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2025.03.29
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カテゴリ: 坐禅
「沢木興道 この古心の人」より

p.305-308

7 松阪養泉寺単頭時代の行状

体で示す禅の真髄

大正3年、駿河安養寺の江湖会(ごうこえ)中、一人の僧が興道のところにやってきて、丘老師に独参したいので取り次いでほしいという。
『従容録(しょうようろく)』第65則『首山新婦(しゅざんしんぷ)』*について開悟するところがあり、老師の点検をこうと言う。

「挙(こ)す。
僧、首山に問う。
如何なるか是れ仏。


やってきた僧は、室外で型のごとく礼拝し、室内に入ると
尻をはしょって手綱(たずな)を締める身振りよろしく、馬を叱咤する声で調子をとりつつ部屋中を歩きまわった。
老師「なんだそれは。なんの真似をしておるか」
僧はさらに大真面目で馬ひきの声勇ましく歩きまわる。
「やめい、馬鹿もん、やめんか」
老師の大喝をくらい、僧はしばらく呆然として棒立ちになり、やがて一礼してしょんぼりと帯出した。

沢木興道が公案を課して坐禅せしめる方式を退け、専ら法益によって学人を只管打座の実践に導入する方式を貫いたのは、ほぼこの時期に不退転の決意になった。


○「沢田興道聞き書き」86-88頁
笛岡方丈のある時の話に、
「宗門の多くの人は、教外別伝や不立文字ということを浅く解して、教相を勉強せぬ人が多い。しかし教相を知らぬようでは、宗門の最上乗禅を発揮することはできない。石川素童和尚がかつて、東京の日ヶ窪の曹洞宗大学林の講師をして『従容録』の提唱をしたときに、天台宗の坊さんが聴講に来て、自分(笛岡)に『あれが、あんたんところの宗乗ですか』と尋ねたから、『ええ、そうです』と答えたら、『では曹洞宗という宗旨は、別教の分際ですな』と言った。ところが、そのころの自分は別教ということが、どんなことだかわからなかった。そこで、それからは広く仏教一般の教相を学ばねばならぬと思って比叡山に行って勉強することにした。天台宗には教相判釈(きょうそうはんじゃく)といって、仏教をその宗旨の浅深によって、蔵教(ぞうきょう)・通教・別教・円教の四つに分けて、円教を最高最深の教えとした。すると別教は、円教より一段低い教えということになるそういう他宗の学問も広く勉強していないと、このように天台宗でいう円教にしら到達せぬ別教の坐禅を、とくとくとして、みずからもやり他人にも説いていることがある。外道も小乗の人も、権大乗の人も、実大乗の人もみな同じように坐禅して、外形は同じだ。ただその坐る内容がまったくちがうのである。それゆえ、広く仏教のいろいろな教相を勉強して知っていないと、自分のやっている坐禅が小乗か、大乗かさえわからず、道元禅師のお教えになる最も深い『只管打座』もわからないであろう。
 -只管打座ということは、教相や学問を持ち込んで坐るのではないが、その『只管』という意味内容が納得できて、只管打座するのでなければならぬ。それにはどうしても、深く教相を学んで修行を誤らないようにしなければだめだ。教相は、もの指しであり、秤(はかり)である。興道さんも、だから教相をうんと勉強しなければいけない」- 






*第六十五則 【首山新婦】 しゅせんしんふ

皆の者に示して言う。砂漠は轟々とうなり、剥がしつづけて落ちていく。刀がつらなり天を向き、思いもかけず汗をかくことだらけ。噛みくだくことが出来れば消えてなくなり、そばに近寄ることは難しい、そこで言う。これはなんの話か?

あるとき、僧が首山和尚に質問する。
僧 「仏とはどんなものでしょう? 」

首山 「新婦がロバに跨れば、姑がその手綱を引くようなもの 」


新婦騎驢阿家牽、
體段風流得自然。
堪笑學顰鄰舍女、
向人添醜不成妍。

詩文に言う。
新婦がロバにまたがり、姑がそれを引く。
地形に沿って風が流れるのは自然の持つ性質。
(西施という美女の)眉をひそめた顔を真似するとなりの家の女の話のように、思わず笑ってしまい、人に向って醜い表情をすれば、美人には成らない。





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最終更新日  2025.03.29 13:00:10
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