自転車保険の義務化とは自転車に乗る場合において、あらかじめ自転車保険に加入しておかなければならないことを言い、東京都内で発生する自転車事故が近年増加傾向にあることから自転車を利用する都民に損害賠償保険の加入を義務付ける方針だという。9月の都議会定例会に「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」の改正案を提出するが、可決成立すれば施行は来春になる見通しとなる。自転車事故をめぐっては大きな被害や多額の損害賠償が生じることもあり、東京都の担当者は「保険加入率アップを期待したい」と話している。自転車損害賠償保険などについて現在は加入が「努力義務」とされているが、東京都の調査によると自転車保険の加入率は53 . 5%だと言われている。
他自治体では義務化により加入率が7割に上昇した事例があり、東京都の専門家会議も「自転車は車両だという意識が高まり、安全利用の推進につながる」などとして、加入義務化の必要性を指摘する報告書を作成していたという。自転車事故を起こした場合によっては高額な損害賠償の支払いを命じられることがあるが、自転車保険の義務化は全国共通のルールではなく住んでいる都道府県や市区町村によって加入の取り扱いが異なっている。私の住んでいるサイクリングが盛んと言われる愛媛県でも自転車保険は努力義務だが、努力義務とは自転車保険に加入するように努めなければならないといった意味であり、加入義務のように自転車保険に加入しなければならないといったことではないのだ。
東京都の条例改正案では自転車の利用者に損賠保険の加入を義務化するわけだが、義務違反に対する罰則などは盛り込まれていないそうなのだ。このほか企業は通勤時に自転車を利用する従業員に対してだけでなく、自転車販売店は顧客に対してそれぞれ保険加入の有無を確認する努力義務があるとされているという。この改正案は既に公表され今月に一般から意見を公募しているそうなのだ。警視庁などの調査によると東京都内の自転車関連事故は昨年度で1万1771件だとされるが、2年前の1万949件より822件増だし3年前と比べると1万417件の1354件増と多発傾向にあるという。交通事故全体に占める自転車関連事故の割合も36・1%を占め全国平均の19・9%の約2倍に上っているそうなのだ。
自転車事故をめぐっては商店街を歩いていた 77 才の女性に 1 台の電動自転車が衝突した事故があるのだが、自転車を運転していたのは、 20 才の女子大生で事故当時彼女は左手にスマホ右手に飲み物を持ち左耳にはイヤホンをしており、警察の取り調べに「衝突するまで気づかなかった」と話しているそうなのだ。そもそもこの女子大生は両手が塞がっており通行人に気づいたとしてもブレーキをかけられる状態ではなかったそうで、警察はこの加害者の女子大生を「重過失致死容疑」で地検に書類送検したそうなのだ。この「重過失致死罪」には重大な過失により人を死傷させたという場合に適用されるもので、 5 年以下の懲役・禁固又は 100 万円以下の罰金が科せられることになっているのだ。
たかが自転車という軽い気持ちでは済まされない現状があって、これまでの自転車事故の賠償額もそれを物語っているという。神戸地裁でも歩行者の60代女性を自転車ではねて危篤状態にさせた当時小学5年の男子児童の母親に対し、約9500万円の支払いを命じる判決が出るなど自転車事故での多額の賠償金を求める事例が続出しているという。歩道を猛スピードで走る自転車は歩行者にとって凶器なのだが、右側通行で逆走する自転車はというとドライバーにとって危険で、衝突事故を招きかねないことから「車道の弱者、歩道の暴君」」と呼ばれているように事故を起こす可能性が高いとされている。自転車で人生を棒に振らないためにもマナーとルールを守ることと高額賠償への備えも心掛けるべきだというのだ。
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