のぽねこミステリ館

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2007.03.13
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~文藝春秋、2003年~

 文藝春秋の叢書「本格ミステリ・マスターズ」の中の一冊です。ずいぶん話題になったようですね。それでは、感想に。

 主人公の俺―成瀬将虎さんは、警備員、パソコンの講師など、いろんな仕事をしていた。自称、「なんでもやってやろう屋」である。
 俺はフィットネスクラブに通っているが、高校生の後輩・キヨシから、相談事をもちかけられる。キヨシが気になっている女性、愛子が、クラブに顔を見せなくなったというのだった。愛子のもとを訪れると、家族が交通事故で亡くなったという。
 しばらくして、愛子が俺に相談事をもちかける。亡くなったおじいさんは、健康をうたい水や布団を高額で売りつける蓬莱倶楽部に殺されたのではないかと思われる、蓬莱倶楽部について調べて欲しい、という。おじいさんは既に、蓬莱倶楽部の商品を5000万円も買っていたのだった。
 愛子から相談を持ちかけられた日、俺は一人の女性と再会する。以前、線路に飛び込んで自殺しようとしたところを俺が助けた女性―麻宮さくらである。その日から、二人はときどきデートするようになる。俺は、平行して蓬莱倶楽部の調査も進めていく。

 これが、物語の主軸です。ときどき、蓬莱倶楽部に関する章が挿入され、それが主軸を補強する軸だとすれば、いうなれば別の軸の物語も挿入されています。成瀬さんは高校卒業後、探偵事務所で働くことになるのですが、その際、暴力団に潜入捜査することになるのです。こちらは、クスリを運搬中に何者かに襲われた組員が、その夜、腹をめった刺しにされた状態で死んでいた、という謎があり、その解決の方もスマートで面白かったです。
 主軸の方は―大がかりな謎の提示があるわけではないのですが、やられました。これは面白いです。


   *   *   *

 土曜日に、久々に高熱が出たと思ったら、数年ぶりにインフルエンザにかかってしまったようです。二日間は頭も働かなかったのですが、少し具合が落ち着いてきたので、本書を読んだのでした。それでも、もう少し隔離生活を送らなければなりません…。
 こんな時期にインフルエンザとは、と驚いたのですが、ここにきて流行っているともききますね。大変です…。





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Last updated  2007.03.13 08:28:00
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のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 久々の再…
シモン@ Re:石田かおり『化粧せずには生きられない人間の歴史』(12/23) 年の瀬に、興味深い新書のご紹介有難うご…
のぽねこ @ corpusさんへ ご丁寧にコメントありがとうございました…

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