はまだ誰も言い出していない。ここだけのものだ。破折した歯冠には補強冠を装着しているが、間に合わなっかったようだ。応力は歯茎部に集中するので、フルクラウンにしてもあまり変わらないと思う。むしろポストコアにすると縦に割れてしまいより厄介なことになる。破折した歯牙を見ると、少し前からクラックから虫歯になり始めていたようだ(楕円部分)。疲労は蓄積する。歯根は残根化しており、歯肉が被ってきていたので電気メスで除去した。歯根面にもクラックは見られ(矢印)、さらに破折する可能性がある。CRでの補強効果に期待するしかない。CRコアはピンレッジド・ラウンドコアにして咬合力が歯の中心部に向かうように配慮した。こうするのが圧縮応力に強い歯牙には最適なコア形状だ。
2022/01/28
コメント(2)
40代女性、右上7、2次カリエス普通は治療不能につき抜歯症例だ。歯根にクラックが入っており、そもそも歯肉縁下のカリエスではラバーダムどころか根管口も探せないので根管治療もできなければコアを立てることもできないからだ。咬合性外傷の持ち主で2次カリエスになりやすい。さらに歯質と歯科用合金の金パラや金合金とはイオン化傾向が大きく違うので、あっという間に歯が溶ける。ブリッジの後ろ半分を除去してみると、歯肉ポリープに覆われていた。覆われていると虫歯は進行しにくい。水素イオンが歯質のカルシウムから電子を奪う前にポリープに吸収されてしまうからだ。このような現象があることは歯科医師は経験的には知ってはいるが、理論的には解らない。しかし虫歯の電気化学説では説明は可能だ。では時系列でどうぞα-TCP:ナノHAは根管治療の必要はない。勝手に根管は埋まってしまう。多少のクラックも埋まる。こんなすごいものを使わない手はないのだが、製造中止だw
2022/01/27
コメント(2)
しばらく咬合性外傷の症例が続きそう。非常に多いと思う。70代男性、左下7、自発痛+若い頃から、歯ぎしり、食いしばり、硬いものが大好き。最近はやっていないとおっしゃるが。。長年教育界で働き、そのトップも務められた。ストレスも溜まるのだろうか。。ものすごい骨隆起と磨耗咬耗がひどい。メタルスプリントを入れてなんとかしのいでいたが、左下7が痛くなった。応力腐食割れというべきなのだろうか?ひどい2次カリエスというべきなのだろうか?開けてみると広範囲に虫歯になっている。露髄しているのかもしれないが、3MIX+α-TCPセメントで覆髄?してCRで修復した。ああ、楽になった。。とおっしゃる。この方法には即効性がある。
2022/01/26
コメント(0)
40代女性、右上6、歯根面カリエスこの方、開口という外傷性咬合の持ち主だ。開口というのはどういうものかというと、前歯が噛んでいなくて、大臼歯だけが噛んでいる。というか奥歯に行くほどアタリが強い噛み合わせになっている咬合形式のことだ。何が悪いかというと、奥歯しか噛まないので、歯が壊れるのだ。特に歯ぎしりや食いしばり等の咬合性外傷がなくても歯が壊れていく。アタリが強い奥歯から壊れていき最後は総義歯になってしまう可能性が高い。結構見かけるのだが、なぜこんなことになってしまったのか分からないことが多い。まず、顎変形症と称される先天的なもの。これを直すには歯列矯正を伴う顎の整形術になる。そして後天的なものもあって、下顎後退を伴うことが多い。この原因は、うつぶせ寝、食いしばり、頬杖等の態癖の問題によって下顎が後退し、さらに上顎歯列弓が狭くなることによりますます下顎後退位でないと噛めないという悪循環に陥る。この方の場合もこのケースかと思われるので、上顎歯列の拡大装置を装着してもらい下顎前方位で噛む癖をつけてもらうことにしている。下顎後退を伴わないケースでは親知らずが萌えてきて(生えてきて)、歯列弓が狭くなり、前歯部が前方に押し出されて開口になることがある。これは親知らずの抜歯により解決することが多い。また下顎後退位になる原因に顎関節内の関節円板が前方に脱出したまま戻らないことによるケースも見たことがある。これは顎関節症の1症状ではあるのだが、開口度には問題ない場合には自分でも顎関節に問題があることに気がつかないことがある。