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2008.07.08
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悪魔の寵児

~角川文庫、1996年改版初版~

 金田一耕助シリーズの長編です。
 まずは、内容紹介と感想を。

ーーー
 雨の降る昭和33年(1958年)6月18日、本屋にレイン・コートの男が入ってきたことが、事件の発端だった。
 男が店員に作らせたハガキが、バー・カステロのマダムら、3人の女たちに届く。彼女たちは、戦後巨富を築いた風間欣吾の愛人であった。黒枠の塗られたハガキの文面を読むと、欣吾の妻、美樹子と、カステロの店員早苗の兄、石川宏が心中を遂げるメッセージのようだった…。
 カステロに集まった三人は、早苗とともに石川家に赴く。そこでは、裸で抱き合ったまま昏睡した宏と、絶命している美樹子が横たわっていた。
 早苗に好意を寄せる新聞記者、水上三太がその場にかけつけ、医者を呼ぼうとしたところに現れたのが風間欣吾。風間は、水上に取引をもちかけ、いったん妻の亡骸を家に持って帰るが、その夜、妻の亡骸が消えてしまっていたという。

 こうした中、悪魔の寵児は恐ろしい事件を演出する。風間の愛人の一人の新店オープンのパーティの中に届けられた箱。その箱の中では、その愛人の遺体と、風間の人形が抱き合っていたのだった…。
 風間が雇った私立探偵、金田一耕助も事件を調査していくが、水上もまた彼にライバル心を燃やし、いくつもの冒険に挑んでいく。
ーーー

 10年ほどぶりの再読ですが、内容をすっかり忘れていたので、新鮮な気持ちで読みました。 …読了後は、なんとえげつない事件かと、しばらくひきずってしまいました。
 ちょうど1年ほど前から、横溝作品を再読してきていますが、このえげつなさはなかなかないと思います。横溝さんの作品には、しばしばタイトルに「悪魔」という言葉が付けられていますが、この事件の犯人の形容にはそう言わざるをえないですね。
 そして、内容紹介を書くにあたってあらためて物語のことを考えると、今度はその巧さにうなりました。雨の日にふらりと現れる雨男に、怪しい蝋人形館。主に水上さんが繰り広げる手に汗握る冒険…。
 面白いです。…が、やっぱりかなりえげつないです…。
(2008年7月6日読了)


*表紙画像は横溝正史エンサイクロペディアさまからいただきました。





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Last updated  2008.07.08 06:40:08
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のぽねこ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) スパイシーチューリップさんへ コメント…
スパイシーチューリップ @ Re:銀色夏生『流星の人』(05/16) 流行りましたね!キラキラ系、あまり知ら…
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