KUROうさぎの『コンサートを聴いて』
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鑑賞日:2022年5月22日(日)14:00開演入場料:4,950円(D席 4階2列)【主催】(財)新国立劇場新国立劇場2021/2022シーズンオペラ『オルフェオとエウリディーチェ』グルック作曲全3幕(イタリア語上演/日本語及び英語字幕付)会場:新国立劇場オペラパレススタッフ指 揮 :鈴木優人演出・振付・美術・衣裳・照明:勅使川原三郎アーティスティックコラボレーター:佐東利穂子舞台監督:髙橋尚史合唱指揮:冨平恭平合 唱 :新国立劇場合唱団管弦楽 :東京フィルハーモニー交響楽団コルネット(ツィンク):上野訓子、得丸幸代シャリュモー:満江菜穂子チェンバロ :重岡麻衣出演オルフェオ :ローレンス・ザッゾエウリディーチェ:ヴァルダ・ウィルソンアモーレ :三宅理恵ダンス :佐東利穂子、アレクサンドル・リアブコ、高橋慈生、佐藤静佳感想 新国立劇場でバロックオペラを公演するとのことで、初夏を思わせる天候の中、初台まで出掛けた。 GWも無事過ぎ新型コロナまん延防止も再発令されないなか、来場者カード記入、検温、手の消毒、チラシピックアップはこれまで通り。客席は舞台前2列除きZ席まで全て販売され、ほぼ満席の状況。屋内ホワイエでのドリンクサービス無いものの、1階屋外、2階屋外渡り廊下でアルコール含めたドリンクサービスあり。厚労大臣の屋外マスク不要発言や海外からの渡航者入国緩和で新型コロナ前の日常まであと少しか。 今回バロックオペラのため、オケボックス内人数は少な目。指揮者真向かいにチェンバロが置かれ、クラリネットは無く、ツィンク、シャリュモーが見られる。ホルン、オーボエ、トランペット、トロンボーンは現代楽器のよう。雷用の鉄板、ウィンドマシーンもあり。3幕になると、トランペット、トロンボーン、縦笛も居なくなり更に小規模に。 時間となり暗転、指揮者登場で序曲が始まる。ピリオド奏法なのだが、どうも金管楽器とのバランス悪く、上手く音が嵌らない様に聞こえる。 ホールの大きさのため、新型コロナのためオケピットが深いため、楽器の違い等の影響か。せっかくなら全部古楽器で舞台上でBCJが演奏した方が良かったか。 幕が開くと中央に大きな白い円形の舞台が置かれ中央やや下にあじさいの花が四角く置かれ、エウリディーチェの墓になっている。その前に濃いえんじ色のコートを着たオルフェオが立ち亡くなった妻への愛を歌い続ける。変形舞台の周りに黒い衣装、被り、目元マスクを付けた合唱が妖精や羊飼いとして歌う。その円形舞台の前にダンサーが登場し、曲に合わせて踊る。1人は白い衣装で3人は青い衣装。白い衣装の女性はエウリディーチェの位置付けか。 オルフェオが亡き妻を黄泉の国から連れ戻すと神々に言うと、アモーレが表れ手助けをする。 1幕終了で幕が降り、客席暗転のまま続けて2幕へ。 舞台奥に大きな黒っぽいユリの花が重なったものが2つ置かれ、そこが黄泉の国への洞窟の入り口になっている。復讐の女神とオルフェオのやり取り中に舞台奥下手側に6人のバンダが登場。バンダはバイオリン2、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、バロックハープ各1の編成。 再び暗転となり、白い大きなユリの花が左右に並べられエリゼの園に。ここで青いドレスを着たエウリディーチェを見つけた所で幕。 25分の休憩を挟み第3幕へ。 3幕は再び大きな白い円形の舞台上で周囲を白いユリが囲む。オルフェオがエウリディーチェの手を、引き顔を合わせずさまよう。エウリディーチェの不安が募り、遂に互いに顔を見合わせ抱擁した所で、エウリディーチェが崩れ落ち息を引き取る。 ここでオルフェオがアリア「エウリディーチェを失って」(Che faro senza Euridice?)を歌い終わり、音楽が止まった所で、客席から唯一の拍手。再びアモーレが表れ、エウリディーチェが生き返り、羊飼いや妖精たちとアモーレに感謝しフィナーレ。 言葉で書いても解りづらいので、新国立劇場HPの画像で。 現代舞踊家の勅使川原三郎氏の演出だけあって、ダンスとオペラを複合した演出で、衣装、照明、舞台装置とも上手く整合が取れ、黄泉の国を表した作品になっていた。 歌手は、3人伴素晴らしい。オルフェオ役ローレンス・ザッゾはカウンターテナーながら、よく響く歌声で、音楽表現も豊か。広いオペラパレスの4階席まで十分に聞こえる歌声だった。エウリディーチェ役のヴァルダ・ウィルソンは、容姿含め役にピッタリの落ち着いた歌声。アモーレ役の三宅理恵も、役に合う明るいソプラノの歌声だった。 新国立劇場でバロックオペラを聞くのは始めて。オケとのバランスを考えると、もう少し小さな劇場の方が良いのではと思えた。記録を見ると2000年に小劇場で公演されている。 次シーズンには新型コロナで中止になった「ジュリオ・チェーザレ」が予定されており、楽しみに。End
2022.05.22
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