私も「無痛性心筋虚血」と言う病気になったことがあるのだが、日本人の死因の上位10位のうち心臓病や脳卒中など四つの病気に関わるのが血管で、全身に栄養を送るという重要な役割を担う血管は「最大の臓器」とも呼ばれいるのだ。血管が詰まったり破れたりする病気が多く人体は全て血管で養われているため血管がトラブルを起こすと、これだけ多くの病気を引き起こすといわれている。季節の変わり目の寒暖の差や生活環境の変化といったストレスはどんな負担を血管に与えるのかというと、人は「寒い」と思った瞬間に自律神経の交感神経が緊張するとされているが、交感神経は車で言えばアクセルのようなもので血管がギュッと締まって血圧が上がったところに、心臓が強く血液を押し出すので血管の負担が大きくなってしまうという。
血管の不調を予防するキーワードとして「血管力」という言葉が使われるが、「血管力」とはまずは血管のしなやかさでそれから血管の内側が滑らかであることだという。動脈硬化でコブができるような傷つきやすい状態ではないことなのだが、血流がスムーズに流れる状態を「血管力がある状態」というのだ。喫煙の有無と健康診断で高血圧や糖尿病だけでなくコレステロールや中性脂肪値が高い「脂質異常症」と診断されると危険だという。血管の状態を私たちは直接見ることができないのでかわりに様々な方法で推測するそうだが、血圧測定もその一つで頸動脈のエコー検査を使えば血管を見ることはでき、血管に傷がついたりすると悪玉コレステロールなどがたまってプラークというコブになるという。
全身に血液を巡らせて栄養や酸素を届ける血管は、血液がスムーズに流れると新陳代謝が促進されて体の健康と若さが維持されるが、不適切な食生活や運動不足さらにストレス過多な生活を続けると血管が傷みやすくなり、血液の質も悪化し健康や若さは損なわれてしまうのだ。これまでに 2 万例を超える心臓・血管手術を手がけてきた医師も「血管も年齢とともに衰えるのは仕方ありませんが、『血管年齢=実際の年齢』とは限りません。血管は年齢ではなく、乱れた食生活でボロボロになっていくのです」という。乱れた食生活を送っている人は 30 代という若さでも動脈硬化が進行し始めるが「食事・運動などの生活習慣の改善により、血管は何歳になっても若返らせることは可能です」とアドバイスしている。
「血管の若さを保つには、血管自体をしなやかに保つこと、そして中を流れる血液をサラサラにすること、この両面に着目する必要があります。つまりホースにあたる血管の状態と、そこを流れる血液の性状、この両方の質を高めることが大切なのです。これらの質を左右する要素が、血圧・コレステロール・それに血糖値です」と医師が言うとおりなのだが、血管を若返らせる食事というとタマネギ・納豆など特定の食材がフォーカスされることが多いという。ただ流行の食材を部分的に取り入れるだけでは効果が少なく、重要なのは基本となる食生活を変えることだというのだ。血管の若さを左右する要素を踏まえ医師が提唱する「血管を強くするための食事の 3 原則」は低塩分・低血糖・善玉の HDL コレステロールを増やすの 3 つだという。
血糖値を高めないためには糖質のとりすぎを避けることが第一なのだが、「若いころと食事量が変わらないと、糖質過多になってしまいます。 50 歳を過ぎたら、 1 日 3 食しっかり炭水化物を摂取するのは控えたほうがいいでしょう。まずはごはんやパンを半量にするなど少しずつ減らしてみてください」と話している。血糖値の上昇を緩やかにするため玄米やライ麦パンなどの精製度の低い穀物を選ぶことや野菜を先に食べるといった工夫も有効だという。血管を強くする食生活に切り替えると「約 3 週間後から徐々に効果が表れてきます」と言うが、血管の老化は心筋梗塞や脳梗塞をはじめとした循環器系の病気のリスクを上げるだけでなく、体の疲れやすさから肌のハリ・ツヤなどの見た目まで人間の体のあらゆるところに影響するというのだ。
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