Bar UK Official HP & Blog(酒とPianoとエトセトラ)since 2004.11.

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2009/11/29
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カテゴリ: BAR
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 以前、この日記でも一度とりあげたあるBARの話を書きます。少し長くなりそうですが、ご容赦を( 【おことわり】この日記で使用した写真と日記の内容は関係ありません



 数年前に開業したそのBARでは、飲み代(酒代)とは別にいわゆる「チャージ」という料金を500円~700円くらいとります。チャージ自体は、日本では他のBARでもとる店がほとんどなので珍しくはないのですが、この店ではチャージとは別に、10%のサービス料がかかったり、かからなかったりします。チャージやサービス料がいくらかはその時によって微妙に違うので、どれが本当か、私にもよくわかりません。s-At the Bar.jpg

 「今宵も、BARへ--『私的』入門講座20章」でも書いたように、私は個人的には、全世界を見ても日本だけの独自のシステムである「チャージ」という曖昧な料金制度・システム(請求)には批判的で、「チャージ」については「不要論者」です。(チャージについての詳しい論考は、 2006年12月2日の日記 をご参照)。

 客商売の世界なら、「チャージ」という曖昧な名前ではなく、本当にサービスに自信があるなら、堂々と「サービス料」と銘打って取るのが筋だと思っています。まぁそれはさておき、「チャージ」(という名の「サービス料」)を取ること自体は、その店の経営方針なので、私がとやかく言うことではありません。日本では「チャージ」をとる店が多数派なので、「チャージ徴収」を理由にBAR巡りをやめたら、BARでは飲めません。

 店側は、「チャージ」をとるからにはそのチャージ料金に見合ったサービスを客に提供するのは当然のことですし、実際、「チャージ」に見合う価値のある店なら、私は「サービス料」だと思って、気持ちよく支払っています(チャージを取りながら、別に10~20%のサービス料をとる店もありますが、これは別の次元の議論なので、詳しくは上記の「06年12月2日の日記」をお読みください)。

 さて、 この日記の本題ですが、私の以前からの疑問は、今回の日記でとりあげたそのBARが、「チャージをとるのに、おつまみ(付き出し、チャーム)の一品すら、まったく出さない」ということでした。 「チャージに見合ったサービスとは何か」は人によって見解は分かれるでしょうが、チャージをとる場合は何か一品を添えるのは、オーセンティックBARでは「最低限の客への礼儀(義務)」だと僕は考えています(私以外のBAR愛好家でも、この点に異論のある人はほとんどいないでしょうし、実際、日本国内のオーセンティックBARの99.9%では何か一品が添えられているはずです)。s-At the Bar2.jpg

 このBARのマスターの師匠の店ではちゃんと「おつまみ)」が付いてきます(チャージ500円です)。彼も独立後はしばらく「おつまみ」を出していたのですが、間もなくして「チャージを取りながら、おつまみは一切なし」というスタイルに変えました。そこで、スタイルを変えた理由をマスターに尋ねたいと思ったのです。

私「チャージやサービス料をとるなら、何か一品を出すべきじゃないの?」

マスター「ちゃんとした付き出しを作れるスタッフもいないんで…」(3月からはサブのスタッフが増えたので、説得力ある理由ではありません)

私「凝ったものでなくていいんだよ。かわきもの程度で十分だよ。貴方の師匠の店ではちゃんと出していたじゃないか」

マ「中途半端なものなら、出さない方がいいかと…」

私「それなら、ノーチャージ(&ノーサービス料)にすべきじゃないか。じゃぁ、貴方の店のチャージって、何に対する対価なの? ※※※(盛り場の名称)で貴方の店のように、チャージをとりながら、何も出さないというBARがあったら、教えてくれる? 私も※※※で結構いろんなBARへ行ってるけど、そんな店は見たことも、聞いたことないよ」

