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【26】綾部の城主の九鬼侯が御所蔵の神道の書物十巻、「これを見よ」と尊徳先生に送られた。
先生は、読む暇がないと、2年封を解かないでおられた。
あるひ先生は少し病気となり、私(福住正兄)にこの書物を開いて、病床で読ませられた。
先生はおっしゃった。
「この書物のようなものは、みんな神に仕える者の道であって、神の道ではない。
この書の類が何万巻あっても、国家の用をなさない。
神道というものは、国家のため、今日上、用がないものであろうか。
中庸にも、『道はしばらくも離れてはならない。離れることのできるものは道ではない。』といった。
世の中に道を説く書籍は、おおよそこの類である。
この類の書があっても益はなく、無くても損はない。
私の歌に
「古道に積もる木の葉をかきわけて 天照らす神の足跡を見む」
とよんだ。
古道とは皇国固有の大道をいう。
積もる木の葉とは儒仏を始め諸子百家の書籍の多いのをいう。
皇国固有の大道は、今現に存しているが、儒仏諸子百家の書籍の木の葉のためにおおわれて見えないから、これを見るには、この木の葉のような書籍をかき分けて大御神の足跡はどこにあろうかと、尋ねなければ、真の神道を見る事はできない。
君たちも落ち積っている木の葉に目をつけるのはは、大変な間違いじゃ。
落ち積った木の葉をかき分けて捨てて、大道を得る事をつとめなさい。
【26】綾部の城主九鬼侯、御所蔵の神道(しんだう)の書物十巻、是れを見よとて翁に送らる。
翁暇なきを以て、封を解き玉はざる事2年、
翁一日少しく病あり、
予をして此書を開き、病床にて読しめらる、
翁曰く、
此の書の如きは皆神に仕ふる者の道にして、神の道にはあらざるなり、
此の書の類(るゐ)万巻あるも、国家の用をなさず。
夫れ神道と云ふ物、国家の為、今日上、用なき物ならんや。
中庸にも、道は須臾(しばらく)も離るべからず、離るべきは道にあらず、と云へり。
世上道を説ける書籍、大凡(おほよ)そ此の類なり。
此の類の書あるも益なく、無きも損なきなり。
予が歌に
「古道に積る木の葉を掻(か)き分けて天照す神のあし跡を見む」
とよめり。
古道とは皇国固有の大道を云ふ。
積(つも)る木の葉とは儒仏を始め諸子百家の書籍の多きを云ふ。
夫れ皇国固有の大道は、今現に存すれども、儒仏諸子百家の書籍の木の葉の為に蓋(おほは)れて見えぬなれば、是れを見んとするには、此の木の葉の如き書籍をかき分けて、大御神の御(み)足の跡はいづこにあるぞと、尋ねざれば、真の神道を見る事は出来ざるなり。
汝等落ち積りたる木の葉に目を付くるは、大(だい)なる間違ひなり。
落ち積りたる木の葉を掻き分け捨て、大道を得る事を勤めよ。
然らざれば、真の大道は、決して得る事はならぬなり。
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