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2006.02.18
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アンリ・ピレンヌ(佐々木克巳訳)『中世都市-社会経済史試論-』
~創文社、1970年~

2005年9月8日に紹介したアンリ・ピレンヌの著作です(その、『ヨーロッパ世界の誕生』についての記事は こちら )。
目次は以下のとおり。

序文
第一章 八世紀末に至るまでの地中海商業
第二章 九世紀の商業の衰頽
第三章 シテとブール

第五章 商人
第六章 都市の形成と市民
第七章 都市の諸制度
第八章 ヨーロッパ文明に対する都市の影響

第一章、第二章は特に、先述の『ヨーロッパ世界の誕生』を読んでいたので、よりよく読めたように思います。ローマ帝国は地中海的性格をもっていた。ゲルマン人がその性格を変えてしまったのではなく、彼らの侵入後もローマ帝国の商業の動きは連続している。この古代世界を破壊するのはイスラームの侵入であり、これによって西方は地中海的性格を喪失し、重心を北方(内陸)へと移すというのです。
九世紀、カロリング朝の商業活動はとるにたりないものであり、市場は地方的な小市場にすぎなかったと指摘されます。この時代、経済の基盤は動産から不動産(土地)となり、ピレンヌによれば、カロリング帝国は、「内陸国家であったと同時に、本質的に農業的な国家」だったということです。荘園も、従来は商業活動に従事していましたが、商業の衰退により、消費経済(自給自足的)へ移っていくということです。
以上、第一章から第二章までの整理です。第二章の後半では、カロリング帝国と中世のロシアが対比されていて、興味深かったです。
第三章、シテとブール。ここはもう少し整理しておきたいところです。…が、メモ程度にここにも書きましょう。
戦争時などに避難するための囲い地。ここは、住民たちが儀式などで集まる場になり、やがて宗教上、行政上の中心となります。これがシテです。シテには、司教が管理するものもあり、そうしたシテでは司教の権力が強くなっていきます。シテは、宗教行政の中心となるのです。
ブールも、城壁によって囲まれた場所(通常は円形)でした。これは軍事的な施設でした。
第四章、商業の復活。重要なのは、10世紀からの人口増加です。これにより、開墾の時代をむかえることになります。そして、商業の復活に大きな役割を果たすのは、ヴェネツィアによる地中海商業と、フランドル地方のノルマン人との交流です。つまり、外の商業との接触が、商業の復活につながっていくというのです。こうして、商業、そして工業がさかんになってくると、それは農業にも作用し、都市と農村の間に相互関係がうまれるのです。

第六章では、先にふれたブールに並んでつくられたフォブール(新しいブール)の重要性が指摘されます。ここが商人の定住地とされていきます。ブルジョワは、この新しいブールの住民のことだという指摘(古いブールの住民にブルジョワという名称は決して与えられなかったという指摘)が、実に勉強になりました。
さて、疲れてきたのではしょります。
第七章は、最後でまとめてくれているので、引用します。「中世の都市は、12世紀に入って現れてくるところでは、防備施設のある囲いの保護の下に、商工業によって生活を営み、都市を特権的な集団的人格とするところの特別の法、行政、裁判を享受する、コミューンである」(181頁)。要は、ここでは市民の特権的な性格が指摘されています。
第八章で興味深かったのは、農民が余剰収穫物を売ることで利潤を得る、その前提には商業の発展があった、ということですね。技術の改良で生産量が増えるわけですが、このように農民が勤勉に労働するのは、商業によって自分が快適になっていく可能性が開けたから。興味深かったです。

ピレンヌの本は、論の展開がうまくて、読みやすいです。読んでいて面白い、と思いました。





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Last updated  2008.07.12 21:03:43
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のぽねこ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) スパイシーチューリップさんへ コメント…
スパイシーチューリップ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) 流行りましたね!キラキラ系、あまり知ら…
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