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神様・手塚治虫先生のマンガ「ブッダ」が映画化決定になり公開も近づいてきましたね。テレビCMでも流れてますので知っている方も多いかと思います。「ブッダ」関連では、「手塚治虫のブッダ展」が都内で開かれていますね。以前、からっかZさんが教えてくださいました。詳しくは、東京国立博物館のサイトをどうぞ。さて、長いことブログを休んでしまいました。皆さんとは、お久し振りの日記になります。次の更新も、もう少し日にちがあきますが再開を始めますのでよろしくお願いします。■ 去年発売した本なんだから表紙用意してよ~ 楽天ブックス!!藤子・F・不二雄大全集 エスパー魔美(5)さて、いきなり「ブッダ」の話から「魔美」に飛びますが小さなつながりがあります。 < 『マミを贈ります』より >■ 高畑くんの話を聞く魔美■ ウサギとサルとキツネの登場■ ウサギは命を引き換えに自らの肉を与えた■ 神様はウサギを月に連れてゆくなんとも痛ましく重たい内容ですね。あまりにも衝撃的なので様々な意見があるかと思いますが手塚先生の「ブッダ」の話に戻ります。「ブッダ」の第1話ではこのウサギの話が出てくるのです。(元はインドで伝えられた話です)ウサギが火の中に飛び込み真っ黒こげになるシーンは、マンガといえど見るのもつらかった覚えがあります。コンビニに置かれているブッダの単行本には『読めばココロがきれいになる』といううたい文句が添えられていました。確かに、読み進めていくうちに「心がきれいになる瞬間」が読者に生まれるかもしれません。この世界的な不況、不安定な情勢国内も震災により、とても厳しい状況に置かれています。この混迷の時代、「ブッダ」はまさに読むにふさわしい書物といえることでしょう。私は、自信を持って薦めたい1冊なのですが「ブッダ」は仏教の話でしょう?宗教は苦手だなあ~、とか哲学とか真理とか人生論って難しそうだなあ~、とかそんな声も聞こえてきそうですね・・・しかし、そんな心配はご無用です。「ブッダ」は一度手に取り、読み始めたら夢中になります。内容は、重く深く時につらいはずなのに、面白いのです。本当に不思議なほど面白いのです。『ブッダ』では、まさに手塚先生が『神様』と呼ばれる所以を知ることができるでしょう。手塚先生の円熟味がいかんなく発揮されています。『ブッダ』を読み終えたとき、読み始める前の自分とは大きな心の変化を感じることでしょう。人生や世界の見方は変わり、視野も開けていることでしょう。『人生を変える本』、それが『ブッダ』です。映画化になるのもよいのですができたらアニメ化のブッダも見てみたいものですね~ ブッダ 1巻 手塚治虫文庫全集 / 手塚治虫冒頭で紹介したエスパー魔美の「マミを贈ります」は1話無料配信をしている小学館の公式サイトで読むことができます。■ 「ためし読み」をクリックするだけですぐに読めます。さて、次の更新は来週になります。ブログは、来週から再開したいと思います
2011.05.19
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エスパー魔美が藤子F先生の、他のマンガと違うところはいくつかありますが女の子主人公という、珍しさだけでなく大人の世界が多く登場するところかもしれません。■ エスパー魔美 大全集 2巻「エスパーコック」「スランプ」「弾丸よりもはやく」「エスパークリスマス」収録■ エスパー魔美 大全集 3巻「雪の降る街を」収録それでは、大全集2冊から、魔美の活躍をのぞいてみましょう~■ 料理中に爆発が起こる(笑)親友の高畑くんのために、料理を作ると張り切る魔美だが…■ 臭いも怪しい…■ 自分で味見をすると… マズい… マズ過ぎる…以上の話は、『エスパーコック』より。■ パンダの赤ちゃんが欲しいとせがまれる魔美おもちゃ屋のアルバイトで、サンタの服を着ていた魔美に幼い女の子がやってくる。その子は、本気でサンタを信じていた。貧しい家に住んでいる、その子の夢をかなえようとする魔美。『エスパークリスマス』より■ 世界の殺し屋vs魔美いつも、楽な事件ばかりではありません。殺し屋が来日したというニュースを聞いた魔美は高畑くんに止められるも、果敢に殺し屋に挑む…しかし、殺し屋の気迫に圧倒された魔美は、固まってしまう。