お酒を飲む女性は男性よりもお酒に対する健康管理に注意が必要だと言われているが、飲めない女性についてはさほど大きなリスクがあるとは言われていなかったという。そのため飲めない女性は友達と居酒屋へ行って少し居心地が悪い思いをしながらも、お酒と健康についてはあまり気にしてこなかったということのようななおだ。また一般的に「女性はたくさんお酒を飲まないほうがよい」とされるのは、女性は体内の水分量が男性に比べて少ないため、同じ体重の男女が同じ量のお酒を飲んでも女性のほうが血中アルコールの濃度が高くなるためとされているそうで、「健康日本 21 」でも生活習慣病のリスクが高まる飲酒量は男性なら 40g 以上で、女性で 20g 以上とされているそうなのだ。
世界的な統計学データで「お酒をたくさん飲む女性は乳がんになりやすい」との結果もあり、女性の飲酒はよくないと考えられているというのだ。お酒と乳がんに関連性があるとされている世界的な統計データには、白人や黒人などいろいろな人種のデータが混在しているので、日本人のようなモンゴロイド以外の人種が混ざっているため、日本人に特化したデータではないというのだが、そこで 10 年前から日本人の女性における乳がんリスクが上がるかどうかを調べたところ、データ不十分として結論が出なかったそうなのだ。とは言うものの日本乳癌学会では 患者さんのための乳癌健診ガイドラインのなかに「飲む量が増えるほど乳がん発症リスクが高まるのは確実です」との記載があり、注意した方がよいのは間違いないみたいなのだ。
ところが「お酒が飲めない人は骨粗しょう症と骨折のリスクが高くなるので注意をしたほうがよい」という論文がニュースに取り上げられて話題になり、この話は以前から知られていて日本人女性を対象とした研究でも同様のデータは出ていましたが、骨粗しょう症は年齢を重ねた女性にとっては大問題だといわれている。骨がもろくなり大腿骨骨折などをすれば寝たきりになってしまうリスクも上がるのだが、アルデヒド脱水素酵素と呼ばれる酵素があって、この酵素はアルコールを分解する際に出る有害物質であるアセトアルデヒドを酢酸に分解するはたらきを持つというのだ。この酵素の働きが弱かったり酵素を作り出すことのできない人はアルコールに弱く、この酵素が弱かったり作り出せなかったりする人は日本人の約半数だとされている。
こういった人たちは骨粗しょう症や骨折のリスクが 2 倍高いいとされ、致命的に飲めない人だけでなくお酒を飲むと顔が赤くなると感じている人も要注意というのだ。アセトアルデヒドを分解する酵素を持つ人と持たない人の判定は遺伝子多型を使って行っているそうなのだが、これは「太っているのは遺伝だった、肥満遺伝子ダイエット」という本でも紹介されている遺伝子による診断だというのだが、遺伝子は父親から 1 本と母親から 1 本を受け継いだ自分自身を作るための「設計図」だとされている。一生変わることがなく遺伝子は塩基というモノが映画のフィルムのようにたくさんのコマがつながったものと考えておくとよいみたいで、その中の「 SNP 」はそのうちの 1 コマを判定するものだというのだ。
その 1 カ所の「 SNP 」だけで体質のすべてが決まるわけではなく、肥満に関係する「 SNP 」も 50 カ所以上が知られていてこれらが複合してその人の「特徴」を作り出しているというのだ。遺伝子には自分の特徴がすべて書き込まれていることから、罹患しやすい病気のヒントも書かれているそうで、親兄弟・親戚等は遺伝子が似ているので罹患しやすい病気も似ているのだ。もっとも遺伝子は生まれ持ったもので変えることはできないが、病気になりやすい遺伝子を持っていると分かったらその病気に対する予防を人一倍しっかり行うことで、罹患率を大幅に下げることができるというのだ。実際に「自分の父親が胃がんだったから」と胃がんの健診に熱心に足を運ぶ人も多いと言われているのだ。
お酒が飲めるとか飲めないも同様で「 SNP 」など分からなくても、顔が赤くなるかならないかで大まかな体質が分かるというのだ。お酒が飲めない人は乳がんよりも骨折のリスクが高いわけですから乳がんと骨折予防であれば、骨折予防により力を入れるほうが体質に合った健康管理と言えますし、お酒が飲める人は骨折予防よりも乳がん予防に力を入れたほうが体質に合っている可能性が高いということになるというのだ。健康になるためにはどんなことにも注意を払ったほうがよいことには間違いのないことのようなのだ。人間は万能ではないのだから何よりも健康管理もポイントを絞って、一般的な予防は心がけるようにして自分に合った方法を取り入れることで効率化を図るのがよいということなのだ。
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