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2006/12/06
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カテゴリ: 音楽
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 2005年11月20日、ビートルズの"ニューアルバム"「LOVE」( 写真

 ビートルズについて言えば、未発表分も含めると膨大な音源が残されていて、既発表曲でも未発表テイクが多く、音の悪い海賊盤が氾濫していることでも知られています。ファンの一人としては、公式音源できちんとした未発表バージョンをリリースしてくれることを望んできました。Beatles: Love

 1995年には、80年に亡くなったジョンの未発表曲に残りの3人が演奏やコーラスで協力した「フリー・アズ・ア・バード」を、96年には同じ方法で「リアル・ラブ」という新曲を出してくれました(プロデューサーはジェフ・リン)。

 その後、2003年にはデビュー後の長い間、彼らのプロデューサーをつとめたジョージ・マーチンの手によって、名アルバム「レット・イット・ビー」のオリジナル演奏の音源を使った「レット・イット・ビー・ネイキッド」が発表されたのは記憶に新しいところです。

 以来、3年ぶりとなるこのアルバム「LOVE」は、なんと26曲入りというボリューム!。ことし80歳を迎えるジョージ・マーティンと、その息子のジャイル・マーティンが共同制作したものです。ただし、ニュー・アルバムと言っても、まったくの新曲があるわけではありません。

 もともとこのアルバムの曲は、ラスベガスで行われた「シルク・ドゥ・ソレイユ」という劇団の音楽ショーのために、ビートルズの残した膨大な音源を使って制作され始めたのですが、ポールやリンゴの発案で最終的に一つのアルバムとして発表するようになったということです。

 慣れ親しんだビートルズの複数の名曲が1曲にうまくリミックスされ、再アレンジされて、時にはまるで別の曲のように生まれ変わっています。一言で言えば、名曲の「音のコラージュ」という雰囲気。意外性の面白さと言ってもいいと思います。

 ただ100点満点であえて点数を付けてば、結果的にあまり雰囲気が変わっていない曲も結構あるので、87点くらいでしょうか(第一印象では90点以上だったんだけど…)。ただ、もともとが素晴らしい名曲ばかりです。リミックスだという先入観抜きで初めてビートルズを聴く人には、きっと95点以上は付けられるアルバムだと思います。

 結論として、ビートルズの音楽を知り尽くしたジョージ・マーチンにしても、名曲をいじって別の曲のように仕立て直すのは限界があったということでしょうね。さて、ヒマな僕が、じっくり聴いたうえで全26曲についてコメントすると――(ただし、僕は「ビートルズおたく」ではないので、間違いがあればどなたかご指摘ください)。

1.Because
 「アビー・ロード」(1969)収録曲。完全なアカペラ・バージョンですが、曲自体の雰囲気はあまり変わりません。

2.Get Back~3.Grass Onion
 言わずと知れた「レット・イット・ビー」(1970)の代表曲。冒頭に、「ア・ハードデイズ・ナイト」のイントロ、「ジ・エンド」のドラミングなどをうまくつなぎ合わせて、「ゲット・バック」の本編へ導入しています。曲中でも、「グラス・オニオン」「アイ・アム・ザ・ウオルラス」など計13曲の断片がうまくコラージュされているから、探してみるのも面白いです。

4.Eleanor Rigby~Julia
 前者は「リボルバー」(1966)に収録。バックはストリングスをやや強調したアレンジ。でも、もともとストリングスが印象的な曲だったので、さほど新鮮さはありません。後者は「ホワイト・アルバム」(1968)でジョンがボーカルをとっている名曲ですが、これは短いインストルメンタルだけのバージョン。

5.I Am The Walrus
 「マジカル・ミステリー・ツアーズ」(1967)に収録。前半はオリジナル・バージョンとあまり変わりませんが、後半はいろいろ細かい仕掛けも。

6.I Wanna Hold Your Hand
 1963年,5枚目のシングル。冒頭と終わりの歓声のコラージュ以外、あまりオリジナルと変わりません。

7.Drive My Car ~ The Word ~ What You're Doing
 これのメドレーというか、3曲のコラージュはめちゃ良く出来ています。このアルバムの中でももっとも完成度は高いです。まるで新しい曲みたいです。

8.Gnik Nus
 「アビー・ロード」収録の「サン・キング」を逆回転したら、こんなおもろい曲になりましたというのがミソ。タイトルはもちろん「Sun King」のつづりを逆にしたものです。

9.Something ~ Blue Jay Way
 前者は言わずとしれたジョージの代表曲です。オリジナルはよく知っているから、耳を凝らしてよく聴いてみましたが、どこがオリジナルと変わってんのかよく分からなかったです。すみません。ひょっとして、後者の曲をラストにつなぎ合わせただけ?