『弾丸よりもはやく』より■ 若かりし日の魔美の父魔美の父が、独身時代。雪が降る街の中を、歌いながら歩いていた。しかし、今も昔も、彼は非常にオンチだった(笑)■ オンチな歌を笑う人がいた■ 彼女はなんと、魔美の母(になる人)だった■ 同じ道で、絵を描き始める一目惚れして、運命を感じた女性に会うために魔美の父は、彼女が通るのを見計らって毎日、毎日、絵を描き続けた。魔美の父と母の出会いを描いた作品『雪の降る街を』より今日のメインは、『スランプ』という作品です。魔美の超能力が、上手く働かず、スランプを迎える話です。 < ストーリー >テレポートも、テレキネシスも、失敗ばかりが続く。深く落ち込む魔美を、高畑くんは上手く励ます。■ 魔美は犯人を追うピストルを奪った犯人を、魔美は追いかけるが超能力が失敗して、犯人にぶつかってしまう。■ 人質になってしまった魔美超能力を発揮できなかった魔美はピストルを持つ犯人の人質になってしまう。そして、犯人は、ひと気のない豪邸に隠れようとする。■ かつて人気歌手だった任紀高志という男がいたかつては、大人気の売れっ子歌手だったが悪い人間に騙され、多額の借金を負っていた。落ち目になった彼は、生きる気力をなくしていた。■ ピストルを持つ犯人と出くわす馴れ馴れしく声をかける任紀に、犯人は「撃つぞ」というが任紀は、撃ってくれと頼む。彼は死ぬ気でいた。■ 魔美は聞く■ 人生というドラマは終わった彼は、常に第一線でスポットライトを浴びていた。脇役の仕事はする気がなかった。■ かつての人気歌手が歌う彼は、歌を歌い始めた。そうすると、犯人も、昔の人気歌手であった、任紀だと気づく。■ 犯人は、心を動かされる■ 犯人の母親も好きな歌だった。自分の過去を思い出し、泣き始める。そして、犯人は自首するといい出した…任紀という男は、歌で犯人の心を動かした。犯人が涙を流して、自首するといった姿に今度は、任紀自身が、心を動かされた。彼は、自分の歌を見つめなおした。そして、人生をやり直すことを決意した。この話に限らず、エスパー魔美では時々「自殺」の話が出てきます。F先生の、難題への挑戦のようにも思えます。この作品は、子供の頃にも読みましたが大人になって読んだときの感想とは、全然違います。今では、深く心に残ります。渋みがあります。感動というのは、生きる力なのかもしれませんね
2010.08.11
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父親は画家で、娘の魔美がヌードモデルをするという設定がエスパー魔美には、あります。藤子マンガでも、他の少年漫画と比べてもお色気シーンが多い、という特徴があります。それは、読者(少年たち)へのちょっとしたサービスだったかもしれませんしまたは、非常に重苦しい話を、緩和させるクッションであったのかもしれません。■エスパー魔美は現在、大全集では2巻まで発売されています。■ エスパー魔美 2巻の目次 『黒い手』収録エスパー魔美は、子供の頃に全巻読んでいるので、話は大体覚えていますが目次を見て、むかし出合った衝撃を思い出しました。『黒い手』という話です。■ 雨の中、激しく怒る青年と、帽子をかぶったおじさんがいる。■ おじさんは、二本指を青年に見せる。■ そして翌日、1本の指を青年に突きつける。■ 指の数は、死刑宣告の数字であった…■ 実は、青年は交通事故で、おじさんの子供を跳ねたのだった…■ 魔美はおじさんに直接会い、説得をする。■ 魔美は、高畑くんに知恵を借りるも、どうにもならなかった…■ 魔美は超能力で、おじさんを止めるも、おじさんは何度も何度も立ち上がる…青年は、不注意でおじさんの子供を跳ねてしまった。刑務所へ入り、罪を償い、出所した。おじさんは、奥さんも交通事故で亡くしていた。1人息子の成長だけを、ずっと楽しみにして生きていた。しかし、それも絶たれてしまった…魔美が、おじさんの心の中をのぞくと子供が生まれたばかりの思い出に溢れていた。魔美は、涙が止まらなくなってしまう。おじさんは、殺人鬼と化していた…超能力で、おじさんの行動は多少、操れたとしてもおじさんの心までは、変えることはできなかった。もはや、誰にも止めることは、できなかった。そして、おじさんは実行に移ってしまう…幸い、私は、おじさんの立場になったことも青年の立場になってしまったことも、ありません。