森友学園への国有地の格安売却を巡って「一切ない」はずの記録を財務省が今ごろ国会に出し始めたそうで、意図的な情報隠し疑惑や佐川宣寿現国税庁長官の一連の答弁に「虚偽だ」との批判が集中しているが、発覚から間もなく1年となり通常国会が始まり、森友学園疑惑が再燃しているという。直接のきっかけはこれまで財務省がないとしてきた交渉についての記録が出てきたことだが、「問題がいつまでも尾を引くのはこまる。真相解明のため2人のキーマンが国会で説明しないと、幕引きにはならない」との声が与党からも上がっているが、財務省の公用電子メールが送受信後60日間でサーバーから自動的に廃棄されていることについて、麻生太郎財務相は衆院予算委員会で取りやめる意向のないことを明らかにしている。
森友学園問題で財務省の新たな内部文書20件が明らかになり、与野党から公文書管理のずさんさに批判が相次いだ。麻生太郎副総理兼財務相は衆院予算委員会で20件があくまで省内の法的な検討文書であり、 佐川宣寿国税庁長官が「破棄した」と昨年国会答弁した森友学園との交渉記録には当たらないと釈明した。しかし野党は「虚偽答弁だった」などと反発を強め佐川元理財局長の国会招致を重ねて要求した。また財務省が20件のうち19件を昨年12月に残り1件を今年2月に会計検査院へ提出していたことも判明しているが、いずれも昨年11月に検査院が検査を終え報告を公表した後で、麻生太郎副総理兼財務相は予算委で「20件には財務省に不利な情報があるわけでもない」と隠蔽を否定している。
しかも「学園との交渉に関し、法的な論点を近畿財務局内で検討した文書だ」とも説明したそうだが、検査を要請した側の参院では野党から検査のやり直しを要求する声が上がり、与党も「財務省からは今日まで謝罪も説明もなかった。猛省を促したい」などと自民党の予算委筆頭理事からも批判が上がったという。石破元幹事長も学校法人「森友学園」への国有地売却問題で昨年の国会答弁の妥当性が疑問視されている佐川宣寿国税庁長官について、「国会で証人喚問や参考人に出てきてくれとは言わないが、記者会見にも応じないのは正直言ってすごく違和感がある。立派な方なのだから、なんらやましいところもないならば、きちんと説明する責任はあると思う。もやもやといつまでも引きずっていると、かえってよくない」と語っている。
そのうえで石破元幹事長は「どんな質問をされようと、きちんと正当性を主張することが、行政に対する信頼につながると思う。きちんと行政が正当になされたのだ、なぜならば」、ということを説明していただきたい。与党の一員としてそう思う」とも語ったそうなのだ。立憲民主党の辻元清美国対委員長は自民党の森山裕国対委員長と会談し改めて佐川氏の招致を要求したそうだが、森山氏は参院側の批判も踏まえて「重く受け止め、真摯に対応したい」と応じたが、その後記者団に「国会招致には当たらない」となお慎重な姿勢を示したという。醍醐聡東京大名誉教授は「値引きを『根拠不十分』とした会計検査院に政府は反論できていない。それでも『適材適所』というのはふまじめだ」と安倍首相の国会答弁を非難している。
国家公務員の公用電子メールの利用が急増しているにもかかわらず、その多く公文書として扱われていない実態がマスコミの取材で判明したそうなのだが、公文書管理法が保存を義務づける重要な内容もあるとみられるが、多くは官僚個人の判断で情報公開の対象外とされ削除されたりしているという。官僚たちは「電話と同じ」とか「私的なメモ」と話すが、メールを公文書として扱うようルール化している自治体もあるのだ。しかもメールは官僚の裁量で廃棄できるといい国会議員と対応した記録などは情報公開の対象とならないよう個人で保管するケースもあるというのだ。情報のやり取りが増えているにもかかわらず公の記録が残らない現状が明らかになっているし、そのうえ60日で跡形もなく自動消滅してしまうというのだ。
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