まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2021.09.04
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細田守の「竜とそばかすの姫」に登場するアバターは、
従来のイメージとはかなり違っています。

その最大の特徴は、

それを仮想空間にアップロードする
 …ということ。

しかし、細田守は、
そのことの意味を極限まで突き詰めていないように見える。



従来のボディシェアリングは
たんに仮想空間の身体(アバター)を所有するということです。


「竜とそばかすの姫」におけるボディシェアの技術では、
まず自分の現実の身体(生体情報)を、
仮想空間にアップロードする、ということになっている。

ヴァーチャルに再構成されたアバターとしての身体は、
生身の体と連動した状態にも出来るでしょうが、

理論的には、
本体から切り離して一人歩きさせることも出来るし、
不特定多数の人々に共有させることも出来るはずです。

ちなみに、
スキャンされる「生体情報」とは、
たんに身体の姿形だけでなく、

そして動作や思考や感情のパターンも含むはずです。



おそらく、
そうした生体情報は「商品」になって、
需要に応じて無限に複製されるでしょうし、


人々は、
他人の身体や、恋人の身体や、
アイドルの身体や、死者の身体や、
自分の過去の身体や、さらには未来の身体までも、
自由に所有し、書き換え、体験し尽くすことが出来る。

身体的な経験の比重が仮想空間のほうに傾き、
自分自身のバリエーションが無限に拡散し、
それが不特定多数の人々に共有されていくなかで、
もはや本物と偽物の区別など意味をなさなくなり、

本物の意味がなくなれば、
そのプライバシーや匿名性を守ることの意味も消失するはずです。

それが、
生体情報を共有しあうボディシェアの究極の世界だと思います。





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最終更新日  2021.09.07 12:58:23


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