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2005.05.25
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名探偵の掟

~講談社文庫~

まずは、目次を紹介。

プロローグ
「第一章 密室宣言-トリックの王様」
「第二章 意外な犯人-フーダニット」
「第三章 屋敷を孤立させる理由-閉ざされた空間」
「第四章 最後の一言-ダイイングメッセージ」
「第五章 アリバイ宣言-時刻表トリック」

「第七章 切断の理由-バラバラ死体」
「第八章 トリックの正体-???」
「第九章 殺すなら今-童謡殺人」
「第十章 アンフェアの見本-ミステリのルール」
「第十一章 禁句-首なし死体」
「第十二章 凶器の話-殺人手段」
エピローグ
最後の選択-名探偵のその後

 連作短編集ということで、普段なら短編ごとに内容紹介を書き、コメントを付す、という形をとっているが、今回は数が多い、などの理由で、それぞれへの言及はしないことにする。
 本書を紹介された時から、とても面白そうだと思っていた。紹介してもらう時に、少々詳しく内容も聞いていたが、それでも笑えた。第一章でまず大笑い。第二章以下、笑いながらも少し冷めてきたかな、というところで(だって、第四章と第五章はひどすぎる(;_;))、第六章です。これはよかった。原作とドラマのタイトルの違いのところ、ドラマのタイトルの正式名称に大笑い。新聞のテレビ欄、あのタイトルのところはやたら異彩を放っているものなぁ。
 さて、本書は、ミステリにおけるいろいろなトリックやテーマをパロディしながら扱っている。どこかの書評でも拝見して、ここに書くのは若干ためらわれるが、登場人物が、自分が小説の中の登場人物であるということを意識していて、自分が描かれているその物語の特徴について自ら言及するという、いわゆる「メタ」な要素がある。なにが面白いって、地名や人名は適当に名付けられたように思われる「小説の世界」の筋を追うより、その世界についての警部と天下一さんの議論を聞く(読む)のが面白かった。

 第一章から第十二章までは笑いながら読めるのだが、しかし中でも第十二章以下は、考えさせられるところがあった。本書は完全にミステリを皮肉ったりパロディであるわけではなく、一種の問題提起にもなっているのだろうと思う。もちろんこれは私の主観的解釈であって異論反論はあると思うが(などと伏線をはるのは高校生の頃に注意された覚えがあるが…)。
 東野さんの作品を読むのはこれが初めて。彼の作品はいろんな方向のものがあって、しかも作品数が多いため、全てカバーすることはできないと思う。『白夜行』と『さまよう刃』はぜひ読みたいのだが、古本屋に並ぶのを待とう(あるいは、後者は文庫化待ち)。





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Last updated  2005.05.25 23:11:55
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