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2024.12.27
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カテゴリ: 報徳
報徳論



いわく、
人道の作為いかん。
いわく、
上古人類は禽獣と同じく、日々汲々として食を求むといえども、飽くを得ず、飢餓の憂い絡繹(らくえき)として絶えず、故に原理を開墾し、生養すべきものを撰(えら)み、五穀を播種し、あるいは流水を堰き、溝洫をうがち、これを田にそそぎ、あるいは堤瑭(ていとう)を築き、用水を備え、橋を架し、道を開き、通行を安んじ、あるいは農器を製し、耕耘(こううん)の便となし、一粒万倍の実りを生じ、民始めて飢渇の憂いを免れ、その生を遂ぐるを得たり。
然れども裸身にして風雨雪霜寒暑の憂いを免れず、これにおいて衣服を製作し、かつ木を伐り、竹を伐り、もって居室を作為し、穴居(けつきょ)野処に替え、日用諸々の器物を製し、生活の便とし、身体を養い、民始めて寒暑をしのぎ、風雨を障じ、生養を安んずるを得たり。
然して人身飽くまで食らい、暖かに衣(き)、逸居して教えなければ、人欲限りなくして、あい奪い、あい害し、あいしのぎ、あい争う、鳥獣と異ならず、これゆえに人倫五常の道を立て、法度を定め、もって導き、民をして斯道(しどう)を行わしめ、人欲を制し、法度を慎ましむ。
これをもって、父子親しみあり、君臣義あり、夫婦別あり、長幼序あり、朋友信あり、上下貴賎の礼譲備わる。

これ他なし。
神聖万民の艱苦を消し、永く生養を全うし、あい親しめんがために作為し立てたまう所の道なり、故におよそ人たるもの、その欲する所を得、もろもろの憂苦なく、安楽平穏を得るの道、これをおいてあに他の道あらんや。
然れども、もと人作(じんさ)の道なるがゆえに、漸く破壊に帰す。
これをもって、いささかも怠れば、田圃は荒蕪となり、堤瑭は崩れ、溝洫は埋まるは天道自然なり。
これを掘って怠らざるは人道なり。
衣服の敝(へい)するは天道自然なり。
これを製して怠らざるは人道なり。
居室の破損するは、天道自然なり。

これを造作して怠らざるは人道なり。
人心放僻奢侈に流るるは自然なり。
仁義礼譲をもってこれを教えこれを防ぎ怠らざるは人道なり。

枚挙するに暇あらず。
故に人道の要務は私欲を制してよく勤動し、節倹を守って仁義を行うにあり。
かくのごとくんば、すなわち作為の道全うして、永久人事の憂患なし。
もし人々安逸を好み、遊惰に流れ、坐(い)ながら国盛んに家優(ゆた)かにして、衣食住を安んぜんと欲すれば、忽然として自然に帰し、上古鳥獣の行いに陥るや、弁を待たずして明らかなり。
聖人勤動怠らざるの道をもってし、斯道をゆるがせにせば、禽獣の行いに陥り、上下の大患となる、

我幼より人道の頃刻もゆるがせにすべからざるを観察し、常に天道を恐れて、人道を怠らず、これをもって衰廃を興し、限りなきの米財を生じ、民の貧苦艱難を除き、その衣食住を安んず。
いやしくも人道の本源を明らかにして、厚く仁政を施し、怠らざれば、国を治むる何の難きことか、これあらん。





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最終更新日  2024.12.27 08:00:13


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