【粗筋】
東城左近太夫氏勝の陣笠が飛び、これを拾った屋形船の女が、船が岸につかぬうちにひらりと飛び上がり、お側の侍に渡すと名も告げずに去って行った。殿様の命令で女を探し、妾に上がることになったが、この春という女には御家人だった安という兄がおり、博打や喧嘩で御家人の株も手放して、妹と共に江戸から大阪へ逃げて来たという身の上。兄弟の縁を切るのに200両を出してもらう。
やがて寵愛を受けて増長するお春、江戸の濡れ煎餅が食べたいと、馬術の名人・民弥が馬を飛ばして買いに行くが、夜中で店が開いていない、やっと戻ったが、あまり遅いから食べる気がないと言い、目がくらんでいる殿様から目通りを止められ、自害しようと屋敷へ帰る。
後家安は遊んで暮らしていたが、金はたちまち無くなり、江戸へ戻る途中、大森で昔の仲間だった浅草の福蔵と会って、この家の居候になった。福蔵の女房・おかめが昔吉原にいたいい女、亭主の留守に言い寄り、言うことを聞かないと手込めにする。おかめが亭主に話すが、相手は元武士で歯が立たないとしり込みする。呆れたおかめは、それなら後家安の方がましと、駆け落ちをする。二人は同じ御家人崩れの田見多次郎の家に入り込む。
喰う物がないというので、おかめがお店の女将に成りすまして米1俵を買って小僧に運ばせる。途中で達磨を買ったが、「小僧さん、大きいのと取り変えて来ておくれ。米は用水桶に置いて、私が見えているから」と、銭を出して交換に行かせる。
小僧が達磨を取り変えて戻って来ると、女も米も消えていた。
【成立】
三遊亭円朝作。古今亭志ん生(5)が演じているが、その1・2回。
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