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40代女性、右上6、歯根面カリエスこの方、開口という外傷性咬合の持ち主だ。開口というのはどういうものかというと、前歯が噛んでいなくて、大臼歯だけが噛んでいる。というか奥歯に行くほどアタリが強い噛み合わせになっている咬合形式のことだ。何が悪いかというと、奥歯しか噛まないので、歯が壊れるのだ。特に歯ぎしりや食いしばり等の咬合性外傷がなくても歯が壊れていく。アタリが強い奥歯から壊れていき最後は総義歯になってしまう可能性が高い。結構見かけるのだが、なぜこんなことになってしまったのか分からないことが多い。まず、顎変形症と称される先天的なもの。これを直すには歯列矯正を伴う顎の整形術になる。そして後天的なものもあって、下顎後退を伴うことが多い。この原因は、うつぶせ寝、食いしばり、頬杖等の態癖の問題によって下顎が後退し、さらに上顎歯列弓が狭くなることによりますます下顎後退位でないと噛めないという悪循環に陥る。この方の場合もこのケースかと思われるので、上顎歯列の拡大装置を装着してもらい下顎前方位で噛む癖をつけてもらうことにしている。下顎後退を伴わないケースでは親知らずが萌えてきて(生えてきて)、歯列弓が狭くなり、前歯部が前方に押し出されて開口になることがある。これは親知らずの抜歯により解決することが多い。また下顎後退位になる原因に顎関節内の関節円板が前方に脱出したまま戻らないことによるケースも見たことがある。これは顎関節症の1症状ではあるのだが、開口度には問題ない場合には自分でも顎関節に問題があることに気がつかないことがある。関節円板は軟組織なので通常のレントゲン写真には写らないので造影検査かMRIでの診断になる。この治療は顎関節症の治療と同じでスプリントを使った整復術か、奏功しない場合は手術しか無くなる。上顎拡大装置が奏功しない場合は全額ブラケット装着、上下顎間ゴムによる矯正治療しか直す方法はない。しかし、態癖が治らない場合は再発する。押し並べて、開口の原因を一言で表現すると、上下の歯列(歯の長径の合計)が顎骨の大きさよりも大きいというアンバランスに落ちいっているjと言っても良い。微妙なこれらのアンバランスがあっても正常咬合になっている場合もあるが、7番が壊れるまたは低位になるケースに出会うことがあり、これを隠れ開口とよんでいる。この方は開口だけではなく、食いしばりもあるので、咬合性外傷による歯根膜炎で苦しんでおられたがそれはナイトガード装着で落ち着いている。右上6番に歯肉縁下の歯質の欠如というか崩壊も開口に加えて咬合性外傷によるものと思われる。この手のCR充填による修復は歯肉の切除に伴う出血により困難を極める。では時系列でどうぞ
2021/11/24
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40代女性、左上6、歯牙破折、温冷水痛++咬合性外傷(歯ぎしりや食いしばり、硬いものが好き)により歯を噛み割ってしまう人は多い。補強冠を入れて離断を先延ばししているが、いつかは神経が死んでしまい、離断して抜歯になってしまう。それをなんとか回避できるように補強冠やクラックをα-TCPセメントで修復することをしている。クラックが自然に埋まって治ることがある。では時系列でどうぞP.S. でもこの症例は間に合わなかった気がする。続きを見つけたらアップ予定
2021/09/23
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40代男性、左下765、外傷性咬合、 知覚過敏、歯茎部カリエス、2次カリエス全顎的に冷たいものがしみるということで診てみたが、臼歯部にはクラックが多数あり、咬合面にも挫滅痕がある。舌側面にも歯型が付いているなど、典型的な外傷性咬合の所見が見える。拡大してみると、遠心にはすでにCR充填されており、そこに向かって古い着色したクラックが伸びている。新しい虫歯(虫歯の電気化学説では応力腐食割れの一形態と思われる)にもクラックが伸びているように見える。クラックの存在と歯茎部カリエスの出現は高確率で一致する。それも当然だろう、共に外傷性咬合が原因の繰り返される応力の集中によるものだからだ。虫歯部分は接着性を維持できる程度に最小限取り除き、軟化象牙質が残っている部分はα-TCPセメントで覆罩する。このセメントは歯質と同じ成分のハイドロキシアパタイトなので、軟化象牙質の再硬化と辺縁封鎖が破れた時に代わりに溶けてくれる腐食工学で言うところのカソード防食を兼ねている。CRで削ったところを充填するというよりカバーすると良い。左下65歯茎部は洗浄だけで削らずにCRでカバーした。つづく
2019/12/31
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10歳女子、主訴は左下6の頬側面溝カリエスと右上6の隣接面カリエスこれはダイアグノデント値18で30未満なので、重曹うがいだけで何もしないでも良いと思うが、こちらはDD59と高く、実質欠損がある。5番が萌えてきたら進行する可能性が高いのでカバーだけでもした方が良いと思うが、問題なのは、こちらだ。拝見するとギョッとする。他院で歯列矯正治療中なのだが、後天性というか矯正治療による開口なのだろうと思われる。担当医によれば、これは自然に治る?そうだが、どうだろうか?ちょっと無理っぽい。問題は開口による外傷性のクラックや虫歯だ。左下6の咬合面を拡大してみると、この歯だけが当たるので、クラックが入っている。長い目で見ると破折する危険性がある。右上6の隣接面を拡大してコントラストを強調すると虫歯に向かってクラックが見えるような気がする。典型的な外傷性の虫歯だ。将来大きな虫歯に発展?する可能性が大きい。画像を拡大してじっくり分析することにより、裸眼はもちろんルーペで見るよりも拡大率は高いので、隣接面カリエスが外傷性だということも特定できる。
2019/12/26
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