コメントありがとうございます。興味深く拝読しました。
あまりに多くの人が大学に行く時代と、ごく限られた人しか大学に行かない時代(以前の日本でもそうです)とでは、学生のあり方も変わってきますよね。この頃は卒業後の就職も難しい時代になっていますが、それでもせっかく大学に行くからには、勉強の楽しさを感じないともったいないような気がします。
torezuさんもプログラムや料理などの勉強をなさっていらっしゃいますし、素敵なことだと思います。

引っ越しの方はもう落ち着きました。これからまた仕事も忙しくなってきますが、のんびりの時間を大切にしたいです。
それでは、失礼します。 (2010.09.13 21:30:25)

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2010.09.12
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(Charles Homer Haskins, The Renaissance of the Twelfth Century , Harvard University Press, 1927)
~みすず書房、1989年~

 チャールズ・ホーマー・ハスキンズ(Charles Homer Haskins, 1870-1937)のあまりにも有名な著作です(なお、画像は1997年の新装版です)。
 ハスキンズはなんと5~6歳でギリシア語とラテン語を学び、16歳でジョンズ・ホプキンス大学を卒業したとか…。まさに天才ですね。
 いまでこそ「十二世紀ルネサンス」という言葉は中世史研究のなかで定着していますが、まだ中世が「暗黒時代」と考えられていた当時、本書のタイトルは実に挑戦的な響きをもっていたと考えられます。そのあたりの事情は、ハスキンズによるはしがきでも示されているように思います。
 本書の構成は次のとおりです。

ーーー


第一章 歴史的背景
第二章 知的中心地
第三章 書物と書庫
第四章 ラテン語古典の復活
第五章 ラテン語
第六章 ラテン語の詩
第七章 法学の復活
第八章 歴史の著述
第九章 ギリシア語・アラビア語からの翻訳
第十章 科学の復興
第十一章 哲学の復興


原注
解説(朝倉文市)
あとがき(別宮貞徳)
文献書誌
索引


 構成が丁寧で、議論の流れを追いやすいです。語り口も面白いので、西洋中世史の研究書としての内容面で名著であるだけでなく、知的な読み物としても楽しめる一冊だという印象です。

 この記事では、メモの意味をこめて、興味深かった箇所を紹介します。

 まずは、第3章から、筆写についての部分です。印刷術のない時代、本の普及は筆写によらざるをえませんでした。ところでこの筆写という仕事、とてもつらい仕事だったようです。ここまでは知っていましたが、本書では、そんなつらい仕事を終えた写字生の喜びの言葉が欄外に書かれた署名に見えると指摘した上で、それら喜びの言葉を紹介しています。たとえば…。
「終わり。神に感謝」
「これで終わり。遊びに行こう」(57頁)
 なんというか、人間らしさがあってほのぼのしますよね。

 次いで面白かったのは、当時の学生が家族にあてた手紙です。要は、お金の無心をする手紙が割とあるのですね。こないだはお金送ってくれてありがとう。でもなにかとお金がかかってもう使ってしまったので、もう少し送ってください……と、こんな感じの手紙が紹介されています。
 ちなみにハスキンズは学生の手紙について、1898年に論文を書いているそうです。100年以上も前の論文ですが、気になります。

 学生の態度としてもう一つ面白い一節があります。教師が、こんなことを書いているのです。「来年は、例年どおり普通講義を規則に従ってきちんとおこなうつもりだが、特別講義は中止する。学生はあまり支払いがよくなく、勉強する意欲はあっても払いを惜しむからである」(172頁)
 親に学費を払ってもらいながら勉強する意欲のない学生さんも多い世の中と思われますが、そんな状況とはずいぶん対照的な一節ですね。
 どうでもよいことですが、私はいまは就職して仕事しながら趣味で西洋史を勉強していますが、大学院の2年間、全力で勉強したあの一時が至福の時だったと今でも思います(それでもまだまだ勉強は足りませんでしたが…)。学生さんは勉強以外も大事ですが、高校までの押しつけ度合いの高い教育と違って、自分で学ぶことの楽しさを是非感じてほしいと思います。

 …と、なにやらネタばかりのメモとなってしまいましたが、知的興奮を得られる素敵な一冊でした。

(2010/07/29読了)


*   *   *   *   *

 最近引っ越しをしました。その準備もあって読書も進まず、またネット開通にも時間がかかったので、ブログの方もご無沙汰しておりましたが、また少しずつ記事を書いていこうと思います。
 よろしくお願いいたします。





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Last updated  2010.09.12 07:26:53
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Re:C・H・ハスキンズ『十二世紀ルネサンス』(09/12)  
torezu  さん
お金の無心をする学生、筆写の終了を喜ぶ学生。
現代と余り変わらないように見えて、その実、今の学生よりも教育に対して真摯な姿が伝わって来ました。
詰め込み教育、ゆとり教育。日本でも色々言われていますが、勉強が楽しいものであると、誰かに気づかされたら、きっと教育現場も変わると思います。
全力で勉強されていたのぽねこさんには、本当に頭が下がります。しかも、それを続けられているというのが本当にすごいと思います。
私も学生時代は勉強をしたつもりですが、結局は試験に受かることばかりを考えて、身のある勉強をしていなかったように感じています。
社会人になってからネットに触れる事が出来て、その中で色々やりたいことも増え、プログラムの初歩を学ぶ段階になって、ようやく学生時代の勉強のありがたみがわかってきたように思います。
学生が勉強をしなくなったのは、将来に希望が見出せなくなったからかも知れないですね。
学生時代にやりたいことが決まる人は稀かも知れませんが、何か一つやりたいことを見つければ、それに向かってやり遂げることが出来ると思います。
温故知新と言いますが、正に今の日本の社会には、この故事成語が当てはまるのでは?と思いました。
引越しの準備、お疲れ様でした。
また、ブログに遊びに来ます。w (2010.09.12 17:26:52)

torezuさんへ  
のぽねこ  さん

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