行こか戻ろかイギリス生活

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2005年05月21日

イギリスは今空前の４X4(四輪駆動車、「Four by four」と呼ぶ)ブームとみた。去年・一昨年あたりは右を見ても左を向いてもプージョ203が走っていたものだが、今年に入ってもう、この不必要にでかい車(Rav4等の日本車が多い。これは嬉しい)があっちこっちから出てきやがって、視界が悪い事この上ない。

傾向としては、どうやら小さい子供をもつ30・40歳台の小金持ち系が家族で移動する時に乗る車として次々に買っているようだ。で、(私にとっての)最大の問題は、こういう家族でのドライブの場合、夫婦の奥さんの方、あの最悪の集中力と自分中心の身勝手さで悪名高いイギリス人女性ドライバーがハンドルを握るケースがほとんどという点にある。(典型的なタイプとしては、髪をブロンド系に染め肩で切りそろえる程度の長さ、皮の半コート(皮のベルトつき)を羽織ってベージュのパンツをはいている。食べ物に気を使っているのか、肥満している人はほとんどいない。)

この奥様方、家族と気ままにおしゃべりを楽しみながら、あっちにフラフラ、こっちにフラフラ。一定速度で走って欲しい等という贅沢なお願いはしていない。ただ私は、サイドミラーやバックミラーをチェックせずに何の前触れもなく急にヨロヨロこっちの車線に入ってくるのは止めて欲しいと頼んでいるだけである。本当に危なくて仕方がない。向こうは車体がでかいだけに、小さく走っている私としてはもう、ぶつかったら一発でやられてしまう。さっきも書いたが、この４X4が前にいると前が全く見えないし、しかもちょくちょく何の意味もなくブレーキをかけたりするので、前方で何が起こっているのか全く判らなくて非常に怖い。

イギリスでは、学校への送り迎えは車が一般的。普通の住宅地では片側一車線の道路がほとんどであるが、学校が始まる8時半と授業が終わる3時ごろはもうこの4X4の行列ができて、渋滞と騒音で学校の近くの住民からの苦情も多いらしい。また、このイギリスの母親達、「ちょっとだから」とか「みんなお迎えだから」とかいう身勝手な理由からだろうか、ハザードをつけてでかい車を道路の真ん中近くに放置したまま子供に付き添うケースも見られる。(昨日の朝、通勤途中で見た。)

この間テレビを観ていたらこの4X4問題を取り上げていて、丁度４X4で子供を送ってきたばかりの父親がインタビューを受けていた。
生中継で「あなたにはこんなに大きい車が必要なの？」とレポーターに聞かれ、「子供がいるから荷物が多くてね。」としゃあしゃあと答えていたので、「何言ってんだ、このアホ。引越しじゃあるまいし」と思っていたら、そのレポーター、私を含め普通車に乗っている視聴者の不満の声が聞こえたのか、「子供って一体何人いるの？その子供達はいくつ？荷物って何を運ぶの？」と畳み掛けるようにつっこんでくれたが、その父親、エグゼクティブクラス特有の余裕綽々、人を小馬鹿にしたような薄笑いを浮かべ、「子供は6歳と8歳、（ここでインタビュアー、すかさず「まだ小さいじゃん、そんなに広いシートは要らないはず」と言い返す。）、おもちゃとか運ぶのにスペースが要るんだ」と答えを返していた。(ここで再びレポーター、「一体いくつおもちゃを運ぶの？」となかなかしつこい。)
しかもこの父親、「大きくて安全で、運転しやすいから」って、ぶつけても相手の車がへこむだけだから安全だとでもいいたいのか。車高が高くて運転しやすいならもっと前方に注意して運転して欲しいものである。

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