関節円板は軟組織なので通常のレントゲン写真には写らないので造影検査かMRIでの診断になる。この治療は顎関節症の治療と同じでスプリントを使った整復術か、奏功しない場合は手術しか無くなる。上顎拡大装置が奏功しない場合は全額ブラケット装着、上下顎間ゴムによる矯正治療しか直す方法はない。しかし、態癖が治らない場合は再発する。押し並べて、開口の原因を一言で表現すると、上下の歯列(歯の長径の合計)が顎骨の大きさよりも大きいというアンバランスに落ちいっているjと言っても良い。微妙なこれらのアンバランスがあっても正常咬合になっている場合もあるが、7番が壊れるまたは低位になるケースに出会うことがあり、これを隠れ開口とよんでいる。この方は開口だけではなく、食いしばりもあるので、咬合性外傷による歯根膜炎で苦しんでおられたがそれはナイトガード装着で落ち着いている。右上6番に歯肉縁下の歯質の欠如というか崩壊も開口に加えて咬合性外傷によるものと思われる。この手のCR充填による修復は歯肉の切除に伴う出血により困難を極める。では時系列でどうぞ
2021/11/24
コメント(0)
40代女性、左上6、歯牙破折、温冷水痛++咬合性外傷(歯ぎしりや食いしばり、硬いものが好き)により歯を噛み割ってしまう人は多い。補強冠を入れて離断を先延ばししているが、いつかは神経が死んでしまい、離断して抜歯になってしまう。それをなんとか回避できるように補強冠やクラックをα-TCPセメントで修復することをしている。クラックが自然に埋まって治ることがある。では時系列でどうぞP.S. でもこの症例は間に合わなかった気がする。続きを見つけたらアップ予定
2021/09/23
コメント(0)
40代男性、左下765、外傷性咬合、 知覚過敏、歯茎部カリエス、2次カリエス全顎的に冷たいものがしみるということで診てみたが、臼歯部にはクラックが多数あり、咬合面にも挫滅痕がある。舌側面にも歯型が付いているなど、典型的な外傷性咬合の所見が見える。拡大してみると、遠心にはすでにCR充填されており、そこに向かって古い着色したクラックが伸びている。新しい虫歯(虫歯の電気化学説では応力腐食割れの一形態と思われる)にもクラックが伸びているように見える。クラックの存在と歯茎部カリエスの出現は高確率で一致する。それも当然だろう、共に外傷性咬合が原因の繰り返される応力の集中によるものだからだ。虫歯部分は接着性を維持できる程度に最小限取り除き、軟化象牙質が残っている部分はα-TCPセメントで覆罩する。このセメントは歯質と同じ成分のハイドロキシアパタイトなので、軟化象牙質の再硬化と辺縁封鎖が破れた時に代わりに溶けてくれる腐食工学で言うところのカソード防食を兼ねている。CRで削ったところを充填するというよりカバーすると良い。左下65歯茎部は洗浄だけで削らずにCRでカバーした。つづく
2019/12/31
コメント(0)
10歳女子、主訴は左下6の頬側面溝カリエスと右上6の隣接面カリエスこれはダイアグノデント値18で30未満なので、重曹うがいだけで何もしないでも良いと思うが、こちらはDD59と高く、実質欠損がある。5番が萌えてきたら進行する可能性が高いのでカバーだけでもした方が良いと思うが、問題なのは、こちらだ。拝見するとギョッとする。他院で歯列矯正治療中なのだが、後天性というか矯正治療による開口なのだろうと思われる。担当医によれば、これは自然に治る?そうだが、どうだろうか?ちょっと無理っぽい。問題は開口による外傷性のクラックや虫歯だ。左下6の咬合面を拡大してみると、この歯だけが当たるので、クラックが入っている。長い目で見ると破折する危険性がある。右上6の隣接面を拡大してコントラストを強調すると虫歯に向かってクラックが見えるような気がする。典型的な外傷性の虫歯だ。将来大きな虫歯に発展?する可能性が大きい。画像を拡大してじっくり分析することにより、裸眼はもちろんルーペで見るよりも拡大率は高いので、隣接面カリエスが外傷性だということも特定できる。
2019/12/26
コメント(0)
全71件 (71件中 51-71件目)