離人症の器

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凪2401

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2012年09月09日
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カテゴリ: 読書メモ。
いくらか暑さがやわらいできたかとは思いますが、
やっぱりまだまだ残暑がきついですね。日中はぐったりしてしまいます。

そんなあっつい夏を涼しくする、そんな特集の芸術新潮8月号でありました。


幽霊画特集。


普段、全く好んで見ることはないですし、
そもそも日本画の人物の表現が苦手なのですから、
幽霊画なんてもっとおどろおどろしくて苦手に決まっています。

やっぱり、グロテスクさが先に立っちゃいましたね。
こう、実物は見たくないなあ、と。



そう、怖いというより気持ち悪い。
なんかこう、日本画の人の姿は受け付けられない私です。

しかし、幽霊画の企画展をやっている美術館では、
面白い企画を併せてやっているのを知って、思わずググってしまいましたよね。

その名も、「YKI48総選挙」。

「YKI」とは何かというと、非常に単純でして、「YOKAI」、つまり妖怪です。

展覧会作品から48作品を選出し、その作品にキャッチコピーをつけてですね、
投票して1位を決める(入場チケットに投票権がついているそうです)という企画です。

そのキャッチコピーもまた、「恋人候補」なんて幽霊画はまだしも、
「寒さに強い」とか、「虐待しない」とか、「総長」だとか、いちいち面白いんですね。

思わず、ホームページで全作品閲覧してしまいました。


不思議なもので、キャッチコピーがついた瞬間、
おどろおどろしさとか、気持ち悪さとか、そういった負の気持ちが、
「笑い」という正の方向に変わるんですよね。

そういうユーモアって、とてもよいと思います。

やっぱり、何はともあれ笑ってる、笑える、っていうのは、



ちなみに私が幽霊を信じているかといいますと、
自分は信じていないけれど、別に信じててもいいんじゃないかな、という感じです。

基本的に人は死んだらそこまでで、それ以降は無だと思っているのですが、
ただ、それは自分自身のことだけで、残された人の中に残るものは確実にあります。

それがお墓という形をとろうが、幽霊という形をとろうが、
思い出という形をとろうが、空の星という形をとろうが、
それが生きている人の助けになるのなら、
それは全部肯定されうるものだと、そう思うんです。

ある人が亡くなってしまったことで、
残された人の世界にぽっかりとあいてしまった、その人の輪郭を持ったスペースを、
何で埋めていくのか、そういう問題なのかな、とも思いますから。








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最終更新日  2012年09月09日 18時53分34秒
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