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2006.07.09
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乱鴉の島

~新潮社、2006年~

 学年末を終え、疲労していた火村英生に、下宿のばあちゃんが、島にでも行ってリフレッシュしておいで、という。ばあちゃんの下宿の<卒業生>が三重県沖の島にひらいた民宿に行ってはどうか、というのだ。
 有栖川とともに、火村は島へ向かう。しかし、船頭の手違いで、別の島へ行ってしまう。黒根島-通称「烏島」である。
 ほとんど無人島のそこにある唯一の民家。そこは、英米文学者、作家、詩人である海老原瞬の別荘であった。そこへは、10人ほどの来客があった。全員が海老原の信奉者だというが、有栖川たちには奇妙な集まりに思えた。
 島にきてくれる船がつかまらず、そこへ滞在を許してもらう有栖川たち。しかし、島へさらに珍妙な来客があった。日本のポップカルチャーを世界に広めようという若き起業家、初芝が、ヘリコプターで登場するのだ。海老原のもとへきていた藤井医師にお願いがあるというのだった。
 海老原のもとにいる人々から非難される初芝。彼が有栖川たちに、人々の集いの理由を知らせるのでは、と、集まっていた人々は危惧していた。そして-。管理人の木崎の姿がみあたらなくなる。初芝が寝泊まりに利用する島の空き家で、その死体が見つかる。

 いろんなところにかかれていることですが、久々の火村先生シリーズの長編にして、火村先生シリーズとしては初の孤島ものです。あとがきで有栖川さんも書かれていますが、孤島ものとしては地味な印象です。一人目の被害者が出るのもずいぶん物語が進んでからですし、被害者の数も少ないです(現実的にはよいことなのですが…)。そして、物語の中でもふれられていますが、事件の背景-海老原のもとに集まる人々をつなぐ理由が奇妙です。それだけとさえいえるかもしれません。
 面白かったのは初芝さんです。愛称はハッシー。黄金の指をもつオタク、ですよ。彼が紹介するゲームやアニメ・漫画がどんどん流行るので、ギリシア神話に登場する、ふれたものを金に変えるミダス王になぞらえられています。企業吸収により、持ち株会社としての性格が強くなってきた会社社長で、彼への評価は好き嫌いに分かれるそうです。こころなしか、その物腰もH氏を連想させました。というか、有栖川さんも明確に意識しているのでは…。

 犯人を指摘する場面で、ご多分に漏れず関係者の背景・信条などが語られるわけですが、それをふまえてのラストは感動でした。





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Last updated  2006.07.09 18:33:11
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のぽねこ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) スパイシーチューリップさんへ コメント…
スパイシーチューリップ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) 流行りましたね!キラキラ系、あまり知ら…
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