私もマンションに住んでいるのだが、大阪地裁で民泊トラブルをめぐる裁判にて注目すべき判断が示され、「マンション区分オーナー」 VS 「管理組合」で所有者に対して賠償命令が下されたというのだ。民泊が法的に許されている大阪の分譲マンションで、管理規約に反して「民泊」を営んだとしてマンション管理組合が5部屋の所有者らに対し、営業差し止めと計3267万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こしたというのだ。外国人観光客が急増する都市部では大阪市の認定や旅館業法の許可を得ない違法民泊が横行しており、弁護団は「今後、他の地域でも住民トラブルになる可能性がある」と話しているが、提訴したのは大阪市中央区島之内の15階建てで約100戸の分譲マンションの管理組合だという。
訴状などによるとこの5部屋は日本人や中国人が所有し、主にアジアからの観光客向けに民泊を営業しており、大手仲介サイトに登録している物件もあるという。約3年前からスーツケースを引き宿泊に訪れる外国人が目立ち始め、禁煙となっているマンションの入り口やエレベーターでたばこを吸うだけでなく、廊下にごみを捨てるし夜中に酒を飲んで大声を出すなどと、住民から苦情が殺到しているというのだ。「民泊」というのは民家やマンションに有料で観光客を宿泊させるビジネスで、ネット等を通じて低価格で泊まれる仕組みが人気で、ここ数年で世界的に普及しているが、国内で認められているのは「国家戦略特区」として規制緩和された大阪府や東京都大田区などの地域内と旅館業法で「簡易宿所」の許可を得た施設のみなのだ。
今年の6月に「民泊新法」と言われる住宅宿泊事業法が成立し全国で解禁され、都道府県に届け出れば年間180泊を上限に営めるようになるが、事業者には宿泊者名簿の作成や衛生管理などが義務付けられている。提訴した管理組合の訴状などによるとマンションは一戸建てと違い多くの住人が出入りするためセキュリティ面に限界があり、この民泊が問題となったマンションでは民泊を扱う会社の担当者が、入居者以外には秘密であるはずのオートロックの解錠番号を宿泊客がいる前で入力し出入りさせていた事例があり、これは迷惑行為では済まない事でセキュリティの隙を狙った犯罪の温床となる可能性もあるというのだ。また1室において毎回同じ部屋を予約していた客が浴室に拳銃を隠していた事件があったというのだ。
マンションにおける民泊のトラブルでは、住戸に常備されているキー BOX を解錠し振り込め詐欺の受渡し場所に使われたというケースも報告されており、これらの事例から懸念されるのは民泊で貸し出した部屋が犯罪集団の拠点に利用される危険性だとされている。性風俗業の場に供されたり違法薬物の密売組織の潜伏先として使われたりする可能性もあり、さらにテロ集団の拠点にされたりする危険性もあって、都市部では警察の捜査の対象が検討されたところもあるというのだ。このマンションの管理組合は昨年の規約改正で民泊営業を禁止し、1日5万円の違約金を定めていたが、マンション内の住民や自治会などから民泊に関する行政への苦情や問い合わせの件数は増加しているというのだ。
マンションであれば管理組合の許可を取って部屋を貸し出すというケースも最近では行われていますが、それでも共用部分の利用や夜間のマナー違反などのトラブルが後を絶たないと言われているそうなのだが、弁護団によると道頓堀などに近くて観光に便利な島之内地区は民泊が急増しており、民泊営業を目的に不動産を購入する外国人も多いというのだ。大阪市内では市条例により認定を受ければ民泊を営業できるが、マンションの管理規約に違反しないことが要件とされてはいるが、保健所等の立ち入り調査で違反が発覚し物件オーナーが貸し出しを中止するなどのケースが頻繁に発生していることから、大阪市の担当者は「厳しく指導したい」と話しているそうなのだ。
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