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2007.11.23
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~講談社ノベルス、2003年~

 安藤シリーズ第7弾です。浦賀さんの講談社ノベルス作品としては9冊目。『眠りの牢獄』から短めの作品が続いていましたが、本書は420頁強と、読み応えもあります。
 では、内容紹介と感想を。

ーーー
 10年前。近所のお兄さん、遠山くんに透明人間の話を聞いて憧れていた私―小田理美の家に、透明人間が現れた。野球帽をかぶり、マフラーをして、顔を包帯でぐるぐるまきにした人間が、じっと私の部屋を見ていたのだった。さらに後には、家の中まで入ってきた。私が透明人間を発見して驚くと、「彼」は父の書斎に逃げ込んだ。私があとを追うと、部屋にはマフラーや包帯など、透明人間が身につけていたものが残されていた。窓の鍵もかかっているのに、「彼」は消えてしまった。透明人間だから、服を脱いだら見えなくなってしまったのだ。やっぱり透明人間だったんだ。
 年明けには、悲しい事件が起こる。夜、急にお父さんが出かけてしまった。不安になった私は、近所の神社に捜しに行く。雪が降っていた。神社の石段には、足跡が一人分だけ。私がおそるおそる石段をおりると、そこでお父さんが死んでいた。透明人間が殺したのかな。私は考える。
   *
 父を亡くし、孤独なままなんとか高校を卒業した後、私は自殺未遂を繰り返すようになった。二度失敗し、三度目、陸橋から飛び降りようとしたところで、私は飯島鉄雄に助けられた。それをきっかけに、私は飯島くんと付き合うようになった。

 仲間先生と、4人の男女が訪れ、私は、自分の家に広大な地下の館があることを知る。しかし、私たち7人は地下に閉じこめられてしまい、さらに、連続殺人が繰り返されることになった。
 私は、10年前のことを思い出す。書斎から消えた透明人間は、この地下室に逃げていたのではないか。そして、突然の来訪者である私たちを、殺しているのではないか―。
ーーー

 久々の再読なのですが、やっぱりこの作品は面白いです。
 いままでのシリーズの主要人物ということでいえば、飯島さんにスポットライトが当たっている感じですね。あの軽そうな飯島さんが、やはり軽薄なせいか小田さんとケンカしつつも、それでも小田さんを守ろうとしている姿は良かったですね。
 特に過去の作品との複雑なリンクがあるわけでもなく、その意味では安藤シリーズの中でも独立性の高い一冊といえるでしょうか。
 物語は、10年前―まだ小学生の小田理美さんの日記からはじまります。2頁目には、とてもかわいい絵で「わたしの町マップ」があって、楽しい気分になるのですが、透明人間が現れ始めてから、サスペンスフルな雰囲気になっていきます。そして、父親の死。現在になり、繰り返している自殺未遂。楽しい雰囲気がだんだん薄れていき、そして地下では殺人が繰り返されることになります。10年前の事件も現在の事件も、後で話を聞いた安藤直樹さんが一応の合理的な説明をつけてくれるのですが、それで終わってしまうわけではないのが良いですね。というか、その後に待っている小田さんの考えが、この物語に深みを与えてくれます。飯島さんの推理も、ミステリとしての興味深さはもちろんなのですが、小田さんとの関わりの中でもつ温かさが良いです。

 安藤シリーズは、デビュー作の『記憶の果て』で衝撃を受け、第二作『時の鳥籠』も大好きなのですが、その次に出会えた特に好きな作品が、本書『透明人間』です。
 本作の後、松浦純菜&八木剛士シリーズがはじまったので、安藤シリーズは中断している状態です。安藤さんと「彼」との戦いもまだですし、シリーズが再開されるのが楽しみです。





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Last updated  2007.11.23 07:31:30
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のぽねこ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) スパイシーチューリップさんへ コメント…
スパイシーチューリップ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) 流行りましたね!キラキラ系、あまり知ら…
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