10.Being For The Benefit Of Mr. Kite ~ I Want You ~ Helter Skelter
 3曲のミックスですが、「ヘルター・スケルター」はあまり目立っていません。でも出来はなかなかいいです。3曲以外にも、いろいろ混じっています。

11.Help
 1965年発表、5枚目の同名アルバムのタイトル・ナンバー。ほとんどオリジナル・バージョンに近いです。

12.Blackbird ~ Yesterday
 前者の有名なギター・イントロに、名曲中の名曲の後者をつなげたものですが、ちょっと安易かなぁという印象です。これをコラージュというのはちょっと辛いかなぁ。

13.Strawberry Fields Forever
 これはまったく新バージョン。デモ・テープでの弾き語りを導入部分にし、他にもいろんなテイクをつなぎ合わせているようです。「イン・マイ・ライフ」のや「ピギース」、「ペニー・レイン」「ハロー・グッドバイ」など有名な曲の間奏や歌のさわりをうまく混ぜ込んでしていて、面白い。こんな遊び心が大好きです。完成度も高くて、技能賞ものかな。

14.Within You Without You ~ Tomorrrow Never Knows
 前者はジョージのインド指向を映した代表曲(「サージェント・ペッパーズ」=1967=収録)。あまりいじりようがないのでしょうねぇ…。後者は、「リボルバー」のなかの実験曲。さてこのメドレーの試みは成功とみるかどうか。

15.Lucy In The Sky With Diamonds
 「サージェント・ペッパー」収録の名曲。オリジナル。・バージョンとは別テイクを基にしたアレンジなのか、それともオリジナル・バージョンを少しいじっているのかはよく分かりません。若干、変わった雰囲気に仕上がっていますが、オリジナルの域は出ていません。

16.Octopus's Garden
 「アビー・ロード」収録。リンゴがボーカルをとった曲。冒頭の伴奏は「ホワイト・アルバム」の「グッド・ナイト」を重ね合わせていますが、これがなかなかいいです。「イエロー・サブマリン」の断片もうまくコラージュされています。

17.Lady Madonna
 1968年発表のシングル。僕も大好きな曲の一つです。面白いアレンジで仕上げています。「ヘイ・ブルドッグ」の伴奏とこれほどうまくかみ合うとは驚き! これは成功例だと思います。

18.Here Comes The Sun ~ The Inner Light
 前者は「アビー・ロード」に収録されたジョージの代表曲。パーカッションに少しインド風の味付けがしてあるのは、ジョージへの敬意の表れでしょうか。後者は次曲へのつなぎのような位置付けです。

19.Come Together ~ Dear Prudence ~ Cry Baby Cry
 1曲目は「アビー・ロード」収録で、言わずとしれたジョンの代表曲。意外なほどオリジナル・バージョンに近いです。どこがコラージュなの? と思ったら最後の方で、2曲目(「ホワイト・アルバム」収録)がからんできました。3曲目は次曲へのつなぎです。

20.Revolution
 1968年、シングルで発表された「ヘイ・ジュード」のB面。ジョン主体の曲ですが、僕は結構この曲が好きです(現役時代、4人でバンド・スタイルできちんと演奏しているプロモーション・ビデオはこの曲くらいでしょうね)。ギターの音のひずみ具合がオリジナルと少し違うので、別テイクかもしれません。

21.Back In The USSR
 「ホワイト・アルバム」の1曲目に収録されたビートルズの代表曲。これもあまりオリジナルとは変わっていません。さすがのマーチン親子もこれだけ曲数があると最後の方はお疲れで、少し手抜きしたのかなぁ…。

22.While My Guitar Gently Weeps
 これはまったく新しいバージョン。ジョージのアコースティック・デモ・バージョンに、新たにアレンジし、録音したストリングスを重ねています。原曲の良さは生かしつつ、うまく仕上げているけれど、まったく別の曲になったかと言えば、原曲のメロディーがあまりに素晴らしいので、その域は出ていません。

23.A Day In The Life
 「サージェント・ペッパー」収録の名曲。オリジナル自体が、ジョンとポールがそれぞれに作った別の曲をジョージ・マーチンがうまくくっつけた曲です。もともとがかなり実験的なことをいろいろやっているので、それをまたコラージュするのは難しかったようで、アレンジも基本的にはオリジナルを踏襲しています。

24.Hey Jude
 1968年発表のシングルで、ビートルズのシングルで最も売れた曲とか。これもほとんどオリジナル・バージョンです。各楽器パートの録音レベルは少し変えているようですが、あまり変わったという印象はありません。ラストで、ポールのベース・ソロを際立たせていますが、これがなかなかいいです。

25.St. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)
 ヘイ・ジュードのラストがフェイド・アウトしていくのに重なって曲が始まりますが、曲自体は、これもオリジナル・バージョンに近いです。

26.All You Need Is Love
 ラストは1967年発表のシングル。オリジナルとは違うテイクで、ベースが冒頭から入っています。ラストもオリジナルとあまり変わり映えしなくてはファンに怒られると思ったのか、マーチン親子はこの曲では、「ペニー・レイン」他の名曲の断片をたくさんコラージュしています。曲の最後は、いつのまにか「グッド・ナイト」に曲が変わって終わります。



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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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