仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2006.04.11
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カテゴリ: 東北
山形県の齋藤知事のブログ日記を時々読んでいます。子育て日記というタイトルどおり、家族のことが多いようだが、たまに、さすがだと思うこともある。金融マンご出身らしく、経済の目で地域づくりを語る場合だ。

4月7日(金)には、「年金と資金循環」との題の日記。内容は次の通り(当ジャーナル要約)。
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 資金の首都圏偏在が今後顕著になってくると地方金融機関の資金繰りに大きな影響が出るという。
 従来から、産業集積の度合いが生産労働の対価たる所得等により資金循環の大きな要素となるが、高齢化社会の進展で、これに加えて高齢者数の多さ(比率ではない)に比例して年金等の振込み・滞留が発生する。そしてその資金は現金化される傾向があり、主として、(1)消費、(2)タンス預金、(3)送金、に回り、投資には回らない。
 特に、送金は、高齢者が子供や孫などへの仕送りの色彩が強い。とすると、高齢者の絶対数が多い首都圏、また仕送り先たる働き手や学生の多い首都圏に、これまで以上に集中・還流が見られるようになる。
 これを金融サイドからみると、従来は投資需要を主要因に、恒常的に都銀は資金不足、地銀は資金余剰、の構図にあった。しかし今後は、
(1)政府民間とも投資の最少化・効率化により、これまで以上に投資が抑制的になること、
(2)年金受給者は首都圏が圧倒的に多く、また地方で受給された年金も首都圏に還流する傾向が強いこと、

 そうなると地方公共団体の資金繰りにも大きな影響を及ぼすこととなる。そもそも指定金融機関の意義付けを再考しなければならないであろうし、指定金融機関としての地銀等の役割も今一度考える必要が生じよう。果たしてどうか。
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なるほど。明快だ。

 ところで、冒頭の「産業集積と所得水準の関係」だが、学生時代から関心を持っていながら、踏み込めないでいる分野だ。
 特にわが宮城県は、人口規模、経済規模などでは一般に全国10位台なのに、所得水準(1人あたり)では全国30位台である。
(ちなみに、県民所得、進学率、投票率の3つが顕著に低い。これが当ジャーナルの指摘する宮城の3大特徴だ。→過去の日記 「今回の総選挙、宮城県の投票率の低さを考える」(05年9月13日) など

 産業集積や域内自給、付加価値の滞留などを、モノの側面、人(労働力、知力)の側面、カネ(金融・資本市場)の側面から理解でき論ずることができれば、すばらしいだろうな、と個人的な願望でもある。特に最近は所得格差が色んな意味でクローズアップされている。そういえば村井知事も、所得の増加を、富県戦略の具体的目標値とするようだ。
 山形は、イメージとしては製造業の集積や商品作物の付加価値の高さがありそうだが、腰を入れて研究したいところだ。

 ということで、日記のタイトルの「を考える」までは行きませんでした。





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最終更新日  2006.04.11 05:39:51
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