「 ある愛の風景/ BRODRE / BROTHERS (2007) 」
監督は、 2006年・第79回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた「アフター・ウェディング (2007) 」のスサンネ・ビア。
主役は、 コニー・ニールセン。
Story : 美しい妻サラと二人のかわいい娘、ナタリアとカミラに恵まれたエリート兵士、ミカエル。良き夫、良き父としてキャリアにも恵まれ、幸せな毎日を送る彼に、戦禍のアフガニスタンへの派遣が命じられる。出発の前夜、両親と弟ヤニックが久し振りの家族の夕食会に訪れる。両親にとって自慢の息子である兄ミカエルとは対照的に、独り身の弟ヤニックは、刑務所帰りで定職もなく、家族からすっかり孤立していた。 やがてアフガニスタンからサラの元に訃報が届く。捕虜救出のために向っていたミカエルの部隊のヘリがアルカイダに撃墜されたのだ。突然の報せに困惑し、葬儀を出してもなおミカエルの死を受け入れられない残された家族たち。死んだはずの夫のシャツにアイロンをかけ、眠れない夜を過ごすサラ。やはり眠れずに酒場で酒を煽っていたヤニックは、勘定が払えずサラに電話する。迎えに来てもらった帰り、子供の頃の思い出がよぎり、初めて兄への思いをサラに話すヤニック。次の日の朝、サラの家のソファで眠っていたヤニックは、ナタリアとカミラがパンケーキを焼く声で目覚めた。父が訪ねて来て、皆で朝食をとるため食卓を囲む。葬儀の時にヤニックにつらくあたった事を詫びる父。父との間のわだかまりが少しづつ埋まっていくのを感じるヤニック。
翌日、ヤニックは職人仲間を連れてサラの家のキッチンリフォームに精を出す。器用にペンキを塗る姿に、やくざな弟だと思っていたサラは意外な思いで作業を見守っていた。その晩、銀行強盗をして刑務所に入った過去の過ちを話してくれた彼に、心を開き打ち解けていくサラ。「あの人は戻らない」まだ立ち直れず涙にくれるサラを優しく抱きしめ悲しみを分かち合うヤニック。心に傷を負った二人は、いつしか惹かれあうようになっていた。
その頃、アフガニスタンで死んだはずのミカエルは、奇跡的に一命を取りとめ、アルカイダの捕虜となっていた。放り込まれた部屋には、救出するはずだった偵察隊の無線技師、ニルス・ペーターがいた。ニルスは厳重な警備の中での監禁生活で、身も心もすり減らし消耗していた。「必ず生きて帰れる、信じるんだ」と軍人らしく力強く励ますミカエルだったが、救出の気配もなく、ただ日々が過ぎていく。次々と捕虜が処刑されていく様を見て、ミカエルも日増しに神経をすり減らしていった。ある日、ミカエルはテロリストたちに脅迫され、ニルスを殺すか、自分が殺されるかの瀬戸際に立たされる…。
「2007年12月1日公開 」ー goo映画 より ー
なに一つとして共感出来るところがなかった・・・・
戦場へ行った夫が死んだと知らされて寂しさから夫の死の喪失感を共有する弟に惹かれて行く妻サラにも、捕虜となってテロリストたちに脅迫され救出に来たはずのニルスを殺すミカエルにも、エリートの兄だけを愛する父親にも・・・・。
唯一感じたのは、なにひとつとして勝てるところがない優秀な兄を持つ弟が、いつも親に比べられてグレて行った結果、銀行強盗までしてしまって刑務所に入れられてしまったヤニック。それが良いとか悪いとかは別次元の問題としてですが・・・。
兄弟はお互いに愛しているのに、あんな父親では、そういう子供を作ってしまうのだろうな~っと思うのです。
捕虜となってわずかな食料を与えられるだけの犬猫にも劣る状況下で、次々に捕虜が銃殺されていくのを目の当たりにして来て、精神状態も憔悴しきっている中、銃を突きつけられ、もう一人の捕虜を殺すか自分がここで撃たれて死ぬかとの究極の選択を迫られた時、貴方はいったいどうするだろうか・・・
私は女なので、力もないし、棒を渡され撲殺しろと言われても、きっと、出来ないと言ったと思いますが、これが万が一銃だったら、撃ってしまうかもしれないけど、自分だってどうせいずれは殺されると思うので、そこで死ぬ覚悟をすると思うのですよね~。だって、命をかけていったいなにしにそこに来たのか・・・。
でも、それ以前に閉じこめられている段階で、死んだほうがましだと考えているだろうな~なんって考えながら観ていました。
原題は「BRODRE」、邦題は「ある愛の風景」となっていますが、この映画の中で愛を感じる瞬間はなかったです・・・・。
「兄弟」というのもまたピント来ないけど、兄弟の絆と葛藤を描いているという意味でも、まだ原題のままのほうが・・・・。
一見どうしようもない弟ヤニックが一番まともに見えてしまいます。
みんなそれぞれ身勝手で、自分の言い訳ばかり・・・
でも、一番悪いのは、人を殺しても構わないと人の感覚を鈍らす戦争などの争い事なのですよね、いったい誰が最初に始めたのか!
戦争がない日本でも毎日殺人事件は起っています・・・。人間は生きるためだけじゃない、「欲」や「憎しみ」の業を背負って生きている動物と言う事でしょうか。
~おしまい~
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