仁志・多喜馬の戯言日記&戯言通信

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2010年08月28日
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 所在のわからない100歳以上の高齢者の数が、日を追うごとに増えている。「どこかで亡くなっているのに、身元不明のままの人も多いんだろうな……」 そんなことを考えながら、インターネットで何げなく、「身元不明死者」と打ち込んで検索したら、「都道府県警察における身元不明死者情報ページ」というページが出てきた。これが47都道府県警察のホームページにリンクして、身元不明死者に関する情報を見ることができるのだが、 その数に驚いたのだ。試しに「東京都/警視庁」をクリックしてみると、身元不明死者の男女別や推定年齢及び身体特徴などが書かれた一覧表が画面いっぱいに現れたのだ。警視庁だけで600人以上の情報が並んでいたのだが、一覧表の番号をクリックすると、発見されたときの衣類や靴・装飾品に所持金など、持ち物などの詳細情報と実際の写真が確認できるのだ。他の道府県も同様で私の住んでいる愛媛県では40人くらいが身元不明死者として載っていたのだ。その中にはこれだけ特徴のわかっているのに、どうして身元が不明なのかと不思議になる情報も多いのだ。

 スウェーデンの法医学教室に留学中の茂谷氏は、「人口約930万のスウェーデンでも、身元不明死者は年間10人程度です。この国では虫歯の予防が進んでいるため、日本ほど歯科での治療痕はないはずですが、それでも歯の所見で約70%の身元が判明しています。そもそも、誰が生きていて、誰が死んでいるのかを把握していない国など、本来はありえないと思います」 日本の個人識別率の低さは、身元不明死者を生むだけではない。しばしば「身元の取り違え」という過ちも生んでいるというのだ。 3年くらい前に兵庫県でこんな出来事があったそうなのだが、 、空き家で首をつって自殺していた男性の遺体が見つかったそうだ。その男性に近所に住む女性から、「数年前から行方がわからない兄では」と問い合わせを受けた兵庫県警は、顔の輪郭や目鼻立ちを昔の写真と比べる「異同識別」という手法で身元を断定したそうで、その女性に行方不明の兄ということで遺体を引き渡したそうなのだ。女性は葬儀も済ませたがそれから約3カ月後に、死んだはずの兄が姿を現したのだ。 警察は身元確認の誤りを認めて謝罪し、遺骨を返却してもらったというが、歯科的な個人識別が可能であったならこうしたミスは防げたはずだったのだ。

 それとは別に「家出人捜索願を出していたのに、身元不明者として放置されてしまった」というやるせない声も多くあるそうで、 知的障害のあった人が家を出たまま行方不明となり、家族は地元警察に捜索願を出したそうなのだ。その人は隣の県に徘徊していたみたいで、ひき逃げ事故で亡くなっていたことが約1カ月後に判明したのだ。遺体等については身元不明死者として扱われていたというのだ。どうしてもっと早く捜索願と照合することはできなかったのかいまだに不明だそうなのだ。岩手医科大学法医学講座の出羽厚二教授は、「現在の『家出人捜索願受理票』は、あくまでも生きている人を対象にしたもので、『身体的特徴』の記入欄はごく小さなスペースしかありません。方言の『なまり』や『性格』に関する欄があっても、死者の身元確認には役に立たない。家出人が亡くなってしまうことも想定して、身体的特徴をもっと書き込めるようにする改善が必要でしょう」と指摘したうえで、そして歯の所見による個人識別を重視すべきだといっていたのだ。

 岩手医科大学法医学講座の出羽厚二教授によると「警察は、家出人捜索願を受理してから一定期間経過後に、歯科カルテ、在宅指紋などを含めた身元確認のための資料採取を行うようにする。そして、身元不明死体が出たら、歯科法医学の知識を持った歯科医師が記録を取る。それを照らし合わせれば、身元不明死者は確実に減るはずです」と指摘しているそうだ。 日本では、歯科による身元判明率はわずか10%程度にとどまっているそうで、日本法歯科医学会理事長で、日本大学歯学部法医学教室の小室歳信教授はこうした現状を打破するため、今年1月から警察庁で行われている「犯罪死の見逃し防止に資する死因究明制度の在り方に関する研究会」で次のような提言をしている。「日本人は9割以上が、歯牙疾患罹患しています。つまり、国民の大半がどこかの歯科医院にID情報を残していることになる。身元の確認には、カルテのほかに歯のX線写真が非常に有効で、実際に、歯科医院で生前に撮影された一枚の小さな歯のX線写真が参考となって、死者の身元が確認された事例は数多くあります。ですから、日本でも早急に、歯科所見やX線写真のデータベース化をはかり、死体の歯の撮影用に、各県警の鑑識課にポータブルX線撮影装置の配備を検討すべきだと思います」と言っているのだ。





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最終更新日  2010年08月28日 01時55分15秒
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