仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2006.12.27
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カテゴリ: 東北
新聞の世界は、業法や監督官庁が存在しない分野だ。憲法論議で言えば、表現の自由は精神的自由の中核ともいうべき価値があり、また民主政治の健全な発達の前提でもあるから、新聞に対する規制には極めて慎重でなければならない、ということになろう。限りある電波を使用することから規制が容認ないし要請される放送業界と異なる。

そんなわけだから、公的な免許や登録などのシステムはそもそもない。特定の業界やグループのための新聞もあれば、学校や家庭の新聞もある。極端な意見もあっていいし、その自由こそが新聞の本領だ。
ただ、巨大な社会的存在となった現在の大新聞には、街角の瓦版と違って、表現の自由を担う識見が求められることもまた当然。そこで、新聞倫理綱領(自由と責任、正確と公正、品格と節度、など)を掲げる日本新聞協会に加盟していることが、一応現在の大新聞の要件と言って良いように思う。

さて、東北では日本新聞協会に14社が加盟している。同協会掲載の順に、
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1 東奥日報社      青森市  共同 明治21年、26万部
2 陸奥新報社      弘前市
3 デーリー東北新聞社 八戸市  共同 昭和20年、11万部
4 岩手日報社      盛岡市  共同 明治9年

6 河北新報社      仙台市  共同 明治30年、50万部
7 秋田魁新聞社     秋田市  共同 明治7年、27万部
8 北羽新報社      能代市     明治28年
9 山形新聞社      山形市  共同 明治9年、21万部
10 荘内日報社      鶴岡市     昭和21年、2万部
11 米沢新聞社      米沢市     明治12年、1万部
12 福島民報社      福島市  共同 明治25年、30万部程度か
13 福島民友新聞社    福島市  共同 明治28年、21万部
14 いわき民報社     いわき市    昭和21年、2万部
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なお「共同」の表示は、社団法人共同通信社に加盟の8紙。その後は、創立年と自称発行部数(各紙HPから。わからないものは省略)。



ところで、発行部数1万台の新聞なら、宮城県内でも、石巻日日新聞(石巻市、大正元年)、大崎タイムス(大崎市、昭和22年)などがある。新聞協会に加盟していないのは、朝刊であることや毎日刊行であることなどの資格要件があるのだろうか。

こういう地域紙(県域よりも狭い地域紙)は各都市に結構あるはずだ。津軽新報(黒石市)、盛岡タイムス(盛岡市)、胆江日日新聞(奥州市)、北鹿新聞(大館市)、などなど。

さて、東北で最もユニークなのは、県域レベルの地方紙2紙が拮抗している福島県だろう。福島の経済人に尋ねたら、どうしても2紙を購読してしまうのだという。地方紙は河北1紙で済む仙台が羨ましい、と。毎日系の民報が、読売系の民友を部数の点では上回るようだが、情報収集の上では2紙がある以上、双方とも必要なのだろう。

都市構造、公立高校、新聞も銀行も...何でもモノカルチャーの仙台・宮城に住む私たちには、わからない感覚か。





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最終更新日  2006.12.27 22:19:14
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