マ「………」s-At the Bar3.jpg

私「私の友人も同じことを言っていたけど、貴方の店は、本当に酒を愛する人を、BARを愛する人を大事にしようとしているのか、それとも(彼の店に多い)金払いだけはよくて文句は言わない同伴客の方を大事にしたいのか、よく見えないよ」

マ「う~ん、僕は…どっちのお客さんも大事に思ってますが…」

私「そう思うなら、酒呑みに対する本当のサービスは何か、チャージとは何かを、もう一度考えた方がいいよ。ここまで言うからには、私も相当覚悟を決めて言ってることを分かってほしいなぁ…」

マ「はい、おつまみの件は、もう少し…考えてみたいと思いますので…」


 残念ながら、マスターの口からは説得力のある理由は聞けませんでした。繰り返しになりますが、私は、銀座や北新地のチャージの高い店(たとえサービス料がさらに少し付いても)に行っても、払う値打ちのある、それに見合うお酒やサービスを提供してくれる店なら、いつも納得して払っています。しかし彼の店のような、意味不明の料金を請求する行為は、金額の多い少ないに関係なく、世間の「基準」では「ぼったくり」の範疇に入るでしょう。

 彼がもし、「確かにうちはチャージをもらって何も出さない。しかし、このチャージは店の空間使用料や僕の接客料などトータルとしてのサービス料だ」とでも説明する自信があるなら、私にも聞く耳はあるのですが、現時点では、彼は口をつぐんだまま、意味不明なチャージをただとり続けているだけです。

 当然、私の中での「Good Bar」の「基準」(条件)には、彼のような店は含まれないので、上記のようなやりとりがあった後は、行く気もなえて、一度も覗いていません。しかし先日、あるBARのマスターが自分の店の営業時間終了後に、その彼の店へ行ったら、「結構はやっていたよ」「おつまみはやはり出なかったなぁ…」と言ってました。s-At the Bar4.jpg

 彼の店には、以前から同伴出勤のおっさんや「アフター」のおねえさんらが目立ったので、相変わらず、金の使い方を知らない客が多いということもあるのでしょう。結構なチャージやサービス料をとりながら、一品すら出さないのは、私の知る限り全国でも、最近では彼のBARくらいです(もちろんノー・チャージの店なら、何も出ないということはあります)。

 マスターは、おつまみを出す件については、「そのうち考えてみます」と言っていましたが、その後実行に移していないところをみると、本気度は疑問です(さすがにおしぼりは出てきますが、おしぼりくらいはチャージ150円の北サンボアでも出てきます)。

 何もとくに変えなくても店が繁盛するならば、彼はおそらく、そのおかしなやり方(営業方針)は変えないでしょう。彼のBARは、客が経営者(マスター)を甘やかして、おかしくしてしまう、典型的な例なのかもしれません。

 ここまで言うのは、私が、彼が師匠の店に勤め始めた初々しい頃からよく知っているからで、彼のBARが、どんな客(バー愛好家)からも文句を言われないような、「まっとうなオーセンティックBAR」になることを、そして、彼自身がより素晴らしいバーテンダーになってくれることを心から願っているからなのです。「儲かればいい」のスタンスでは、いずれ客に見放されるでしょう。

 彼が今後どうするのか、しばらくは見守るしかありません。彼が「目覚める日」は果たして来るのでしょうか。彼がポリシーを改めて、おつまみを出すようなればまた飲みにいくでしょうし、ポリシーを変えないのであれば、永遠に「別れる」しかありません(「決別宣言」をした後、ここ半年ほどは知らないので、最近は何か一品を出すようにはなったのでしょうか。もし反省して方針を改めたのなら、またお邪魔してもいいかなと考えていますが…。情報をお持ちの方は教えてくださいませ)。



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kopn0822 @ 1929年当時のカポネの年収 (1929年当時) 1ドル=2.5円 10ドル=25円 10…
汪(ワン) @ Re:Bar UK写真日記(74)/3月16日(金)(03/16) お久しぶりです。 お身体は引き続き大切に…

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