今年は第一次世界大戦開戦から 100 年という、節目の年だそうなのだが、第一次世界大戦については第二次世界大戦に比べて学校でそれほど深く学ぶこともなかったことから、「 1914 年にボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボで、オーストリア皇太子夫妻がセルビア人青年に暗殺され、オーストリアがセルビアに宣戦布告したのがきっかけで始まった」ということくらいしか学校では教わったことくらいしか覚えていないのだ。そして「古い戦争の思想のもとに始められた第一次世界大戦は、機関銃や航空機、戦車をはじめとする新しい大量殺りく兵器の出現や戦線の全世界への拡大により、開戦当時には予想もしなかった未曾有の犠牲をもってようやく終了した」ということも学んでいる。
昨日の TV で第一次世界大戦開戦から 100 年という背景を掘り下げていたのだが、今の不安定な国際情勢の本質を知る大きな手がかりになるといっていたのだ。その一例として番組では第一次世界大戦をはさんでドイツとフランスは 3 回死闘を繰り広げており、すなわち「普仏戦争」・「第一次世界大戦」そして「第二次世界大戦」という 3 度の大戦争だというのだ。普仏戦争はビスマルクとナポレオン三世の互いの思惑が発端だし、第二次世界大戦はヒトラーという狂信者の登場によるものだとされているが、第一次世界大戦は一番戦争に至った経緯が良く分からない戦いだというのだ。なぜサラエボの銃声でフランスとドイツが死にもの狂いで戦わなければならなかったのか。
その出来事がなぜ 1914 年の時点で既に約 600 万人の兵士を動員するほどの大規模な戦争へと発展したのか今一つ腑に落ちないことが多というのだ。現代でも「すべての近代の問題は第一次世界大戦に端を発している」という人がおり、この第一次世界大戦によって封建制度が完全に終演を迎えドイツ・ロシア・オスマントルコ・オーストリアとハンガリーという 4 つの世界帝国が消えたというのだ。また共産主義の台頭ということでロシア革命が勃発したのも第一次世界大戦が影響しているし、また現在でも紛争が続いているパレスチナ問題の種がまかれたのも第一次世界大戦だというのだ。そして国家の総力戦という概念が初めて生まれたのも第一次世界大戦だというのだ。
これまでの戦争では戦勝国は戦費や戦争による損失の全部または一部を敗戦国からの賠償金によって取り戻すことが通例だったが、参戦国の殆どが国力を出し尽くした第一次世界大戦による損害は、もはや敗戦国への賠償金程度でどうにかなる規模を遥かに超えてしまっていたというのだ。しかしながら莫大な資源・国富の消耗とそして膨大な死者を生み出した戦争を人々は憎み、戦勝国は敗戦国に報復的で過酷な条件を突きつけることとなったそうなのだ。戦争論の古典であるクラウゼヴィッツの「戦争論」に代わるものとして、今までと違って政府と軍隊だけの戦いではなく、人類が経済や科学技術など国力のすべてを総動員して戦った初めての世界戦争だというのだ。
この第一次世界大戦自体は欧州中心の戦いだったので、第二次大戦に比べて日本には関連が薄いように思えているのだが、日本の国土における実害こそなかったものの我国にも極めて大きな影響を与えたというのだ。国際間の同盟関係が互いに複雑に入り組んでおり、複合的な戦争だったというのだが、日本もアジアにおけるドイツの利権を狙って日英同盟をベースにドイツに宣戦布告したのだが、開戦に際してイギリス政府からの要請を受けて連合国側として第一次世界大戦に参戦したのだが、当時の内閣総理大臣の大隈重信はイギリスからの派兵要請を受けると御前会議にもかけず、議会における承認も軍統帥部との折衝も行わないまま緊急会議において、要請から 36 時間後には参戦の方針を決定したというのだ。
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