鳥インフルエンザが猛威をふるっているが、過去最多の感染拡大の影響で「物価の優等生」と呼ばれ続けた卵の値段も上昇しており、おでんなど季節の料理に使われる冬場に需要が高まるとはいえ例年以上に価格が高騰しているという。目安となる「全農たまご東京 M サイズ」の先月の卸売価格は月平均で 1 キロあたり 284 円と前年同月比 74 円も値上がりし統計が公表されている 1993 年以降最高値となったという。アメリカでも卵の価格が高騰し隣接するメキシコから卵を違法に持ち込もうとする人が急増しているという。 高病原性鳥インフルエンザは致死性が高い鳥の病気で渡り鳥によって秋ごろから国内に持ち込まれ、新型コロナウイルスは空港などの水際対策でチェックする手があるが鳥が飛来するのは防ぎようがないという。
価格が安定した食品の代表格で「物価の優等生」とも称される鶏卵がここまで高騰したのには特別な理由は養鶏場などでの高病原性鳥インフルエンザの感染拡大だという。昨年秋に始まった今シーズンの国内発生件数は 23 道県の計 54 例に上り過去最多を更新しており、鶏などの殺処分数も 3 日時点で計約 775 万羽となり過去最多の約 987 万羽に迫っているという。 スーパーでは「大流行した 2 年前のシーズンは、殺処分の影響で卵の産地在庫が品薄となり、本来なら需要が落ちて価格も下がる夏場にも値上がりしました」としているが、加えてロシアのウクライナ侵攻で穀物価格が上昇し鶏の餌となる飼料も高騰していて、配合飼料価格は 3 年前に比べて約 1.5 倍に急騰し今後の価格減少も見通せないという。
都内のスーパーでは平均でひとパックあたり 30 円ほど卵の価格を上げたというが、売れ筋だというプライベートブランド商品も 8 月に 10 円値上げしたそうなのだが、 1 日の入荷数はおよそ 50 パックで今のところ安定的に確保できているという。スーパーの運営会社によると総菜を仕入れている業者からサラダに使うゆで卵用の卵が十分確保できないという。スーパーの職員も 「鳥インフルエンザ等で需要と供給があっていないため、他社ではスーパーの方で品薄が続いていると聞いている」というが、昨年末の卵の価格は飼料価格の上昇に伴う価格転嫁や年末需要もあって高騰しており、例年であれば年明けには需要も収まり価格が下がるのに、今年は一時的に下落するも上昇し 1 月としては異例の高水準となっているという。
さらなる価格高騰と供給不足が懸念される中で政府は対応を協議する関係閣僚会議を開催し全国的な緊急消毒の実施状況などを確認したほか、養鶏農家に対してニワトリに卵を産ませる期間を延ばすことなどで安定的に生産、家庭向けの供給を優先させるよう求めましたという。かつてない鳥インフルエンザの感染拡大で卵の生産の現場では日ごとに不安が高まっており、 東京都立川にある養鶏場の「危機的状況の一言。今まで出たといっても、宮崎県や千葉県と離れているのがほとんどだったが、最近は埼玉県で事例が出ているので、あすはわが身ではないが、出てもおかしくない」という。そのうえで外から飛んできた野鳥などが感染源になるケースが多いため外部の侵入経路に目を光らせる必要があるという。
都内の養鶏場では現在 5 千羽のニワトリを飼育しているが、特殊な餌を使っていてブランド卵として百貨店などでも販売しているが、鳥インフルエンザに感染した場合にはニワトリを殺処分しなくてはならず収入源を失うことになるという。対応を協議する政府の関係閣僚会議では全国的な緊急消毒の実施状況などを確認したほか、養鶏農家に対してニワトリに卵を産ませる期間を延ばすことなどで安定的に生産し家庭向けの供給を優先させるよう求めている。衛生に関しての補助金を出ているが、設備投資がかかるので、もう少し補助を強化しどこまでやっても 100% の感染防止はないので逆にどこまでやればいいのかが問題だという。養鶏が安定を取り戻し価格が落ち着くまでにどれだけ時間がかかるのかが問われているという。
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