問題意識については、都市史、農村史、法制史などなどの諸領域についての研究の具体例を列挙しており、もちろん興味深いのですが、第二章の重点は後半、ベルギーでの史料の扱いに置かれています。具体的には、中世の史料目録である『中世ベルギー・ラテン語作者・作品目録』の刊行と、そこに収録された史料をコンピューター処理するための研究センターについて、詳しく紹介されます。そのセンターはルーヴァン大学の史料処理研究センター(Centre de traitement electronique des documents, Universite de Louvain. 通称セテドックCETEDOC)です。 そして、冒頭にもふれました、『西欧中世史料類型』刊行の経緯についてもふれられています。