第16回全国都道府県対抗男子駅伝競走大会が広島市の平和記念公園前を発着点とする7区間48.0キロで行われたのだが、戦前の予想では連覇を狙う兵庫県や、中高生が充実する鹿児島県に初優勝を狙う栃木県をはじめ、最多5回の優勝を誇る長野県などを軸に混戦模様のレース展開となりそうだといわれていたのだ。兵庫県は前回優勝の原動力となった早稲田大学OBの竹沢健介選手を欠くものの、広州アジア大会一万メートル代表の北村聡選手や、年末に行われた全国高校駅伝で花の1区の区間賞を取った西池和人選手ら実力者をそろえているそうなのだ。鹿児島県は全国高校駅伝を初制覇した鹿児島実の双子の市田兄弟や、全国中学校駅伝1区で区間新に輝いた坂本大志選手ら中高生に強力な選手が集まっているそうで、アンカーのこれまた実業団のニューイヤー駅伝を走った入船敏選手らの踏ん張りがカギを握ると予想されていたのだ。
優勝候補の一角だった栃木県は伸び盛りのエース宇賀地強選手をアンカーに起用し、終盤での逆転を狙う布陣を引いてきているし、毎年優勝候補にあがる長野県は箱根駅伝2区で17人抜きを演じ最優秀選手に選ばれた村沢明伸選手を3区に配置して前半で逃げ切りを図る構えをしていたのだ。一方同じ箱根駅伝組で残念だったのは前回2位の福島県で、箱根駅伝の疲労が残る柏原竜二選手が登録選手から外れたそうなのだ。レースの方は栃木県が高校生のエースが集まる1区で八木沢元樹選手が抜け出してトップにたつと、3区で7位まで後退したものの4区で再び先頭に浮上して、その後は有力県との一進一退の攻防が続いたが、トップと4秒差の2位でたすきを受けた7区のエース宇賀地強選手がすぐさま先頭を奪い返し、逃げ切って初優勝を飾ったのだ。た。
優勝チームで真っ先に胴上げされたのは優勝監督ではなく、拳を突き上げながら飛び込んだアンカーの宇賀地選手だったのだ、彼はまだ実業団1年目の23歳とはいえ、全国都道府県対抗男子駅伝競走大会の出場はこれで9回目なのだ。初めてつかんだ栄冠に「感慨深いものがある」と目頭が熱く試合後のインタビューでかたっていたのだ。栃木県の斉藤監督いわく「私が知る限りこれまでで最強」という布陣だったのだが、やはり試合前にはトラブルがあるもので、五千メートル13分台の記録を持つ高校生トリオの一人の大谷卓也選手がインフルエンザのため選手登録から外れた点をあげていたのだ。「数字上は大きな痛手だった」と振り返るが、代わりにその穴を埋めたのが4区の塩谷桂大選手だったのだ。監督も「思いもしなかった」という区間賞の力走で起用に応えたのだが、区間賞の2人を含む高校生3人には共通点があったそうで、それはいずれも全国高校駅伝出場を逃した点だったのだ。
それに引き替えいくら実業団チームがないと言え散々な成績だったのが私の住んでいる愛媛県で、予想通りの46位だったのだ。ここ4年間も40位台と成績は上がっていないのだが、今年も飛躍の年にはできなかったみたいだ。私はTV観戦をしていたのだが地元では全国都道府県対抗男子駅伝競走などには少しも興味はないみたいで、愛媛陸協と地元新聞社主催のローカル駅伝大会の方に力を入れているみたいだ。このようなことをやっていたら、いくら力のある選手がいても、地元の愛媛県から参加する気にはならないだろう。栃木県の初優勝に貢献した1区の八木沢選手は「都大路に行けなかった悔しい思いをぶつけた」というように、愛媛県も全県的に頑張る体制を作らなくては、今年同様に来年もブービー候補のままになるだろう。
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