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2024.12.30
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カテゴリ: 報徳

「安居院庄七 50歳からの大冒険」クラウドファンディング



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テキストの落書きのようです

君の頑張りがすべてだ
瞳さんは中学校1年の夏休み、重いアトピー性皮膚炎になった。手首との足首から先以外全身が真っ赤な発疹におおわれた。掻きむしった皮膚から血がにじんだ。
かゆみで勉強に集中できず、成績は下がった。
一般的な治療ではだめでお父さんの友人が漢方薬治療をしている病院を紹介してくれた。
お母さんと一緒に病院の診察室に入ると、初老の医師が「どうしました」と訊いた。お母さんが症状を説明すると、医師が手で制して「君に訊いている。君の言葉で言いなさい」

「かゆいし、汚いし・・・辛いです」
「時間はかかる。2年を目標にしよう。私は君の調子を見ながら治療方法を考えたい。そのためにはお母さんではなくて、君自身が通院しなければならない」
といって、瞳さんの脈をとり舌をみた。
医師は余分な話はしないが一度だけ「学校で嫌な思いはしていない」ときいた。
「嫌なことをしてくる人はいません。授業を欠席したり、部活を休んでも、待っていてくれる友達のやさしさにこたえられないのが辛いです」
「これまでの君の人徳と周りの子たちの育ちのよさだね。私は君の親御さんやお友達の親御さんを尊敬するよ」 
中学三年生の夏休みには発疹がほとんどなくなった。
「先生のおかげです」とお礼を言うと
「君自身の頑張りが全てだ」とだけ帰ってきた。
「今後は継続的に経過確認」と書かれた処方箋で渡すと、いつも調剤室の一番奥で作業していた男性が初めてカウンターに出てきた。
「よく我慢した・・・我慢の勝利ですね」と所長となのったその人は声をふるわせていった。

周りの薬剤師さんも目を潤ませながらうなづいていた。

瞳さんはそのご、臨床心理士の資格をとった。
たとえ相手がこどもでも「その人の持つ力を信じて待つ」というあの頃あった大人たちはいつまでも憧れだ。そしてそれがどんなに難しいかもあらためて知った。





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最終更新日  2024.12.30 12:00:13


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