正確にいえば、「まだ」なってないだけで「これから」なってしまうのかもしれません。交通事故は、毎日起きています。いつ、加害者にも被害者にも、なるか分かりません。おじさんの持つ殺意も、深い悲しみを背負った人間として当然の感情でしょう。「犯人を憎むな」というのは無理というものでしょう。では、命を奪われたら、相手の命も奪っていいのでしょうか…幼かった私には、魔美のヌードシーンよりも(この話には出てきませんが)こうした社会哲学が重くのしかかり、衝撃を受けました。こうして、私はエスパー魔美によって自分のとるべき行動は何か、法律や裁きとは何か人としてどうあるべきか、哲学を考えるようになりました。この話だけでなく、哲学的な話は、多く出てきます。ドラえもんにも哲学が多く含まれていますが主に人生哲学です。エスパー魔美は死や犯罪などが絡む大人向けの、社会哲学が含まれており藤子哲学が潜むマンガでもあると、私は思っているのです
2010.02.02
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ちょっぴりドジな女の子中学生の佐倉魔美が自分に潜む超能力に気づきエスパーとして奮闘する物語・・・○ エスパー魔美 大全集1巻この間、Velvetさんのイラストで登場した「エスパー魔美」を紹介します。藤子ファンの私からすれば、説明するまでもないと思ってしまうところですが、せっかくですのでどんなストーリーか、お話したいと思います。○追い詰められたときに発揮する超能力 第1話「エスパーはだれ?」より授業が終わった放課後マミの友達の高畑くんが、不良連中に囲まれる。それを見かけてしまったマミは、思わず目を伏せる。すると、高畑くんは瞬間移動していた・・・こうした、出来事を重ねていくうちにマミは、自分に潜んでいた超能力に気づいていく。○ 隠していた超能力を、はずみでバラしてしまう 悲しみに暮れる魔美「友情はクシャミで消えた」の話では親友の高畑くんの知恵を借りれば、マミも力が伸ばせると思い2人で超能力研究を始める。自分がエスパーだということは隠しマミは、高畑くんをエスパーのように見せかけていた。しかし・・・ はずみで告白する前にバレてしまう。高畑くんは、頭もよく真面目で性格もいい。それだけにウソをつかれたことに、大きなショックを受ける。始まりからいきなり「友情の亀裂」という重苦しい展開に・・・そして、この話だけでなく人間関係を深く描いた作品が続くようになります。○魔美のテレポートの秘密マミは、自分に何かがぶつかりそうになるとその反動によってテレポートができることを学ぶ。○ハート型の仁丹入りブローチテレポートの特性を知った高畑くんがそれを利用して仁丹が出てくるブローチを作成。こうしてマミは自由にてレポートができるように!○魔美の一番最初の仁丹(ブローチ)テレポート高畑くんのお手製のブローチ。女の子用のアクセサリ。仁丹を使う。物がぶつかりそうになるという行為。こうした日常的要素が、マンガ(非現実)という設定を読者の日常(現実)に溶け込むようにしています。これが、F流マンガ構成です。○自分のついたウソが大きくなっていき、苦しむ少年いんちきのUFOの写真を撮ってテレビ局に送ったら信じられてしまい、テレビで取り上げられ、ウソに苦しむ少年。○魔美の悪い噂を広める女の子 やがて周りは魔美を避け出してしまう魔美が超能力者だと疑い、悪い噂を流し始める女子が登場。女性の敵は女性といわれます。魔美には敵対する女性キャラがときどき登場します。こうした配役が、女性主人公物語を盛り立てています。○入り口がふさがれた洞穴にテレポートで 入った魔美だったが、ブローチの仁丹が切れてしまう・・・○高畑くんが、通報するも信じてもらえず 魔美も高畑くんも力尽きてしまう・・・魔法少女モノは、昔からありましたがエスパー魔美が発表された当時は少年誌で、超能力の少女物というのは珍しくF先生にとっても、挑戦のマンガだったように思えます。友情関係、暴力事件、噂話や無視、いやがらせ自身の悩み、周囲の人間の悩み、時には命に関わることも・・・エスパー魔美は、魔法少女モノと侮れない人間関係にスポットを当てた波乱万丈のドラマともいえます
2009.12.06
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