3月に入り送別会等の何かと酒席の予定が入って忙しい人も少なくないことなのだが、飲みすぎは肥満やメタボを進めてしまうし定期健康診断の肝機能検査はどうかと気にする人も少なくないという・お酒の怖さを本当に理解している働く人は少ないというのが健康管理に携わってきた実感だそうで、タバコの害は働く人だけでなく国民全体の知るところとなっているが、飲食店内の喫煙が問題視され国際的な潮流もあり、東京オリンピックの際にどのように取り扱うのかについて政治マターになるくらいだという。過去には当たり前であったテレビや新聞のタバコのコマーシャルが姿を消したばかりか恐ろしい健康影響が明示されるようになってが、同じレベルの健康影響につながるアルコールは今のところ無罪放免のようだという。
メディアを通じてビールや焼酎の宣伝がどんどん流れているのだが、アルコールの健康影響は肝機能障害以外にはがんの問題があるという調査結果もあるという。日本酒で 3 合以上毎日飲む人はがんになる確率が 1 . 6 倍に増える可能性があるし、死亡する確率では 2 日に 1 合程度飲む人が一番小さいとされているが、毎日 2 合以上から 4 合以上になると 2 倍から 3 倍に増える可能性もあるというのだ。こうした傾向は日本で増加が指摘される大腸がんでも同じで、お酒は食道がんや肝臓がんに乳がんに罹りやすくしてしまうことが知られているという。がん以外には毎日の飲酒で眼や腎臓の問題を起こす糖尿病と、後遺症を残す可能性のある脳梗塞や脳出血も増えると考えられているというのだ。
肥満やメタボに脳卒中とがんだけが問題なのかというとそうではなく、職場の健康管理でしばしば問題となるのはメンタルヘルス不調と同じように、飲酒をする人間は「アルコール依存症」に陥る人が後を絶たないというのだ。この「アルコール依存症」はいわば脳がアルコール無しではいられなくなってしまった状態で、最終的には飲みっぱなしとなりこれを「連続飲酒発作」と言われているそうなのだ。そうなると仕事を失うばかりか家庭や日常生活をも台無しにしてしまうのだが、この依存症の前段階は「アルコール乱用」と呼ばれ、健康に影響が出ているあるいは社会生活に影響がでているのにお酒が止められない状態が続くというのだ。その乱用につながるのが 1 日 60 グラム以上の純アルコール成分を飲む「多量飲酒」だという。
ある雑誌の全国調査によるとこの「多量飲酒」は 860 万人とされ、その中でアルコール依存症の疑いのある人は 440 万だといわれており、アルコール依存症患者は 80 万人と推定されているという。飲酒運転で事故を起こした人が報道されることが少なくないが、日本全体でのアルコールによる社会的なインパクトは想像を絶するほどだという。アルコールによる職場や仕事への影響は大きく勤怠不良や労災事故から自殺まで幅広い問題が知られており、メンタルヘルス不調を持つ働く人が、ルコール乱用や依存の傾向と両方持っていることが多いという。世の中には「酒は百薬の長」という名文句があってある程度の量の飲酒は身体に良いと信じられているが、「適量を守る」という習慣を勧める向きもあるという。
多量飲酒とは区別して、 1 日 20 グラムまでの「節度ある適度な飲酒」とされているが、この適量というのがなかなか曲者で、「まず、適量」という言い方を程好く酔うという印象で捉えている人は相当数いるというのだ。大酒家であればビールの大瓶の 2 ~ 3 本は準備体操くらいの感じかあって、医学的な適量とは、ビールであれば中ビン 1 本や日本酒は 1 合・ 25 %焼酎 100ml までだという。さらに難しいのが 1 日 20 グラムの純アルコールでも毎日飲み続けていると、精神的な依存が始まることだというのだ。お酒がないと口さびしく禁断症状こそは出ないが気がつくとお酒を口にしている状態になってしまうという。こうなるとだんだんと身体的な依存が進み、本格的なアルコール乱用やアルコール依存に陥ることになってしまうという。
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