のぽねこミステリ館

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2016.01.13
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~河出書房新社、2015年~


 西洋中世の都市の研究で有名な河原先生、考古学的知見を取り入れて研究を進めていらっしゃる堀越先生のお二人による、中世の日常生活に関する一般書です。このシリーズはカラー図版が豊富なので、見るだけでも楽しいです。
 お二人について、私が所有している著作は次のとおりです。
・河原温『中世ヨーロッパの都市世界(世界史リブレット)』山川出版社、1996年
・河原温 『都市の創造力(ヨーロッパの中世2)』 岩波書店、2009年
・堀越宏一 『中世ヨーロッパの農村世界』 山川出版社、1997年
・堀越宏一 『ものと技術の弁証法(ヨーロッパの中世5)』 岩波書店、2009年


―――
序章 中世ヨーロッパの世界―農村と都市―

第1部 農村の暮らし
 第1章 中世農村の誕生
 第2章 農民と領主
 第3章 村の姿
 第4章 農民の仕事
第2部 都市の暮らし
 第5章 中世都市の誕生
 第6章 都市の労働
第3部 中世人の日常

 第8章 衣食住

あとがき
参考文献・図版引用文献一覧
―――

 第1部は中世の農村の、第2部は中世都市の、簡明な概説となっています。



 第2部で面白かったのは、13世紀末頃のパリの課税台帳が紹介されていることです。同じパン屋という仕事でも、人によって課税見積額に大きな差があります。それだけ売り上げに差があったのでしょうか(そのあたりの税制について全く知識がないので…)。そして、いろんな職業を紹介する第6章も興味深く読みました。

 第3部は、特に興味をもって読みました。個人的には、声や鐘などの音を通じた人々のつながりについてふれた節が面白かったです。聖職者たちの説教、市場での商人たちの声、布告を伝達する際に鳴らされたトランペット、時間を知らせる鐘の音…。中世の様子がいきいきと浮かんでくるような感じがします。

 図版豊富で面白い1冊でした。





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Last updated  2016.01.13 22:10:26
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のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 久々の再…
シモン@ Re:石田かおり『化粧せずには生きられない人間の歴史』(12/23) 年の瀬に、興味深い新書のご紹介有難うご…
のぽねこ @ corpusさんへ ご丁寧にコメントありがとうございました…

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