コンビニの定番商品おでんは肌寒い夜にはダシの匂いに誘われて思わず買ってしまうという人も多いとされるが、全国各地にあるコンビニはどこでも同じ商品が買えることが便利さのひとつとなっている。もちろん地域によって取り扱っている商品に違いもあっておでんもそんな商品のひとつだという。同じコンビニチェーンでもおでんの味は地域によって異なるそうで、例えばセブン - イレブンのおでんはつゆの味を 8 つの地域に分けており、それぞれの地域の特徴によってブレンドするダシの組み合わせを変えて味に違いをつけているという。もちろんセブン - イレブン以外の各社も地域によってつゆの味に違いをつける工夫をしたり、地域限定のおでんダネを販売していたりしているそうなのだ。
おでんに燗酒というのは昔ながらの定番中の定番だが、おでんが恋しい季節になってコンビニのおでんで出汁割りというのが流行っていて、コンビニおでんの出汁割りなら家飲みで気軽に楽しめるという。日本酒をおでんの出汁で割って飲む「出汁割り」なのだが、一度出汁割りのうまさを知ってしまうと、おでんを食べるから出汁割りを飲むのか出汁割りが飲みたいからおでんを食べるのか分からなくなるぐらいだという。出汁割りの酒と出汁の比率は一般的には「酒 1 に出汁 3 」というのが黄金比と呼ばれているようなのだが、酒飲みの私はもう少しお酒濃いのが好みなので「酒 1 :出汁 2 」という酒飲み仕様で飲んでいる。バランスの取れた出汁の旨味と邪魔せず圧倒せずのほどよい存在感が日本酒とマッチして美味しいのだ。
ある雑誌ではおでんというと和のイメージではあるがワインと合わせてみてもいけるそうで、アレンジはおでんのバターのせだという。バターの乳製品ならではのコクが意外にもおだしの味と良い相性だそうで、大根はバターの乳製品ならではのコクが加わることで甘みが引き立ってまろみがたまらないという。後味にもバターの余韻が残ってワインが欲しくなるというが、ちくわは練り物の風味とバターのコクが重なって旨みたっぷりだというのだ。一番気に入っているのは昆布でほんのりとバターが香っておつまみにぴったりだという。コンビニのおでんなどは味付けがしっかりしているので少しバターを加えたところでベースはおでんのおだしの風味で、ガラッと印象が変わってしまうわけではないので安心して飲むことができるそうなのだ。
そんなコンビニおでんなのだが、「セブン ― イレブン」の店舗を中心にレジ横でのおでん販売を中止・縮小する動きが広がっているそうで、つゆに長時間浸すおでんは販売できる時間が短く清掃や補充にも手間がかかるうえに、廃棄費用の大半が店舗負担で利益が出にくく従業員の人手不足も相まって売る側からは敬遠されているのが実情だという。東京都内のあるセブンの店舗では今年からおでん販売の中止を決め 1 枚の張り紙を掲示したそうで、おでんがごみ箱に捨てられるイラストとともに「売れ残りのおでん廃棄に心を痛ませておりました」とつづられていたという。また原材料もおでん製品の原料「すり身」の輸入価格が高騰しており、物流費や人件費の上昇も重なり値上げを検討する動きもあるということのようなのだ。
もっともコンビニおでんの売れ筋トップ 3 は大根や玉子に白滝で、おでんが最も売れるのは、真冬ではなく 10 月だという。単に気温が低い時ではなく前日と比べて大きく気温が下がった時が最もおでんの売り上げが伸びるという。秋口に急に気温が下がった時に「そういえばコンビニにおでんがあった」などと思い出してもらうには、お盆ぐらいの時期から販売を始めて顧客に認知してもらう必要があるというのだ。近年はコンビニおでんの市場そのものが伸び悩んでいるそうで、調査によればコンビニおでんの市場は 413 億円と前年比で 66 億円減少しており、「お鍋と言っても、キムチ鍋や豆乳鍋など鍋の味の種類が増えているうえに、野菜を食べたいというニーズが増えてきているため」と分析されているそうなのだ。
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