Apr 12, 2011
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親が到着した。

母は、号泣してももこを抱きかかえようとしたので「死後硬直の姿勢がくずれちゃう!」
と、無理に止めた。「抱きしめるために来たのに!」と、母は、ももこに覆いかぶさり号泣した。

母の号泣は延々と続いた。父も、ティッシュを何度もとっていた。
トイレにこもったまま出てこない時間もあった。静かに泣いているようだった。
母は、「かわいいね、かわいいままだね、寝ているようだね、ももこちゃん」
そう何度も言った。

ひとしきり泣いた母は、弟にメールしていたらしく、弟からの返信に再度、
状況を伝えるメールを送りながら、弟からのメールを読んだ。


「でも、かわいそうだけど、ももこは幸せな犬だった、決して不幸ではなかったよ」

母が言った。その言葉だけが、救いだった。
「ももこのことをかわいがったはず、大事にしたはず」って自分に言い聞かせないと、
どうかなりそうだったけど、母に言われて救われた。

私は、ももこが、大事で、大事で、大事で、大事で、大事でたまらなかった。
おかげで、さほど犬好きではなかった旦那も、ももこが大事になった。

あの震災の日、「電車は止まっているし、帰れないな」と思ったけど、
「ももこがいるんだから、歩いて帰ろう」と言い出したのは、旦那だった。
ももこがいたから、歩きと電車を繰り返し、最寄駅ではない駅から歩き、
5時間ちかくかけて帰った。

ももこは、震災の日、人様用のベッドの掛布団の上で尻尾を振っていた。

本当に、ももこのために帰ってきてよかったと思った。

そんなに大事だった。
でも、ペットロスにはなりたくない、と思ったし、
ももこにも、そんなべったりと、分離不安症になってほしくなかったので、
ある程度距離を保って、いいパートナー的な関係を作った。


その関係が、震災で少し狂った。
ももこはすっかり不安症になり、粗相を繰り返したり、すぐに抱っこをせがんだり、
神経質になった。私はできるだけももこを抱っこし、家の中でもモックに入れたりした。

でも、この日の度重なる余震のとき、私はそばにいられなかった。
それがももこの体調に追い打ちをかけたのでは?そう思えてならなかった。
病院の先生は
「「震災でストレスがたまった子がたくさんいるけど、さすがに死ぬまでは」
といったし、震災のストレスで死んだとは思いたくない。
それだとかわいそうすぎる。





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Last updated  Apr 15, 2011 12:48:24 AM


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