まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2024.05.10
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舞台「千と千尋の神隠し」ロンドン公演には、


それは以下の3点です。

1.RSC版「トトロ」の成功
2.ミヤザキ・ハヤオの知名度
3.ジョン・ケアードの知名度


のみならずジョン・ケアードには、
失敗させないための周到な戦略もあったはず。
それは、おそらく以下の3点です。

1.ストレートプレイにする
2.大掛かりな舞台装置を用いる
3.子供の世界を題材にする


ともかくは、こうした戦略によって、
日本語演劇でも英語字幕で上演できることを証明した。
その意味は大きいと思います。



ジョン・ケアードが、
今回の「千尋」をミュージカルにしなかったのは、
早い話、日本人の歌が下手だからです。
さすがに海外では通用しませんから。

かりに韓国人の歌手だったら、
欧米でも通用するかもしれませんが、
日本人は身体的な資質に劣るし、筋力に差があります。
ミュージカルを輸出するとなれば、
キャストをすべて現地の歌手に入れ替えねばならない。

もちろん民謡や演歌にまで目を向ければ、
日本にも世界を圧倒できる歌い手は存在するはずだし、


現状、ミュージカルの分野で、
世界を圧倒できる歌手を揃えるのは不可能です。



しかも、今回の舞台は、
大掛かりな装置やパペットなどを用いる作品であり、


そのうえ「千と千尋」は子供の世界です。
ヒロインを演じるのは小柄な体格の女優だけど、
それは子供の世界こそが日本人キャストに適してるからです。

もちろん、過去には、
寺山修二や蜷川幸雄のような舞台も海外で成功してるのだから、
《仕掛けを駆使したストレートプレイで子供の世界を見せる》
というだけが成功要件じゃないと思うけど、

日本人キャストの舞台輸出を目指したジョン・ケアードが、
欧米での客層開拓と支持基盤構築のために、
もっとも確実な戦略と判断したのがこの手法であり、
消去法から導き出した最適解だったのでしょうね。




いずれにせよ、
今回の「千尋」の成功を舞台輸出の足がかりにするには、
やはり綿密なマーケティングが必要です。

ジョン・ケアードのように、
「海外の観客にどう見えるか」を熟知する必要があるし、
プロデュースと演出の両面からそれを考えねばならない。


ちなみに余談ですが、
韓国では「ベルばら」をミュージカルにするらしい。

…といっても、
男性キャストも出演するとのことで、
宝塚のように女だけで繰り広げる世界ではありません。

宝塚みたいな《百合的》な世界を受け入れてもらうには、
萩尾望都や竹宮惠子のような高度な日本の少女漫画を、
もっと海外のマンガ市場に向けて発信しなければなりません。

東宝は、
そういうメディアミックスも視野に入れて、
今後の海外展開を考えていくべきだろうと思います。




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最終更新日  2024.05.10 13:17:43


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